社会保障制度とは?4本柱(社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生)をわかりやすく解説【高校公共・政経対応】

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社会保障制度

もぐたろう
もぐたろう

今回は社会保障制度について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!4本柱の仕組みや歴史・財源の問題まで、高校公共・政治経済の試験対策にもバッチリ使える内容にしてるよ!

📚 この記事のレベル:高校公共 / 政治経済
🎯 共通テスト対応

この記事を読んでわかること
  • 社会保障制度とは何か(定義と目的をわかりやすく)
  • 4本柱の名前と違い(社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生)
  • 社会保険5分野(年金・医療・介護・雇用・労災の仕組み)
  • 社会保障制度の歴史(ビスマルク→ベバリッジ→日本の国民皆保険)
  • 少子高齢化と財源問題(現代日本が抱える課題)

実は社会保障制度は、今あなたが病院で払う3割負担にも、いつか受け取るはずの老後の年金にも、直接関わっている制度なんです。「試験の用語暗記」と思っていたこの制度——実は、今この瞬間から私たちの生活を支え続けてくれているんです。

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社会保障制度とは?

3行でわかる社会保障制度
  • 国民の「生活リスク」に備えるため、国が設けた総合的な仕組みのこと
  • 「社会保険」「社会福祉」「公的扶助」「公衆衛生」の4本柱で構成される
  • 財源は保険料と税金の2本立て(柱によって違う)

社会保障制度しゃかいほしょうせいどとは、病気・老齢・失業・貧困など、人生の中で誰にでも起こりうる「生活上のリスク」に対して、国が国民の生活を支える仕組みの総称です。

私たちは生きていれば、いつかは病気になるかもしれません。仕事を失うかもしれない。老後の生活費が不安になるかもしれない。そういった「もしもの時」に備えて、国が制度として整えているのが社会保障制度です。

その法的な根拠となっているのが、日本国憲法第25条(生存権)です。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」——この条文が、社会保障制度全体の土台になっています。

あゆみ
あゆみ

社会保障って、老後の年金だけのこと?私、会社員だから関係あるのかな……。

もぐたろう
もぐたろう

めちゃくちゃ関係あるよ!病院に行ったときの3割負担も、失業したときの雇用保険も、全部社会保障制度の一部なんだ。今でいう「国が作った超巨大なセーフティネット」って感じ。年金はそのうちの1つに過ぎないよ!

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社会保障の4本柱とは?全体像をつかもう

日本の社会保障制度は、大きく4つの柱で構成されています。それぞれが異なる「対象者」と「財源」を持っており、組み合わさることで国民の生活全体をカバーする仕組みになっています。

柱①:社会保険(保険料を払って万一に備える仕組み)

柱②:社会福祉(社会的弱者を支援するサービス)

柱③:公的扶助(最低生活を保障する生活保護)

柱④:保健医療・公衆衛生(国民全体の健康を守る環境整備)

この4本柱の中で特に大切なのが「財源の違い」です。社会保険だけは保険料が主な財源で、自分で積み立てた分が後で戻ってくるイメージです。一方、社会福祉・公的扶助・公衆衛生の3本は税金が主な財源で、「みんなで出し合って困っている人を支える」仕組みです。

今でいうなら——社会保険は「コンビニで売ってる掛け捨て保険」、公的扶助は「本当に困ったときだけ使える最後のお助け券」、社会福祉は「介護ヘルパーさんを公費で派遣してもらえるサービス」、公衆衛生は「街全体を清潔に保つための公共インフラ」——そんなイメージで捉えると理解しやすいです。

ゆうき
ゆうき

4つの柱、全部「税金」じゃないの?保険料って何が違うの?

もぐたろう
もぐたろう

いい質問!保険料は「加入者が自分で払うお金」で、社会保険専用の財源なんだ。一方、税金はみんなが払って国や自治体が管理する財源。社会保険=「保険料メイン+一部税金」、それ以外の3本=「税金メイン」というのがテストで問われる超重要ポイントだよ!

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社会保険とは?5つの保険をまとめて解説

社会保険しゃかいほけんとは、病気・老齢・失業など特定のリスクに備えるために、国が強制的に加入させる保険制度です。原則として保険料を払った人が給付を受けられる「相互扶助(お互いに助け合う)」の仕組みです。

社会保険には現在5つの分野があります。「年金ねんきん医療いりょう介護かいご雇用こよう労災ろうさい」——この5つをまとめて覚えることが試験対策の第一歩です。

■ 年金保険

年金保険ねんきんほけんは、老後の生活費や障害を負ったとき・家族の生計を担う人が亡くなったときに給付を受けられる制度です。

日本の年金制度は「二階建て構造」になっています。国民年金こくみんねんきん(1階部分・全国民が加入)の上に、会社員・公務員が加入する厚生年金こうせいねんきん(2階部分)が乗っかっています。20歳から60歳未満の全国民が国民年金に加入する義務があります。

給付の種類は3つ——①老齢年金(一定年齢に達したときに受け取る)、②障害年金(病気・ケガで障害を負ったとき)、③遺族年金(家族を扶養していた人が亡くなったとき遺族が受け取る)です。

■ 医療保険

医療保険いりょうほけんは、病気やケガの際に医療費の一部を保険でカバーする制度です。あなたが病院の窓口で「3割負担」で済むのも、医療保険のおかげです。

加入する制度は職業によって異なります。会社員は健康保険(主に職場の健保組合や全国健康保険協会)、自営業者・無職者は国民健康保険(市区町村が運営)、75歳以上は後期高齢者医療制度に加入します。

📌 自己負担割合のポイント:原則3割。ただし70〜74歳は2割、75歳以上(後期高齢者)は原則1割(一定所得以上は2〜3割)。義務教育就学前の子どもは2割。

■ 介護保険

介護保険かいごほけんは、高齢者や障害者が日常生活に支援が必要になったとき、介護サービスを受けられる制度です。40歳以上が強制加入で保険料を払います。

2000年に導入された比較的新しい制度です。市区町村が「要介護認定ようかいごにんてい」を行い、認定された人が施設入所・訪問介護・デイサービスなどのサービスを利用できます。自己負担は原則1割(収入によっては2〜3割)です。

■ 雇用保険

雇用保険こようほけんは、失業したときや雇用継続が困難になったときに給付を行う制度です。今でいう「失業時の生命線」——会社を辞めたあとに受け取れる「失業手当(基本手当)」はここから出ます。

失業手当の他にも、育児休業中に受け取れる育児休業給付、スキルアップのための教育訓練給付なども雇用保険の給付に含まれます。原則として全ての労働者(週20時間以上・31日以上継続雇用見込みの方)が加入対象です。

■ 労働者災害補償保険(労災)

労働者災害補償保険ろうどうしゃさいがいほしょうほけん労災保険)は、仕事中や通勤途中のケガ・病気・死亡に対して補償を行う制度です。

他の4つの保険と決定的に違うのが財源です。労災保険の保険料は事業主(会社)が全額負担します。労働者本人の負担はゼロです。「仕事でケガをしたのは会社の責任でもある」という考え方が反映されています。

📌 5保険セット暗記のコツ:「ね(年金)・い(医療)・か(介護)・こ(雇用)・ろ(労災)」の頭文字で覚えよう。このうち労災だけ保険料を事業主が全額払うという点がテストで狙われやすいよ!

社会福祉とは?高齢者・障がい者・子どもを支える仕組み

社会福祉しゃかいふくしとは、社会的に弱い立場にある人々——高齢者・障がい者・子ども・ひとり親家庭——を、税金を使って公費で支援する制度です。

社会保険との最大の違いは「誰でも使えるかどうか」です。社会保険は保険料を払った人なら誰でも給付を受けられますが、社会福祉は特定の条件を満たした人(支援が必要と認められた人)に対してサービスを提供します。そして財源は税金が主体です。

社会福祉の主な対象:高齢者福祉 / 障がい者福祉 / 児童福祉 / 母子・父子家庭福祉

根拠法としては、老人福祉法(高齢者への在宅・施設サービス)、障害者基本法(障がい者の自立と社会参加の支援)、児童福祉法(子どもの健全育成・保育所運営など)などがあります。

今でいうなら——「市役所の福祉課に相談すれば、ヘルパーさんを公費で派遣してもらえる」「障がいのある方が就労・生活の支援を受けられる」——そういった公的なサポート全般が社会福祉に当たります。

あゆみ
あゆみ

社会福祉と社会保険ってどう違うの?どちらも「国が助けてくれる」感じがするんだけど……。

もぐたろう
もぐたろう

ポイントは2つ!①財源:社会保険=保険料メイン、社会福祉=税金メイン。②対象:社会保険=加入者なら誰でも、社会福祉=特定の条件を満たした人だけ。つまり社会保険は「みんなが使える保険」で、社会福祉は「特に支援が必要な人へのサービス」ってイメージだよ!

公的扶助とは?生活保護の仕組みをわかりやすく

公的扶助こうてきふじょとは、生活に困窮した人に対して、国が必要最低限の生活費を保障する制度です。社会保障制度の中で「最後のセーフティネット」と呼ばれます。

公的扶助の代表が生活保護です。憲法第25条(生存権)の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するために設けられており、財源は全額税金です(保険料は一切ありません)。

生活保護の8つの扶助:生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助

生活保護を受けるためには、「補足性の原理」という大原則があります。つまり「他に使える財産・収入・保険・親族の援助がある人はまず自力で使い切る、それでも足りない分だけ生活保護で補う」という考え方です。

社会保険や社会福祉と比べた特徴を整理すると——社会保険は「現金や医療費をもらえる」、社会福祉は「サービス(ヘルパー派遣など)を受けられる」、そして公的扶助(生活保護)は「現金+医療費の両方を丸ごと保障してもらえる最終手段」です。

📌 補足:生活保護の現状:厚生労働省のデータによると、2023年度の生活保護受給世帯数は約165万世帯(2023年度確定値:1,650,478世帯)。そのうち高齢者世帯が約55%(55.3%)を占めており、少子高齢化の影響が顕著に表れています(出典:厚生労働省「被保護者調査」令和5年度確定値)。

保健医療・公衆衛生とは?国民全体の健康を守る仕組み

保健医療・公衆衛生ほけんいりょう・こうしゅうえいせいとは、社会全体の健康を守るための環境を整える仕組みです。「特定の個人の治療」ではなく、社会全体・地域全体を健康にすることを目的としています。

財源は税金が主体です(個人が保険料を払うわけではありません)。厚生労働省や都道府県・市区町村が主体となって実施します。

公衆衛生の主な内容:感染症予防 / 予防接種 / 上下水道整備 / 食品・医薬品の安全管理

具体的には——感染症対策(インフルエンザや新型コロナへの対応)、乳幼児への予防接種、清潔な上下水道の整備、食品の安全基準の設定・管理などが含まれます。

特に新型コロナウイルスの流行(2020〜2022年)で注目を集めたのが保健所の存在です。保健所は都道府県や政令市が設置する公衆衛生の最前線機関で、感染症の調査・対応・患者の支援などを担います。コロナ禍では保健所の業務が急増し、公衆衛生インフラの重要性があらためて認識されました。

ゆうき
ゆうき

公衆衛生って、予防接種のことだけ?医療保険と何が違うの?

もぐたろう
もぐたろう

予防接種は公衆衛生の代表例のひとつだよ。違いはシンプルで——医療保険=「すでに病気になった人を治療する」のに対して、公衆衛生=「そもそも病気が広がらないよう社会全体を守る」こと。つまり「治療」じゃなくて「予防・環境整備」が公衆衛生の本質なんだ!


社会保障制度はどうやって生まれた?歴史でたどる誕生の物語

社会保障制度は、最初から「あたり前のもの」として存在していたわけではありません。今からおよそ150年前、19世紀ドイツでの小さな一歩から、この制度の歴史は始まりました。

産業革命によって工場で働く労働者が急増した19世紀。病気・ケガ・老齢になっても誰も助けてくれない——そんな時代に、国家が初めて「労働者を守る」仕組みを作ったのです。

■ ビスマルクの世界初の社会保険(1883年・ドイツ)

1883年、ドイツ帝国宰相オットー・フォン・ビスマルクは世界で初めての社会保険法しゃかいほけんほう——「疾病保険法」を制定しました。

ビスマルク
ビスマルク

「労働者を守るのも国家の仕事だ。革命を防ぐためにもな。」

ビスマルクが社会保険を作ったのは、純粋な福祉の心からではありませんでした。当時のドイツでは社会主義運動が高まっており、労働者が革命を起こす恐れがあったのです。

「ムチとアメの政策」——社会主義者を取り締まる法律(ムチ)と、労働者保護の社会保険(アメ)をセットで使い、革命を防ごうとしたのが真の狙いでした。結果として、これが世界初の社会保険制度となり、後の全ての国々のモデルになったのです。

ビスマルクはその後、1884年に「災害保険法」、1889年に「老齢廃疾保険法ろうれいはいしつほけんほう」を相次いで制定。この3法がのちの社会保険体系の原型となりました。詳しくはビスマルクの記事も読んでみてください。

■ ベバリッジ報告と「揺りかごから墓場まで」(1942年・イギリス)

ドイツの社会保険から約60年後の1942年、第二次世界大戦の最中のイギリスで、社会保障の歴史を変える報告書が発表されました。

ウィリアム・ベバリッジが執筆した「ベバリッジ報告(社会保険および関連サービス)」です。この報告書をもとに戦後イギリスで掲げられたスローガンが「揺りかごから墓場まで」——つまり、生まれてから死ぬまで国家が国民の生活を保障するという理念でした。

📌 ベバリッジが掲げた「5大悪」:窮乏・疾病・無知・不潔・怠惰。社会保障制度はこの5つの「社会悪」を解決するために設計されたと述べられています。

ベバリッジ報告は戦後のイギリスで「福祉国家」建設の基礎となりました。国民保健サービス(NHS)の創設、年金・失業保険の整備——これらは全てこの報告書をもとに実現したのです。

あゆみ
あゆみ

「揺りかごから墓場まで」って、すごいフレーズだよね。今のイギリスもそうなの?

もぐたろう
もぐたろう

今のイギリスは財政難でNHSが厳しい状況になってるんだけど、理念自体はいまも生き続けているよ。そしてこの考え方が、戦後の日本にも大きな影響を与えたんだ!

■ 日本の国民皆保険・国民皆年金の実現(1961年)

第二次世界大戦後の日本では、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の主導のもと、1946年に日本国憲法にほんこっけんぽうが制定されました。その第25条に「生存権せいぞんけん」が明記されたのです。

📌 日本国憲法第25条:「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

そして1961年、ついに歴史的な節目を迎えます。国民皆保険こくみんかいほけん国民皆年金こくみんかいねんきんの実現です。「皆」という字の通り、すべての国民が何らかの公的医療保険・公的年金に加入する体制が整いました。

それ以前は、農業・自営業者や零細企業の従業員は保険制度から外れていました。1961年の実現により、日本は世界でも有数の「国民全員をカバーする社会保障国家」となったのです。

社会保障の課題——少子高齢化と財源問題

整備されてきた社会保障制度ですが、現代日本はその「持続可能性」という深刻な問題に直面しています。

日本の社会保障給付費は年間約135兆円(2023年度:135兆4,928億円)にのぼり、国民一人当たり約109万円の計算になります。この金額は高齢化の進展とともに増え続けており、財源確保が急務となっています。

問題①:少子高齢化の加速(支える人が減り、支えられる人が増える)

社会保障制度、とくに年金制度は「賦課方式ふかほうしき」を採用しています。今の現役世代が払う保険料で、今の高齢者の年金を支払う仕組みです。今でいう「仕送りシステム」のようなもの。

問題は、少子高齢化が進むと「仕送りする人(現役世代)」が減り、「仕送りを受け取る人(高齢者)」が増えるということです。少子高齢化が深刻化するほど、一人の現役世代が背負う負担は重くなっていきます。

問題②:社会保障給付費の増大(GDP比で増え続ける社会保障費)

医療・介護サービスの需要が増えるだけでなく、医療技術の進歩でより長く生きられるようになったことも、給付費増大の要因です。高齢者1人を支える現役世代の人数は、1960年代には約10人でしたが、2025年には約2人まで減少しています。

問題③:財源の問題(税金・保険料の引き上げ vs 給付の削減)

財源を確保するため、政府は消費税の増税(2014年8%→2019年10%)や、年金額を自動調整する「マクロ経済スライド」(2004年導入)などの対策を講じてきました。しかし給付費の増加スピードに追いつかないのが現状です。詳しくは財政と租税の記事も参考にしてください。

あゆみ
あゆみ

年金って、私たちの世代がもらえるか本当に不安なんだけど……

もぐたろう
もぐたろう

賦課方式である以上、制度そのものがなくなる可能性は低いんだ。ただし「マクロ経済スライド」によって、もらえる額が少なくなる可能性はある。だからこそiDeCoやNISAで「自分の老後を自分でも準備する」重要性が高まってきているんだよね。

日本の社会保障はどのレベル?

日本の社会保障給付費のGDP比はILO基準で約24%(2022年度)。フランス(約34%)やドイツ(約28%)、スウェーデン(約29%)など欧州諸国には及ばない水準です。一方、国民皆保険制度は世界でも数少ない制度として、海外から高く評価されています。

新自由主義」の台頭により、「社会保障は給付を絞るべき」という主張も根強くあります。しかし高齢化が進む日本では、社会保障の規模を単純に縮小することは困難です。給付と負担をいかにバランスさせるか——これが現代日本の最重要課題のひとつになっています。

テストに出るポイント

ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。試験直前の見直しにも使ってください。

テストに出やすいポイント
  • 社会保障の4本柱の名称と財源:社会保険(保険料+税)・社会福祉(税)・公的扶助(税)・公衆衛生(税)——財源の違いで社会保険だけが別格
  • 社会保険の5分野:年金・医療・介護・雇用・労働者災害補償(労災)——「ねんいか・こ・ろう」で暗記
  • 憲法第25条(生存権):「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」——公的扶助・社会保障制度の根拠条文
  • 国民皆保険・国民皆年金の実現(1961年):すべての国民が何らかの医療保険・年金制度に加入する体制が整った節目の年
  • ビスマルクとベバリッジ報告の意義:ビスマルク(1883年・ドイツ)=世界初の社会保険 / ベバリッジ報告(1942年・イギリス)=「揺りかごから墓場まで」福祉国家の設計図

比較項目社会保険社会福祉公的扶助公衆衛生
財源保険料+税
対象加入者全員要支援者(高齢者・障がい者・児童など)生活困窮者国民全員
代表例年金・医療・介護保険障害者福祉・老人福祉・児童福祉生活保護予防接種・上下水道整備

📌 暗記のコツ:「社会保険だけが保険料を財源とする」という一点を押さえれば、残り3本(社会福祉・公的扶助・公衆衛生)は全て税金が財源と覚えられる。社会保険の5分野は「ねんいか・こ・ろう」(年金・医療・介護・雇用・労働者災害補償)の頭文字セットで暗記。論述では「生存権(憲法25条)」との関係を必ず述べること。

ゆうき
ゆうき

公的扶助と社会福祉、どっちも税金で賄うなら、テストでの違いは何を答えればいい?

もぐたろう
もぐたろう

これがテストで超頻出の引っかけポイント!公的扶助=「お金を渡す(現金給付)」が中心。社会福祉=「サービスを提供する(現物給付)」が中心。対象の違いも大事で、公的扶助=生活に困った全ての人、社会福祉=高齢者・障がい者・子どもなど特定のグループが対象だよ!

社会保障制度の理解を深めるおすすめ本

もぐたろう
もぐたろう

社会保障制度をもっと深く理解したい人に、入門書を1冊紹介するよ!年金・医療・介護・雇用…それぞれの仕組みが歴史の流れと一緒に学べる一冊だよ。

①社会保障をゼロから学びたいなら|年金・医療・介護まで網羅の入門書

社会保障入門

橘木俊詔 著|ミネルヴァ書房

よくある質問

社会保障制度とは、国民が病気・老齢・障がい・失業・貧困などのリスクに直面したとき、国や社会が支援する仕組みの総称です。日本では「社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生」の4本柱で構成されており、憲法第25条の生存権を具体化した制度です。財源は保険料と税金で賄われています。

最大の違いは「財源」と「対象」です。社会保険は加入者が保険料を支払い、病気・老齢・失業などのときに給付を受ける仕組みで、対象は制度加入者全員。社会福祉は税金を財源として、高齢者・障がい者・ひとり親家庭・児童など社会的に支援が必要な特定の人々にサービスを提供します。「お金で運営するか(保険料)」「税金で運営するか」という違いとも言えます。

1961年(昭和36年)です。1958年に国民健康保険法が改正され、市区町村が国民健康保険の運営主体となることが義務付けられました。これにより1961年4月にすべての市区町村で制度が実施され、国民皆保険が実現しました。同年には国民皆年金(国民年金法の全面施行)も達成され、すべての国民が何らかの公的医療保険・年金に加入する体制が整いました。

生活保護は「公的扶助」に該当します。公的扶助は、社会保険や社会福祉でも生活が成り立たない人々を最後に支える「セーフティネットの最終網」です。財源は全額税金で、憲法第25条の生存権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)を根拠としています。生活保護は「最後の手段(補足性の原理)」であり、他の制度を全て使い切ったうえで初めて利用できる制度です。

最大の問題は「少子高齢化による財源不足」です。日本の年金は現役世代の保険料で高齢者を支える「賦課方式」のため、高齢者が増えて現役世代が減ると、一人当たりの負担が重くなります。また、医療・介護の給付費も増大し続けており、社会保障給付費は年間135兆円超(2023年度)にのぼります。消費税増税やマクロ経済スライド(年金額の自動調整)などで対応していますが、持続可能性への懸念は続いています。

純粋な人道的動機ではなく、「革命防止」が主な目的でした。19世紀ドイツでは産業革命後に労働者が急増し、社会主義・共産主義運動が高まっていました。ビスマルクは社会主義者鎮圧法(弾圧)と社会保険制度(懐柔)をセットで実施する「アメとムチ」政策をとりました。「労働者を国家が守る」ことで、社会主義革命への共鳴を防ごうとしたのです。結果として世界初の社会保険制度が生まれ、後のすべての国のモデルになりました。

まとめ:社会保障制度のポイント

社会保障制度の歴史年表
  • 1883年
    ビスマルク、疾病保険法(世界初の社会保険)をドイツで制定
  • 1889年
    ドイツ、老齢廃疾保険法を制定——老後の保障が加わる
  • 1942年
    ベバリッジ報告(イギリス)——「揺りかごから墓場まで」の構想
  • 1946年
    日本国憲法制定——第25条「生存権」の明記
  • 1958年
    国民健康保険法改正——国民皆保険へ向けて市区町村に義務付け
  • 1961年
    国民皆保険・国民皆年金の実現——すべての国民が加入へ
  • 2000年
    介護保険制度スタート——社会保険の5本目が加わる
  • 2004年
    年金制度改革——マクロ経済スライド導入(給付額の自動調整)
  • 2012年
    社会保障・税一体改革——消費税増税と社会保障財源の確保
  • 現在
    少子高齢化の深刻化——社会保障給付費の持続可能性が最大課題

もぐたろう
もぐたろう

以上、社会保障制度のまとめでした!試験対策には「4本柱の名前と財源の違い」「1961年の国民皆保険・国民皆年金」「ビスマルク・ベバリッジ報告」の3点セットが最重要。下の記事で生存権少子高齢化もあわせて読んでみてください!

📅 最終確認:2026年6月 / 参照:山川出版社『政治・経済』(2022年版)・厚生労働省公式サイト

参考文献

Wikipedia日本語版「社会保障」「社会保険」「社会福祉」「オットー・フォン・ビスマルク」「ウィリアム・ベバリッジ」「ベヴァリッジ報告書」(2026年6月確認)
コトバンク「社会保障」「公的扶助」「社会保険」「ベバリッジ報告」「ゆりかごから墓場まで」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
山川出版社『政治・経済』(2022年版)
厚生労働省「社会保障の給付と負担の現状」(2026年6月確認)
厚生労働省「被保護者調査(令和5年度確定値)」(2026年6月確認)
国立社会保障・人口問題研究所「2023年度社会保障費用統計」(2026年6月確認)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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