1760年ごろ 〜 1914年
蒸気機関の轟音とともに始まった産業革命、そして自由と平等を求めた市民革命。近代の約150年は、現代社会の原型がつくられた激動の時代です。革命・国民国家・帝国主義という大きな流れを、4つのフェーズでたどっていきましょう。
なぜ近代の世界を学ぶのか
革命と工業化が生んだ「国民」と「世界市場」──現代社会の原型は、この150年にすべて出そろった
近代とは、産業革命と市民革命という「二重の革命」から始まる時代です。イギリスで生まれた工業化の波と、アメリカ・フランスで掲げられた自由・平等の理念が、世界のあり方を根本から変えました。このページでは、革命の時代から国民国家の形成、帝国主義、そして19世紀の思想・科学までを4つのフェーズで整理します。まずは大きな流れをつかんでから、気になる記事で深掘りしていきましょう。
Phase I ─ 産業革命と市民革命
産業革命はじまる ─ 蒸気機関と機械がイギリスから世界を変える
1760年代ごろ、イギリスの綿工業から機械化が始まりました。工場制機械工業の成立は経済だけでなく社会のしくみそのものを変え、近代のすべての出発点となります。
アメリカ独立宣言 ─ 「自由と平等」を掲げた新しい国家の誕生
イギリス本国との対立を深めた13植民地は、1776年に独立宣言を発表しました。基本的人権と人民主権をうたうその理念は、のちのフランス革命にも大きな影響を与えます。
ナポレオン登場 ─ 革命の理念を征服とともにヨーロッパへ広める
1804年に皇帝となったナポレオンは、ヨーロッパの大半を支配下に置きました。その征服は各地に革命の理念とナショナリズムを広め、次の時代の国民国家形成を準備します。
Phase II ─ 国民国家の形成
ウィーン会議 ─ 革命前へ時計を戻そうとした保守の国際体制
ナポレオン戦争後、ウィーン会議でヨーロッパの秩序が再編されました。しかし自由主義とナショナリズムの動きは止められず、1848年革命でウィーン体制は崩壊へ向かいます。
南北戦争 ─ 奴隷制をめぐって分裂したアメリカ最大の内戦
1861年、奴隷制や貿易政策をめぐる対立からアメリカは南北に分裂しました。リンカーンの奴隷解放宣言を経て北部が勝利し、アメリカは統一国家として工業化を加速させます。
ドイツ帝国の成立 ─ ビスマルクの鉄血政策が結実した統一国家
プロイセンのビスマルクは鉄血政策で統一を推し進め、1871年にドイツ帝国が成立しました。同時期にイタリア統一も達成され、ヨーロッパは国民国家の時代を迎えます。
Phase III ─ 帝国主義の時代
列強のアジア進出 ─ アヘン戦争にはじまる圧力の波
帝国主義の時代に先立ち、イギリスは1840年のアヘン戦争で清を開国させました。アジアの動揺と抵抗のくわしい流れは「中国・東アジア」のページで詳述しています。
帝国主義の時代 ─ 列強が世界を分割しあう競争のはじまり
第2次産業革命で力をつけた列強は、原料と市場を求めて植民地獲得競争に乗り出しました。アフリカ分割に象徴される対立は、やがて第一次世界大戦の火種となっていきます。
血の日曜日事件 ─ 帝政ロシアを揺るがした第一次ロシア革命
日露戦争中の1905年、請願デモへの発砲事件をきっかけにロシア第一革命が起こりました。列強間では露仏同盟から三国協商へと対立の構図が固まり、大戦前夜を迎えます。
Phase IV ─ 19世紀の思想と科学
ニーチェの哲学 ─ 「神は死んだ」と宣言した世紀末の思想家
ニーチェはキリスト教的な価値観を根底から批判し、人間の新しい生き方を模索しました。近代の行きづまりを鋭く見抜いたその思想は、20世紀の哲学に大きな影響を与えます。