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天皇の国事行為を簡単にわかりやすく解説する!【内容・意味を確認しよう】

この記事は約6分で読めます。

今回は、高校の「政治・経済」の授業で学ぶ天皇が行う国事行為こくじこういについてわかりやすく丁寧に解説していきます。

日本国憲法では、日本の国民主権の国であって、天皇は国民の象徴だと書かれています。

日本国憲法第1条

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

戦前の憲法(大日本帝国憲法)では、日本は天皇主権の国とされていました。しかし、戦争を通じて天皇は主権を失い、国民主権の国へと変化することになります。

しかし、天皇が主権を失ったからと言って無職になるわけではありません。天皇には、国民の象徴としてやるべき仕事がいくつも残っているからです

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天皇に任されている「国事行為」

国の象徴として天皇が行う仕事のことを国事行為と言います。

天皇の行動というのは、たとえ些細な行動であっても、それが国全体に大きな影響を与えてしまうことがあります。

なので天皇が勝手に国事行為をしないよう、「天皇は憲法で決められた国事行為しか行わない」というルールが憲法に定められています。

日本国憲法第4条

第1項 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。

第2項 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

もちろん、第4条第1項に「国政に関する権能を有しない」とあるように、国政に関与してしまうような行為はダメです。天皇に国政の主権はないので、天皇が行える行為はあくまで日本国民の象徴として国政に影響を与えないような行為に限ります。

「日本国民の象徴としての行為」というのが抽象的でわかりにくいですが、後に詳しい国事行為の内容について紹介しますので、ご安心ください。

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国事行為には内閣の助言と承認が必要

「天皇は憲法で定めた国事行為しかできないよ」って話をしましたが、実は国事行為の制限はこれだけではありません。

たとえ憲法にちゃんと定められている国事行為であっても、天皇の独断で行うことはできず、内閣から助言と承認をもらわないと行うことができない・・・というルールもあります。このルールは、憲法の第3条に書いてあります。

日本国憲法第3条

天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

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国事行為の内容を詳しく解説

ここまでの話は、天皇には国事行為という大事な仕事があるけど

国事行為に課された2つの制約
  • 天皇は憲法で定めた国事行為しか行ってはいけない
  • たとえ憲法に定めた国事行為であっても、天皇が独断で行うことはできず、必ず内閣の助言と承認がなければならない

の2つの厳しい制約が課されている・・・という話でした。

なぜ、ここまで天皇の行動を制限しているかというと、戦前の天皇主権の政治には色々と問題があったからです。

この記事では詳細には触れませんが、以下の記事でその理由を説明しているので、気になる方は合わせて読んでみてくださいね。

最後に、「国事行為って具体的に何をしているの?」ってところを紹介していきます。天皇が行う国事行為は、憲法の第6条と第7条に定められています。

日本国憲法第6条

第1項 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。

第2項 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

天皇は国政に関与できないので内閣総理大臣などの人物を指名することはできません。しかし、国会や内閣がすでに指名した人物を正式に任命できるのは天皇だけですここ重要!

この一見わかりにくい仕組みこそが、「天皇が行う国民の象徴としての国事行為」なのです。

天皇に国政の権限がないにもかかわらず、国政の大事な場面のほとんどで天皇が登場します。なぜなら天皇は国民の象徴だからです。でも、国政に関与はできません。だからあくまで登場するだけです。

「天皇は国政の権限を持っていないのに、なぜか重要な場面で天皇が登場する」という理屈は第7条に書かれている10の国事行為にも当てはまります。

なぜ国政の権限を持たない天皇が登場するの?と聞かれれば、その答えは「天皇は国民の象徴だから、大事な場面で登場するのは当たり前だよね!」って答えになります。

日本国憲法第7条

天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。

第1項 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

第2項 国会を召集すること。

第3項 衆議院を解散すること。

第4項 国会議員の総選挙の施行を公示すること。

第5項 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。

第6項 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。

第7項 栄典を授与すること。

第8項 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

第9項 外国の大使及び公使を接受すること。

第10項 儀式を行ふこと。

1〜4項は、主に国会に関する国事行為です。

実は、法律が作られても天皇が国事行為により公布しないと効力が発生しません。

また、国会の召集や選挙など国政の重要なイベントも、内閣の承認を得た上で最終的に行うのは天皇本人です。

・・・つまり、天皇は国政に関与できないのに、天皇がいないと国政が実施できないというなんとも不思議な仕組みになっているのです。

何度も繰り返しますが、この不思議な仕組みの理由は、天皇が国民の象徴だからです。

5〜10項は外交や儀式に関する内容です。内容は様々ですが、根本的な考え方は1〜4項と同じです。(天皇は国政に関与しないけど、大事な部分は天皇が行う。)

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国事行為はめちゃくちゃ大変です

これらの国事行為、実は膨大な量あります。

たとえば、俳優の柄本明さんや泉ピン子さんが受賞した旭日小褒章や、スポーツ選手の吉田沙保里さんや羽生結弦さんなどが受賞した紫綬褒章の授与式。これらは7条7項の国事行為です。

授与式は春秋シーズンで約4000人ずつ、褒章は約200人ずつ受賞しますが、驚くべきことに天皇はすべての受賞者の調書に目を通しているとも言われています。

こうした公務が年間700件以上、式典は土日も多く、平日には公務があるために代休もままなりません。

さらに、上で紹介した多くの国事行為は、天皇の体調が悪くても何が何でもやらなければならないなりません。と言うのも、国政の大事な場面にこそ天皇の国事行為が必要になってくるからです。

国会を召集して大事な決定をしなきゃいけないのに、「体調が悪いから今日は国事行為はできません」なんて話になると国政が停滞してしまうことだってあります。国事行為はその膨大な量だけではなく、プレッシャーも尋常でないはずです。

天皇は国民の象徴という話は多くの人が知っていると思います。しかし、象徴という言葉を聞くと、「天皇は居るだけなんでしょ?」ってイメージをしてしまう人もいるかもしれません。(現に私もそうでした。)

しかし、象徴だからこそ、天皇は国政の大事な局面で仕事(国事行為)をこなす必要があり、実は私たちが想像している以上に天皇は大変なお仕事を担っているのです。



政治
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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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