基本的人権が面白いほどわかる!簡単に解説します【歴史と内容、公共の福祉と関係までしっかり確認しよう】

この記事の目次 23項目はじめに
  1. 基本的人権とは?
  2. 基本的人権の尊重とは?—日本国憲法の3大原則—
  3. 基本的人権の歴史—マグナ・カルタから日本国憲法へ—
    1. マグナ・カルタ(1215年)
    2. フランス人権宣言(1789年)
    3. 世界人権宣言(1948年)
    4. 日本国憲法と人権(1946年)
  4. 基本的人権の5つの種類と憲法条文
    1. 自由権(第18〜29条)
    2. 平等権(第14条)
    3. 社会権(第25〜28条)
    4. 参政権(第15条・43〜44条)
    5. 請求権(第16・17・32・40条)
  5. 新しい人権(環境権・プライバシー権・知る権利)
    1. 環境権(第13条・第25条)
    2. プライバシー権(第13条)
    3. 知る権利(第21条)
    4. 自己決定権(第13条)
  6. 公共の福祉とは?—権利が制限されるケース—
  7. テストに出るポイント
  8. 基本的人権の理解を深めるおすすめ本
  9. よくある質問
  10. まとめ
もぐたろう
もぐたろう

今回は「基本的人権」について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!5つの種類・公共の福祉・新しい人権まで、中学公民・高校政経の試験で必要なことを全部まとめたから、ぜひ最後まで読んでみてね!

この記事のレベル:中学公民 / 高校公共 / 政治経済
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この記事を読んでわかること
  • 基本的人権とは何か(わかりやすい定義と「尊重」の意味)
  • 5つの種類(自由権・平等権・社会権・参政権・請求権)と主な憲法条文番号
  • 新しい人権(環境権・プライバシー権・知る権利)の根拠と内容
  • 公共の福祉とは何か、どんなときに権利が制限されるか
  • 人権の歴史(マグナ・カルタ→フランス人権宣言→日本国憲法)の流れ

実は、今あなたがこのページを読んでいるのも、言いたいことをSNSに書けるのも、将来なりたい職業を自由に選べるのも、すべて基本的人権きほんてきじんけんがあるから。でも「5つの種類って何?」「公共の福祉ってどういう意味?」と聞かれると、意外と答えられないもの。この記事では、中学公民・高校政経レベルの基本的人権を、全部まとめてわかりやすく解説します。



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基本的人権とは?

3行でわかるまとめ
  • 基本的人権とは、人が生まれながらに持つ権利のこと(日本国憲法第11条)
  • 自由権・平等権・社会権・参政権・請求権の5種類に分類される
  • 公共の福祉に反しない限り、国家も侵すことができない「永久の権利」(第97条)

基本的人権とは、すべての人が生まれながらに持つ、人間として生きていくために必要な権利のことです。

日本国憲法にほんこくけんぽう第11条には、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」と定められています。ここでいう「享有」とは「生まれながらに持っている」という意味です。つまり、努力して獲得するのではなく、人間として生まれた瞬間から自動的に与えられる権利なのです。

さらに第97条では、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と記されています。

ポイントは「永久の権利」という部分です。時代が変わっても、どんな政府が来ても、国家権力でさえこの権利を奪うことはできない——それが基本的人権の本質です。

もぐたろう
もぐたろう

「基本的人権」っていうのは、今でいう「国から絶対に守ってもらえる最低限の権利パッケージ」みたいなイメージだよ!生まれた瞬間から全員に配られてる権利で、国家でも取り上げることができないんだ。

ゆうき
ゆうき

そもそも「基本的人権」ってなんで「基本的」ってつくの?ただ「人権」じゃダメなの?

もぐたろう
もぐたろう

いい質問!「人権」は国際的・道徳的な概念で、「基本的人権」は日本国憲法が具体的に保障している権利の総称なんだ。「基本的」がつくのは、これが社会生活の土台・基礎になっている権利だから——というイメージで覚えておこう!



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基本的人権の尊重とは?—日本国憲法の3大原則—

日本国憲法には、3つの基本原則があります。それが「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つです。この3大原則は、日本国憲法の根幹をなす考え方です。

なかでも「基本的人権の尊重」は、もっとも重要な原則のひとつです。「尊重」という言葉は、単に「大切にする」という意味ではありません。憲法第99条には、「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」と定められています。

つまり「尊重」とは、国家権力(政府・国会・裁判所)が人権を侵害してはならないという義務を意味します。国民が権利を守るために戦うのではなく、国家の側が「侵してはいけない」と縛られているのが、日本国憲法の大きな特徴です。

📌 「人権」と「基本的人権」の違い:「人権」は国際的・道徳的な概念(すべての人間が持つべき権利)。「基本的人権」は日本国憲法が具体的に保障している権利の総称。第11条・97条で「永久・不可侵」とされている点が特徴。

あゆみ
あゆみ

「基本的人権の尊重」って、国民が権利を大切にするってこと?それとも国がやる義務なの?

もぐたろう
もぐたろう

両方だよ!でも第99条で「公務員は憲法を尊重・擁護する義務がある」と明記されているから、主に国家の側に義務があるんだ。国民は第12条で「権利を濫用せず、公共の福祉のために利用する責任がある」と定められているよ。



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基本的人権の歴史—マグナ・カルタから日本国憲法へ—

「人権」という考え方は、ある日突然生まれたわけではありません。長い歴史のなかで、人々が権力者と戦いながら少しずつ勝ち取ってきたものです。世界の人権の歴史をたどると、現在の日本国憲法がどのような考え方の上に成り立っているかが見えてきます。

マグナ・カルタ(1215年)

1215年、イギリスで「マグナ・カルタマグナ・カルタ(大憲章)」が制定されました。国王ジョンが貴族たちに強制されて署名したこの文書は、「国王の権力にも限界がある」ということを初めて成文化したものです。

当時の主な内容は貴族の権利保護が中心で、一般市民のための人権とは少し異なります。しかし「権力者も法に従わなければならない」という法の支配の考え方の原点として、非常に重要な文書です。その後1689年の名誉革命で「権利章典」が制定され、イギリスでは議会の権限と国民の権利がさらに明確に定められていきました。

フランス人権宣言(1789年)

1789年、フランス革命の最中に「フランス人権宣言フランスじんけんせんげん」が採択されました。正式名称は「人および市民の権利の宣言」です。「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」という近代人権思想の原点となる宣言で、自由・平等・主権在民という考え方が世界に広まるきっかけになりました。

この宣言の背景には、ルソーやモンテスキューたちの啓蒙思想があります。「人間は理性を持つ存在であり、権力によって支配されるのではなく、自分たちで社会のルールを決める権利がある」という考え方が、フランス革命を動かしたのです。

世界人権宣言(1948年)

1948年、第二次世界大戦の悲惨な体験を経て、国際連合(UN)が「世界人権宣言せかいじんけんせんげん」を採択しました。ナチス・ドイツによるホロコーストなど、国家が自国民を虐殺するという歴史の反省から、「人権は国境を超えて守られるべきもの」という考えが国際的に共有されたのです。

世界人権宣言は法的拘束力を持ちませんが、その後の国際人権条約(1966年採択)の土台となり、現在の国際人権保障体系の基礎を形成しています。

日本国憲法と人権(1946年)

日本では、明治時代に制定された大日本帝国憲法において「臣民の権利」が定められていました。しかしこれは「法律の範囲内」という条件付きで、議会が法律を変えれば権利が制限されるという弱いものでした。

1945年の敗戦後、1946年に公布(翌1947年施行)された日本国憲法では、基本的人権を「永久・不可侵」の権利として保障しました。法律によっても奪えない——これが大日本帝国憲法との根本的な違いです。

この流れの中で重要なのが、明治時代の自由民権運動じゆうみんけんうんどうです。板垣退助らとともに、自由民権運動に尽力した植木枝盛うえきえもり(1857〜1892年)は、民間の立場で起草した「東洋大日本国国憲按」のなかに、当時世界でも先進的な人権規定を盛り込みました。抵抗権や革命権まで明記したこの草案は、明治政府には採用されませんでしたが、後の日本の人権思想に大きな影響を与えました。

植木枝盛
植木枝盛

国民が権利を持てなかった時代を生きた人間だからこそ——自由の重さが身にしみるのです。権利とは、戦わなければ奪われる。そして一度奪われれば、取り戻すのに何十年もかかる……。



基本的人権の5つの種類と憲法条文

基本的人権は、大きく「自由権・平等権・社会権・参政権・請求権」の5種類に分類されます。それぞれに対応する憲法条文があり、試験でも条文番号とセットで問われることが多い重要ポイントです。

自由権(第18〜29条)

自由権じゆうけんとは、「国家から邪魔されずに自由に生きる権利」です。自由権は次の3つに分類されます。

精神の自由(第19〜23条):思想・良心の自由 / 信教の自由 / 表現の自由 / 集会・結社の自由 / 学問の自由

身体の自由(第18・31〜39条):奴隷的拘束・苦役からの自由 / 令状主義 / 黙秘権 / 拷問の禁止

経済活動の自由(第22・29条):職業選択の自由 / 居住・移転の自由 / 財産権の保障

📌 自由権の3分類・覚え方:「精神・身体・経済」の3つ。「頭(精神)→体(身体)→お金(経済)」の順で覚えよう。精神の自由が最も厳格に守られ、経済の自由はやや制限されやすい(二重の基準)。

平等権(第14条)

平等権びょうどうけんとは、すべての人が法の下に平等であるという権利です。憲法第14条は「すべて国民は、法の下に平等であって、人種・信条・性別・社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」と定めています。

具体的には、部落差別の解消、アイヌ民族の権利保護、男女雇用機会均等法だんじょこようきかいきんとうほう(1985年制定)などが平等権の実現に向けた取り組みです。また、日本国憲法は「貴族制度きぞくせいどの廃止」(第14条2項)も明記しており、身分による差別を根本から否定しています。

社会権(第25〜28条)

社会権しゃかいけんとは、「国家に積極的に助けてもらう権利」です。20世紀に入って産業革命後の格差問題を背景に生まれた権利で、1919年のドイツ・ワイマール憲法が世界で初めて明記しました。社会権は次の4つに分類されます。

①生存権(第25条):「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」——生活保護・社会保障制度の根拠

②教育を受ける権利(第26条):子どもが等しく教育を受ける権利。義務教育の無償化の根拠

③勤労の権利(第27条):働く権利と、勤労条件の法定(最低賃金法・労働基準法の根拠)

④労働三権(第28条):団結権(労働組合を作る権利)・団体交渉権(会社と交渉する権利)・団体行動権(ストライキをする権利)

ゆうき
ゆうき

「社会権」って「自由権」と何が違うの?なんか名前が似てて混乱する…

もぐたろう
もぐたろう

自由権は「国に邪魔されない権利」、社会権は「国に助けてもらう権利」だよ!真逆の方向性なんだ。生活保護も公立学校での教育も、社会権があるから成り立っているんだよね。テストでは「国家からの自由=自由権」「国家による自由=社会権」という整理が便利!

参政権(第15条・43〜44条)

参政権さんせいけんとは、国民が政治に参加する権利です。主な内容は「選挙権せんきょけん(投票する権利)」「被選挙権ひせんきょけん(立候補する権利)」「最高裁判所裁判官の国民審査こくみんしんさ」「憲法改正けんぽうかいせいの国民投票」などです。

日本では、第15条で「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利」と定め、選挙権は「普通選挙ふつうせんきょ」によって保障されています(第15条3項)。2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられたのも、参政権の拡大の一例です。

請求権(第16・17・32・40条)

請求権せいきゅうけんとは、権利が侵害されたときに国家に対して救済を求める権利です。「請願権せいがんけん(第16条)」「国家賠償請求権こっかばいしょうせいきゅうけん(第17条)」「裁判を受ける権利さいばんをうけるけんり(第32条)」「刑事補償請求権けいじほしょうせいきゅうけん(第40条)」が代表的な内容です。

なかでも国家賠償請求権(第17条)は、公務員の不法行為によって損害を受けた場合に、国や地方公共団体に賠償を求められる権利です。また刑事補償請求権は、無罪判決を受けた場合に国から補償を受けられる権利で、冤罪被害への救済を目的としています。

あゆみ
あゆみ

5種類、多すぎて頭に入らない…。一番試験で出やすいのはどれ?

もぐたろう
もぐたろう

中学公民なら「生存権=第25条」と「5つの分類名」が最頻出!高校政経・共通テストでは「自由権の3分類(精神・身体・経済)」と「社会権の4分類(生存・教育・勤労・労働三権)」も押さえよう。語呂合わせは「自・平・社・参・請(じひゃさきせ)」でまとめて覚えよう!



新しい人権(環境権・プライバシー権・知る権利)

日本国憲法が制定された1946年当時には想定されていなかったが、その後の社会の変化によって必要性が認識されるようになった権利を「新しい人権あたらしいじんけん」と呼びます。

新しい人権には、憲法に明文規定がありません。そのため、第13条(幸福追求権こうふくついきゅうけん「すべて国民は、個人として尊重される」)や第25条(生存権)を根拠として認められるようになりました。新しい人権の詳細については、4種類それぞれ確認していきましょう。

環境権(第13条・第25条)

環境権かんきょうけんとは、「良好な環境のなかで生活する権利」です。高度経済成長期に深刻化した四大公害病(水俣病みなまたびょう・イタイイタイ病イタイイタイびょう・四日市ぜんそくよっかいちぜんそく・新潟水俣病にいがたみなまたびょう)を受けて、1970年代以降に市民権を得た権利です。

環境権の内容には、日照権(太陽光を享受する権利)、静穏権(騒音のない環境で生活する権利)なども含まれます。近年では、大規模開発に対する環境アセスメント(環境影響評価)の実施を求める根拠としても用いられています。

プライバシー権(第13条)

プライバシー権プライバシーけんとは、「私生活をみだりに公開されない権利」です。当初は「個人情報を守る権利」として理解されていましたが、現在では「自分の情報をコントロールする権利(自己情報コントロール権じこじょうほうコントロールけん)」として発展しています。

2003年制定の個人情報保護法はプライバシー権の具体化です。また、SNSへの無断投稿、マイナンバー制度に対するプライバシー懸念、インターネット上での「忘れられる権利わすれられるけんり」(過去の情報削除を求める権利)なども、プライバシー権の問題として議論されています。

知る権利(第21条)

知る権利しるけんりとは、国民が政府や行政機関の保有する情報にアクセスできる権利です。第21条(表現の自由)を根拠とします。

1999年制定の情報公開法じょうほうこうかいほうによって、誰でも行政文書の開示を請求できるようになりました。政府の意思決定過程を市民が確認できることで、民主主義の基盤を支える権利です。近年ではAI・ビッグデータを活用した行政への情報開示請求も活発化しています。

自己決定権(第13条)

自己決定権じこけっていけんとは、自分の生き方・生活スタイルについて、自分で決定する権利です。医療の分野では「インフォームド・コンセントインフォームド・コンセント(説明と同意)」の根拠となっており、手術前に十分な説明を受けたうえで患者が同意する権利として重要です。

そのほか、臓器提供の意思表示、終末期医療の選択(尊厳死・延命治療)、性的自己決定なども自己決定権の範囲に含まれると解釈されています。

📌 注意(諸説あり・明文規定なし):新しい人権は、憲法に直接書かれた権利ではありません。第13条・25条を「根拠」として解釈上認められているもので、権利の範囲や内容については現在も学説や判例の蓄積の途上です。「明文規定がないため、どこまでが権利として認められるかは裁判例によって判断される」と押さえておきましょう。

ゆうき
ゆうき

「新しい人権」って5つの種類には入らないの?テストではどう覚えればいい?

もぐたろう
もぐたろう

新しい人権は「5つの種類」には含まれないけど、共通テストでもよく出るから要注意だよ!「環境権・プライバシー権・知る権利・自己決定権」の4つを覚えて、根拠条文(第13条→幸福追求権、第25条→生存権)とセットで整理しておこう!



公共の福祉とは?—権利が制限されるケース—

これまで「基本的人権は国家でも侵せない永久の権利」と説明してきました。でも、ここで1つ大事なポイントがあります。それは「公共の福祉こうきょうのふくしに反しない限り」という条件です。

公共の福祉とは、ざっくり言えば「社会全体の利益」や「みんなの幸福」のこと。憲法では第12条・第13条・第22条・第29条の4か所に登場し、なかでも第13条には「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と書かれています。

もぐたろう
もぐたろう

イメージは「みんなで使う道路の交通ルール」だよ。車を運転する自由はあるけど、赤信号は止まらなきゃいけないよね。自分の自由を100%通すと他の人の自由とぶつかるから、お互いの人権を調整するためのルール——それが公共の福祉なんだ!

つまり公共の福祉とは、「ある人の人権」と「別の人の人権」がぶつかったときに、両方をうまく調整するための原理です。次のように、自由が制限される代わりに、別のだれかの権利や社会全体の利益が守られています。

制限される自由:他人の名誉を傷つける表現(名誉毀損)は、表現の自由があっても処罰される

守られる利益:傷つけられる人の名誉・人格(プライバシー権・人格権)が守られる

このように、公共の福祉による制限は「権力者のため」ではなく「お互いの人権を守るため」に働きます。具体的には、次のようなケースで人権が制限されます。

📌 公共の福祉による制限の例
・タバコや医薬品の販売規制(営業の自由 vs 国民の健康)
・夜間の騒音規制(表現・営業の自由 vs 静穏に暮らす権利)
・道路建設のための土地収用(財産権 vs 公共事業の利益)
・感染症患者の入院措置(移動の自由 vs 公衆衛生)

あゆみ
あゆみ

でも「公共の福祉」って言葉、何でも制限できそうで怖いんだけど…。権力者に都合よく使われたりしないの?歯止めはあるのかしら?

もぐたろう
もぐたろう

いい質問!ちゃんと歯止めがあるんだ。裁判所は「二重の基準にじゅうのきじゅん」という考え方を使っていて、言論・思想などの精神的自由を制限するときは特に厳しく審査するんだよ。逆に経済活動の自由は、社会政策のためなら比較的制限しやすいとされているんだ。それに制限はあくまで「必要最小限」でなければいけないんだよ!

📌 「公共の福祉」と「国家の都合」は別物
日本国憲法の公共の福祉は、あくまで「人権どうしの調整」を意味します。大日本帝国憲法のように「国家の安全や社会秩序のため」という理由で国民の権利をまるごと制限する考え方とは違う、という点が試験でも問われます。「公共の福祉=みんなの人権を守るための調整役」と覚えておきましょう。




テストに出るポイント

ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。試験直前の見直しにも使ってください。

テストに出やすいポイント
  • 基本的人権の根拠条文:第11条(基本的人権の保障)・第97条(永久の権利)はセットで頻出
  • 5つの種類と主な条文:自由権(第18〜29条)・平等権(第14条)・社会権(第25〜28条)・参政権(第15条)・請求権(第16・17・32・40条)
  • 生存権(第25条):「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は生活保護の根拠。条文番号「25条」を必ず暗記
  • 自由権と社会権の違い:自由権=国に邪魔されない権利/社会権=国に保障してもらう権利。この対比が論述・選択問題で頻出
  • 新しい人権の根拠:環境権・プライバシー権は第13条(幸福追求権)・第25条(生存権)を根拠とする(明文規定なし)
  • 公共の福祉:社会全体の利益のために人権が制限される原理。精神的自由への制限は厳しく審査する「二重の基準」に注意

📌 比較問題で狙われるポイント
・自由権 vs 社会権:「国家からの自由」(18〜19世紀に確立)と「国家による自由」(20世紀に確立・社会権)の違い。社会権を世界で初めて保障したのはワイマール憲法(1919年・ドイツ)。
・暗記の語呂:5つの種類は「自・平・社・参・請(じ・ひゃ・しゃ・さん・せい)」、社会権の4つは「生存・教育・勤労・労働三権」でまとめて覚える。

権利の種類主な根拠条文内容具体例
自由権第18〜29条国家に干渉されない権利表現の自由・信教の自由・職業選択の自由
平等権第14条差別されない権利(法の下の平等)男女平等・人種や門地による差別の禁止
社会権第25〜28条人間らしい生活を国に保障してもらう権利生存権・教育を受ける権利・労働三権
参政権第15・43〜44条政治に参加する権利選挙権・被選挙権・国民投票
請求権第16・17・32・40条侵害された権利の救済を国に求める権利裁判を受ける権利・国家賠償請求権
表は横にスクロールできます

ゆうき
ゆうき

条文番号まで全部覚えるのはキツい…。最低限ここだけは、ってポイントある?

もぐたろう
もぐたろう

中学公民なら「5つの分類名」と「生存権=第25条」が最優先!高校政経・共通テストでは、ここに「自由権と社会権の違い」「新しい人権の根拠(第13条)」「二重の基準」を足せば十分戦えるよ。まずは表の4つの軸(種類・条文・内容・具体例)をセットで頭に入れよう!



基本的人権の理解を深めるおすすめ本

もぐたろう
もぐたろう

「基本的人権ってなんとなくわかった気がするけど、もっと身近に感じたい」という人におすすめの1冊を紹介するよ。憲法って難しそうに見えて、じつは日常生活のすぐそばにあるんだよね!

①憲法を初めて学ぶ中高生・社会人なら|「わかりやすさ」最優先の決定版入門書



よくある質問

A. 人が生まれながらに持っている権利のことです。日本国憲法第11条で保障され、自由権・平等権・社会権・参政権・請求権の5つに分類されます。国家でも侵すことのできない「永久の権利」(第97条)とされている点が特徴です。

A. 国(政府・国会・裁判所)が人権を侵害してはならない、という意味です。単に「大切にする」というより「絶対に手を出せない」に近い考え方で、「基本的人権の尊重」は国民主権・平和主義とならぶ日本国憲法の三大原則の1つです。

A. 自由権は「国に邪魔されない権利(国家からの自由)」、社会権は「国に人間らしい生活を保障してもらう権利(国家による自由)」です。方向性が真逆で、自由権は18〜19世紀に、社会権は20世紀に確立しました。社会権を世界で初めて保障したのはワイマール憲法(1919年・ドイツ)です。

A. 社会全体の利益・みんなの幸福のことです。個人の人権でも、他の人の権利や社会全体を傷つける場合には制限されることがあります(憲法第12・13・22・29条)。あくまで「人権どうしの調整」を意味し、制限は必要最小限でなければならないとされています。

A. 憲法制定後の社会の変化によって必要とされるようになった権利です。主に環境権・プライバシー権・知る権利・自己決定権の4つがあります。憲法に明文規定はなく、第13条(幸福追求権)や第25条(生存権)を根拠として認められています。

A. 5つの種類は「自・平・社・参・請(じ・ひゃ・しゃ・さん・せい)」と頭文字でまとめて覚えるのがおすすめです。社会権の4つは「生存・教育・勤労・労働三権」、新しい人権は「環境・プライバシー・知る・自己決定」で整理しましょう。条文番号は「生存権=第25条」「平等権=第14条」「幸福追求権=第13条」を優先して暗記すると効率的です。



まとめ

最後に、基本的人権のポイントをまとめておきましょう。試験直前のチェックにも使ってください。

基本的人権のポイントまとめ
  • 基本的人権とは人が生まれながらに持つ権利(第11条)。国家も侵せない永久の権利(第97条)
  • 尊重とは「国が人権を侵害してはならない」こと。国民主権・平和主義とならぶ三大原則の1つ
  • 5種類:自由権・平等権・社会権・参政権・請求権。各条文番号をセットで暗記する
  • 社会権は生存権(第25条)・教育を受ける権利・勤労の権利・労働三権の4つ。自由権との違いに注意
  • 新しい人権(環境権・プライバシー権・知る権利・自己決定権)は第13条・25条が根拠
  • 公共の福祉は人権どうしを調整する原理。制限は必要最小限で「二重の基準」が働く

基本的人権の歴史年表
  • 1215年
    マグナ・カルタ(イギリス)—国王の権力を初めて制限
  • 1689年
    権利章典(イギリス)—議会の権利を確立
  • 1776年
    アメリカ独立宣言—基本的人権の理念を明文化
  • 1789年
    フランス人権宣言—自由・平等・友愛を宣言
  • 1919年
    ワイマール憲法(ドイツ)—社会権を世界で初めて保障
  • 1946年
    日本国憲法公布—基本的人権を永久・不可侵の権利として保障
  • 1948年
    世界人権宣言(国連)—人権の国際的基準を策定

もぐたろう
もぐたろう

以上、基本的人権のまとめでした!5つの種類と憲法条文番号をセットで覚えるのが試験対策の近道だよ。下の記事で日本国憲法の三大原則や公共の福祉、新しい人権ももっとくわしく解説しているから、あわせて読んでみてね!

📅 最終確認:2026年6月 / 参照:山川出版社『詳説政治・経済』

参考文献

Wikipedia日本語版「基本的人権」「公共の福祉」(2026年6月確認)
コトバンク「基本的人権」「公共の福祉」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
山川出版社『詳説政治・経済』
文部科学省 高等学校学習指導要領(公民編)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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