スサノオ(須佐之男命)とは?古事記の神話・ヤマタノオロチ退治をわかりやすく解説

スサノオ(須佐之男命)|古事記の英雄神
この記事の目次 17項目はじめに
  1. スサノオとは?——3行でわかる古事記の英雄神
  2. 「三貴神」の一柱——アマテラス・ツクヨミとスサノオ
  3. なぜスサノオは泣き続けたのか——父イザナギの怒りと追放
  4. 誓約——アマテラスへの潔白の証明
  5. 高天原での乱行と天岩戸事件——スサノオ、ついに追放される
  6. ヤマタノオロチ退治——英雄スサノオの誕生
    1. 出雲に降り立ったスサノオ
    2. 酒を使った智謀の罠
    3. 草薙剣(天叢雲剣)の発見
  7. クシナダヒメとの結婚——日本最古の和歌が生まれた瞬間
  8. 根の国へ——スサノオと大国主命
  9. スサノオのご利益と祀られている神社
    1. スサノオのご利益
    2. スサノオを祀る主な神社
  10. スサノオと古事記をもっと深く知りたい人へ
  11. よくある質問
  12. まとめ——スサノオという神の真の姿

もぐたろう
もぐたろう

今回は須佐之男命すさのおのみこと(スサノオ)について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!古事記の中でも特に人気が高い神様で、ヤマタノオロチ退治や日本最古の和歌など、ドラマチックなエピソードが盛りだくさんなんだ!

この記事を読んでわかること
  • スサノオが古事記でどんな神か(三貴神としての位置づけ)
  • なぜ高天原から追放されたのか(泣き続けた理由と乱行の経緯)
  • ヤマタノオロチ退治のあらすじ(クシナダヒメ・草薙剣)
  • スサノオが詠んだ日本最古の和歌とは
  • スサノオのご利益と祀られている神社

「スサノオって、高天原で暴れまわった乱暴な神様でしょ?」——そんなイメージを持っている人は多いかもしれません。

でも、実はそれだけではありませんでした。亡き母を恋しがって泣きやまなかった繊細さ。理不尽な疑いをかけられても、姉に潔白を証明しようとした誠実さ。そして、巨大な怪物から娘たちを救った勇気と知恵——。

古事記が伝えるスサノオは、「暴れん坊」という一言ではとても語りつくせない、複雑で人間くさい神様だったのです。その素顔を、物語を追いながら見ていきましょう。

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スサノオとは?——3行でわかる古事記の英雄神

スサノオ(須佐之男命)とは?
  • 古事記に登場する神で、アマテラス・ツクヨミとともに「三貴神」の一柱
  • 高天原を追放されたのち、出雲でヤマタノオロチを退治し、クシナダヒメと結婚した
  • 退治後に詠んだ和歌「八雲立つ…」は日本最古の和歌とされる

荒れ狂う海、吹きすさぶ風——。須佐之男命すさのおのみこと、通称スサノオは、そんな激しさをまとって古事記に現れる神です。日本書紀では「素戔嗚尊すさのおのみこと」とも書かれます。

名前の「スサ」は、すべてを荒れさせる「荒(すさ)ぶ」に通じるとも、出雲の地名「須佐」にちなむとも言われています。いずれにせよ、その名にはどこか荒々しい響きが宿っています。

けれど、彼の物語をたどると見えてくるのは、ただ暴れるだけの神ではありません。涙を流し、怒りに震え、そして怪物に立ち向かう——感情のままに生きた、もっとも人間に近い神。それがスサノオなのです。

ゆうき
ゆうき

「三貴神」って、よく聞くけどどういう意味ですか?

もぐたろう
もぐたろう

父・イザナギが川で身を清めたとき、最後に生まれた3柱の貴い神のことだよ。左目からアマテラス、右目からツクヨミ、そして鼻からスサノオが生まれたんだ。この3柱を「三貴神」って呼ぶんだよ。次の章でくわしく見ていこう!

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「三貴神」の一柱——アマテラス・ツクヨミとスサノオ

話は、スサノオが生まれる場面までさかのぼります。

父・イザナギいざなぎは、亡き妻イザナミを追って黄泉の国へ行き、おぞましい穢れを身にまとって帰ってきました。その汚れを洗い流そうと、彼は川に入って禊みそぎをします。

清らかな水が、けがれを一つひとつ洗い落としていく——。そのとき、次々と神が生まれました。そして最後に、3柱のとりわけ貴い神が姿を現したのです。

月岡芳年が描いたスサノオ
須佐之男命の肖像(月岡芳年「芳年武者旡類」シリーズより・明治時代)/出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

イザナギは、生まれた3柱にそれぞれ治めるべき世界を授けました。アマテラスには光あふれる高天原たかまがはら(天上の世界)を、ツクヨミには夜の世界を、そしてスサノオには広大な海原を。

姉は天を、兄は夜を、自分は海を——。役割はきれいに分かれたかに見えました。そのはずでした。ところが、スサノオだけは与えられた海原を治めようとせず、ただ泣き続けたのです。なぜ彼は泣いたのか。物語はここから大きく動き始めます。

あゆみ
あゆみ

三貴神のうち、ツクヨミだけあまり聞きませんよね。なぜなんですか?

もぐたろう
もぐたろう

いいところに気づいたね!実はツクヨミは、生まれたあとほとんど古事記に登場しないんだ。一方でスサノオは泣いたり暴れたり大蛇を倒したりと、エピソードが盛りだくさん。だから人気者として今に語り継がれているんだよ。

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なぜスサノオは泣き続けたのか——父イザナギの怒りと追放

スサノオは、海原を治めようとはしませんでした。ただひたすら、泣いた。

その泣き方は尋常ではありませんでした。あごひげが胸元まで伸びるほどの長い年月、彼は泣きやまなかったといいます。あまりに激しく泣き叫ぶので、青々と茂っていた山の木々は枯れ果て、川や海の水は干上がってしまいました。

そのうえ、悪い神々がいっせいにわき出し、世界中に災いが満ちあふれた——。古事記は、スサノオの涙が世界を荒廃させたと描きます。

見かねた父イザナギが問いただします。「なぜお前は、治めるべき国を治めず、泣いてばかりいるのだ」と。スサノオは答えました。亡き母のいる「根の国ねのくに」へ行きたい、と。

スサノオ
スサノオ

おれは、根の国にいる母上に会いたいのだ……。それだけなのに、なぜこんなにも胸が苦しいのか。

この答えに、イザナギは激怒します。「ならば、この国に住むことは許さぬ」——そう言い放ち、スサノオを追放してしまいました。

泣き続けたスサノオを、わがままな駄々っ子と見ることもできるかもしれません。けれど見方を変えれば、それは亡き母を慕う深い悲しみと孝心の表れでもありました。任務を投げ出した神、ではなく、愛する者を失った喪失感に耐えきれなかった神——。スサノオの最初のつまずきは、そんな切なさをはらんでいたのです。

追放されたスサノオは、根の国へ向かう前に、ある決意をします。姉・アマテラスに、別れのあいさつをしてから旅立とう——。ところがこの「あいさつ」が、思いもよらぬ騒動を引き起こすことになります。

誓約——アマテラスへの潔白の証明

スサノオが高天原へ近づくと、大地が鳴動し、山も川もどよめきました。その荒々しい気配に、アマテラスは身構えます。「弟は、私の国を奪いに来たのではないか」——。

姉は武装して弟を迎え撃つ構えを取りました。髪を結い直し、背には千本の矢を入れた矢筒を負い、弓を握りしめる。一触即発の対面です。

けれどスサノオには、攻め込むつもりなど少しもありませんでした。彼は叫びます。「やましい心などない。それを証明しよう」と。こうして始まったのが、潔白を占う神聖な儀式——誓約うけひでした。

誓約(うけひ)とは:神の意思を占いで確かめる、古代の神事のこと。あらかじめ「こういう結果が出たら正しい」と取り決めておき、生まれた神の性別などでその真偽を判定しました。今でいう「神様にゆだねる宣誓裁判」のようなイメージです。

二人はお互いの持ち物を交換し、それを噛み砕いて吹き出しました。アマテラスがスサノオの剣を噛むと、3柱の女神が生まれます。スサノオがアマテラスの玉を噛むと、5柱の男神が生まれました。

スサノオは勝ち誇って言いました。「見ろ、おれの心が清いからこそ、たおやかな女神が生まれたのだ」と。こうして、彼の潔白は証明された——はずでした。ところが、この勝利こそが、新たな悲劇の引き金になってしまうのです。

あゆみ
あゆみ

潔白が証明されたなら、めでたしめでたしじゃないんですか?

もぐたろう
もぐたろう

そう思うよね。でもスサノオは、潔白が証明できたのがうれしすぎて、すっかり調子に乗ってしまったんだ。「勝った勝った!」と羽目を外したあげく、とんでもない乱行に走ってしまう……。次の章は、その暴走と天岩戸事件のお話だよ。

高天原での乱行と天岩戸事件——スサノオ、ついに追放される

勝利に酔ったスサノオは、止まりませんでした。

姉が大切に手入れしていた田のあぜを壊し、水路を埋め立てる。神聖な御殿に汚物をまき散らす。それでもアマテラスは、弟をかばい続けました。「酔った勢いだろう」「何か理由があるのだろう」と。

けれど、スサノオの乱行はついに一線を越えます。機織りの御殿の屋根に穴を開け、皮を剥いだ馬を投げ込んだのです。驚いた機織りの女神は、はずみで命を落としてしまいました。

あまりの出来事に、アマテラスは深く傷つき、恐れおののきました。そして——天の岩屋の戸を固く閉ざし、その中へ隠れてしまったのです。

太陽の女神が姿を消した瞬間、世界は真っ暗な闇に沈みました。昼も夜もなくなり、あらゆる災いが世にあふれ出します。これが、古事記でも屈指の名場面「天岩戸あまのいわと隠れ」の始まりです。

天岩戸神楽三番の図(歌川国貞画)
天岩戸神楽三番の図:アマテラスが岩戸から出る場面(歌川国貞 画・1844年頃)/出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

困り果てた八百万の神々は、岩屋の前で盛大な宴を開き、知恵をしぼってアマテラスを外へと誘い出します。その一部始終は、姉アマテラスを主役にした別の物語。くわしくは天岩戸隠れの記事でじっくり読んでみてください。

無事に光が戻ったあと、八百万の神々はスサノオに重い裁きを下しました。たくさんの品物を償いとして差し出させたうえ、ひげと手足の爪を切り取り、高天原から追放したのです。

こうしてスサノオは、天上の世界を去ることになりました。彼が次に降り立つのは、地上の出雲の国。そこで、英雄としての新たな運命が待ち受けていました。

ヤマタノオロチ退治——英雄スサノオの誕生

出雲に降り立ったスサノオ

高天原を追われたスサノオが降り立ったのは、出雲の国を流れる肥の河ひのかわのほとり。ふと見ると、川上から一本の箸が流れてきました。「上流に、誰か住んでいるな」——。

川をさかのぼると、老夫婦が一人の娘を囲み、声をあげて泣いていました。老人の名はアシナヅチ、妻はテナヅチ、そして娘はクシナダヒメ。スサノオがわけを尋ねると、夫婦は涙ながらに恐ろしい話を語り始めました。

八岐大蛇やまたのおろち(ヤマタノオロチ)とは:8つの頭と8本の尾を持つ巨大な蛇の怪物。目はほおずきのように真っ赤に燃え、背中には松や杉が生え、その巨体は8つの谷と8つの峰にまたがるほどだったといいます。腹はいつも血でただれていたと古事記は描写します。

夫婦にはもともと8人の娘がいました。けれど毎年、ヤマタノオロチが現れては一人ずつ食べてしまい、ついに最後に残ったのがクシナダヒメ。その大蛇が来る日が、もう間近に迫っていたのです。

酒を使った智謀の罠

話を聞いたスサノオは、ひとつの条件を出しました。「娘を、おれの妻にくれないか。そのかわり、あの怪物はおれが討ち取ろう」——。

スサノオ
スサノオ

こんな怪物に毎年娘を食わせるなど、許せるものか。案ずるな——あいつは、おれが必ず倒す。

老夫婦は涙ながらに承諾しました。そしてスサノオは戦の前に、ある術を使います。クシナダヒメを小さな細歯の梳(くし)に変え、自らの髪に挿し込んだのです。愛する人を自分の体で守りながら怪物に立ち向かう——古事記が伝えるこのエピソードは、スサノオという神の一途な心を示しています。ちなみに「クシナダヒメ」という名前も、「くし(奇し=霊妙な)」と「なだ(稲田)」に由来するとも言われています。

スサノオの作戦は、力まかせではありませんでした。まず老夫婦に命じて、何度も繰り返し醸した非常に強い酒——八塩折の酒やしおおりのさけを造らせます。そして垣根を巡らせ、8つの門を開き、それぞれに酒をなみなみと満たした桶を置かせました。

やがて、地響きとともにヤマタノオロチが現れました。8つの頭は、それぞれの桶に首を突っ込み、ごくごくと酒をあおります。そして——酔いつぶれた大蛇は、その場にどさりと倒れ、深い眠りに落ちていったのです。

草薙剣(天叢雲剣)の発見

その瞬間を、スサノオは見逃しませんでした。腰の剣を抜き放ち、眠る大蛇を頭から尾へと斬り刻んでいきます。肥の河は、流れる血で真っ赤に染まりました。

ところが、尾の一本を斬ったとき、剣の刃がカチンと欠けました。不審に思って尾を裂いてみると、中から一振りの剣が光を放って現れたのです。これこそが、のちに草薙剣くさなぎのつるぎ(天叢雲剣あめのむらくものつるぎ)と呼ばれる神剣でした。

ヤマタノオロチを退治するスサノオ(月岡芳年)
ヤマタノオロチを退治するスサノオ(月岡芳年 画・「新形三十六怪撰」より)/出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

スサノオは「これはただの剣ではない」と感じ取り、姉・アマテラスへ献上しました。この草薙剣は、のちに八咫鏡・八尺瓊勾玉とならぶ三種の神器のひとつとして、天皇家に受け継がれていくことになります。

こうして、かつて泣いてばかりだった暴れん坊は、人々を救う英雄へと生まれ変わりました。退治の細かな描写やクシナダヒメの活躍は、専用の記事でさらにくわしく追っています。あわせて読んでみてください。

クシナダヒメとの結婚——日本最古の和歌が生まれた瞬間

怪物を討ち取ったスサノオは、約束どおりクシナダヒメを妻に迎えました。二人が新たな暮らしを始めるため、出雲の須賀すがの地に宮殿を建てることにします。

その土地に立ったとき、スサノオの胸に清々しい気持ちがあふれました。「ここに来て、わたしの心はすがすがしい」——。だからこの地は「須賀」と名づけられた、と古事記は伝えます。

ふと空を見上げると、立ち上る雲が幾重にも重なっています。その光景に心を動かされたスサノオの口から、ひとつの歌がこぼれ落ちました。これこそが——日本で最初に詠まれた和歌とされる、あの一首です。

「八雲やくも立つ 出雲いずも八重垣 妻籠みにつまごみに 八重垣作る その八重垣を」

意味はこうです。「幾重にも雲が立ちのぼる出雲の地に、妻を守るための幾重もの垣根をめぐらせよう。その立派な八重垣を」。愛する妻と暮らす宮を、何重もの垣で包み込みたい——そんな喜びと愛情があふれる一首です。

5・7・5・7・7の31音にととのえられたこの歌は、のちの和歌の原型とされ、「日本最古の和歌」として語り継がれてきました。荒ぶる神スサノオが、最初の歌人でもあった——なんとも意外な一面です。

あゆみ
あゆみ

これって本当に「最古の和歌」なんですか?万葉集より古いんですね。

もぐたろう
もぐたろう

そうなんだよ。この歌が載っている古事記は712年に成立していて、759年以降にまとめられた万葉集よりも古いんだ。だから「五・七・五・七・七の和歌の最初の例」とされているよ。ただ、あくまで神話の中で詠まれた歌だから「伝承上の最古」という言い方が正確だね!

根の国へ——スサノオと大国主命

出雲で英雄となったスサノオは、やがて地の底にある根の国ねのくにへと移り、その世界を治める神となりました。かつて「会いたい」と泣き焦がれた母のいる国に、ついに腰を落ち着けたのです。

時は流れ、その根の国に一人の若者が逃げ込んできます。兄たちにいじめ抜かれ、命を狙われていた大国主命おおくにぬしのみこと(オオクニヌシ)——スサノオの子孫にあたる神でした。

スサノオは、訪ねてきたオオクニヌシに次々と過酷な試練を課します。蛇でいっぱいの部屋に寝かせ、ムカデと蜂が群がる部屋に閉じ込め、野に火を放って追い詰める——。値踏みするかのような、容赦ない歓迎でした。

けれどオオクニヌシは、スサノオの娘・スセリビメの助けを借りながら、すべての試練を切り抜けます。二人は密かに心を通わせ、ついにはスサノオの宝物を持って、根の国から駆け落ちしてしまいました。

スサノオ
スサノオ

あの宝を手にしたか……よかろう。おまえなら、地上に立派な国を築けるはずだ。行け、大国主となって、出雲を治めるがいい。

逃げる二人を追ったスサノオは、最後には逃走を許し、むしろオオクニヌシに祝福のことばを贈りました。試練は、若者が国を背負うにふさわしいかを見極めるための関門だったのです。

こうしてスサノオの物語は、子孫オオクニヌシの「国造り」へと受け継がれていきます。荒ぶる英雄が果たした最後の役割は、次の世代へ未来を託すことでした。オオクニヌシのその後の活躍は、別の記事でくわしく追っています。

スサノオのご利益と祀られている神社

スサノオのご利益

スサノオのご利益は、その波乱に満ちた物語と深く結びついています。神話のエピソードをたどると、なぜそのご神徳が生まれたのかが見えてきます。

たとえば、巨大なヤマタノオロチを討ち取った逸話からは、厄除け・疫病退散の力が。クシナダヒメを救い、妻として迎えた物語からは、縁結び・夫婦円満のご利益が信じられるようになりました。

さらに、もとは海原を治める神であったことから海上安全の守護神とされ、田畑にまつわる神話の流れから農業・五穀豊穣の神ともあがめられています。荒々しい力は、いつしか人々を災いから守る頼もしい力へと転じていったのです。

スサノオのご利益まとめ:厄除け・疫病退散 / 縁結び・夫婦円満 / 海上安全・航海守護 / 農業・五穀豊穣 / 商売繁盛(牛頭天王との習合)

スサノオを祀る主な神社

スサノオを祀る神社は、全国に数えきれないほどあります。なかでも代表的なのが、次の四社です。

  • 須佐神社すさじんじゃ(島根県)……スサノオが自らの魂を鎮めたと伝わる、出雲の古社。「スサノオ終焉の地」とも呼ばれます。
  • 八坂神社(京都府)……祇園祭で名高い、スサノオを主祭神とする神社。疫病退散の信仰で知られます。
  • 氷川神社ひかわじんじゃ(埼玉県)……関東一円に広がる氷川信仰の総本社。大宮の地名の由来にもなった大社です。
  • 八重垣神社やえがきじんじゃ(島根県)……スサノオとクシナダヒメを祀る、縁結びの神社。あの和歌「八重垣」が社名の由来です。

とくに京都の八坂神社は、夏の風物詩・祇園祭の中心地。その歴史やアクセスは、専用の記事でくわしく紹介しています。

あゆみ
あゆみ

厄除けの神社がたくさんあるんですね。祇園祭もスサノオと関係しているんですか?

もぐたろう
もぐたろう

大いに関係しているよ!祇園祭は、八坂神社のお祭りなんだ。昔、八坂神社のスサノオは牛頭天王ごずてんのうという疫病よけの神様と同じだと考えられていてね。疫病をしずめてもらおうという祈りが、あの華やかな祇園祭の始まりなんだよ。

スサノオと古事記をもっと深く知りたい人へ

もぐたろう
もぐたろう

スサノオと古事記の世界をもっと深く知りたい人に、おすすめの本を3冊紹介するよ!速攻で全体をつかみたい人も、じっくり原典に向き合いたい人も、それぞれに合う1冊があるはず。

①古事記の内容をマンガで速攻つかみたいなら|楽しみながら全体像が入る入門書

まんがで読む古事記

竹田恒泰(監修) 著|学研プラス


②原典に忠実な現代語訳でじっくり読みたいなら|文学として古事記を味わえる決定版

現代語古事記(決定版)

竹田恒泰 著|学研プラス


③神話を「読み物」として楽しみたい大人なら|芥川賞作家による詩的な新訳

古事記

池澤夏樹(訳) 著|河出書房新社

よくある質問

古事記・日本書紀に登場する神で、アマテラス・ツクヨミとともに「三貴神」の一柱です。高天原を追放されたのち、出雲でヤマタノオロチを退治した英雄神として知られます。荒ぶる力を持つ一方、亡き母を慕って泣くなど繊細な一面もある、人間味あふれる神様です。

誓約で潔白を証明した後、喜びが高じて田のあぜを壊したり神聖な御殿を汚したりする乱行に及んだためです。アマテラスが天岩戸に隠れて世界が暗闇に包まれる大事態を招き、八百万の神々の裁決によって追放が決まりました。

アマテラスはスサノオの姉にあたります。どちらもイザナギの禊から生まれた三貴神で、アマテラスは高天原(天上)を、スサノオは海原を治める役割を与えられました。誓約・天岩戸事件・草薙剣の献上など、二柱は古事記の物語で何度も交わります。

追放された荒ぶる神スサノオが、人々を救う英雄へと生まれ変わる転換点です。八塩折の酒で大蛇を酔わせて討つ「智謀の勝利」であり、尾から現れた草薙剣(天叢雲剣)はのちに三種の神器の一つとなりました。なお、ヤマタノオロチを氾濫する川の象徴と読む解釈もあります。

いいえ。草薙剣(天叢雲剣)はスサノオが作ったものではなく、ヤマタノオロチの尾の中から発見したものです。スサノオはこれをアマテラスに献上し、後に八咫鏡・八尺瓊勾玉とならぶ三種の神器の一つとなりました。「作った」ではなく「発見した」が正確です。

厄除け・疫病退散、縁結び・夫婦円満、海上安全、五穀豊穣などのご利益で知られます。祀る代表的な神社は、須佐神社(島根)・八坂神社(京都、祇園祭)・氷川神社(埼玉、大宮)・八重垣神社(島根、縁結び)など。全国に数多くの分社があります。

どちらも正しい表記です。「須佐之男命」は古事記(712年)の表記、「素戔嗚尊」は日本書紀(720年)の表記で、典拠とする文献によって字が異なります。一般には読みやすさからカタカナで「スサノオ」と書かれることが多くなっています。

まとめ——スサノオという神の真の姿

母を慕って泣いた繊細さ、潔白を晴らそうとした誠実さ、そして怪物から娘を守った勇気と知恵——。スサノオの物語をたどると、「乱暴な神」という一言ではとても語りつくせない、いくつもの顔が見えてきます。

スサノオのポイントまとめ
  • スサノオはアマテラス・ツクヨミとともに「三貴神」の一柱で、海原を治める神として生まれた
  • 亡き母への思いから泣き続け、父イザナギに追放される。その後アマテラスへの誓約で潔白を証明した
  • 高天原での乱行が天岩戸事件を引き起こし、八百万の神の裁決で追放が決定した
  • 出雲でヤマタノオロチを退治し、尾から草薙剣(天叢雲剣・三種の神器)を発見してアマテラスに献上した
  • クシナダヒメとの結婚を詠んだ「八雲立つ…」は日本最古の和歌とされる

スサノオの物語・年表
  • 神代・始まり
    イザナギの禊から三貴神が誕生。スサノオは海原を治める役割を命じられる
  • 神代・泣く
    亡き母・イザナミを慕って泣き続け、イザナギに追放される
  • 神代・誓約
    高天原でアマテラスと誓約(うけひ)を行い潔白を証明する
  • 神代・乱行
    高天原で乱行に及び、天岩戸事件を引き起こす。八百万の神の裁決で追放決定
  • 神代・出雲
    出雲でヤマタノオロチを退治。尾から草薙剣(天叢雲剣)を発見しアマテラスに献上
  • 神代・結婚
    クシナダヒメと結婚。新居を建てる喜びを詠んだ「八雲立つ…」が日本最古の和歌となる
  • 神代・根の国
    根の国を支配する神となり、子孫のオオクニヌシに試練を与えて出雲の国造りへ継承

もぐたろう
もぐたろう

以上、スサノオ(須佐之男命)のまとめでした!乱暴者というイメージが強いけど、実は繊細で誠実で勇気のある神様だったんだよ。姉のアマテラスや、子孫のオオクニヌシの物語もあわせて読むと、古事記がもっと面白くなるよ。ぜひ下の記事ものぞいてみてね!

📅 最終確認:2026年6月 / 参照:古事記(712年)・日本書紀(720年)原典および各種二次資料

参考文献

Wikipedia日本語版「スサノオ」「アマテラスとスサノオの誓約」「ヤマタノオロチ」「牛頭天王」(2026年6月確認)
コトバンク「須佐之男命」「素戔嗚尊」「八岐大蛇」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)(2026年6月確認)
古事記(712年)— 上巻・神代の段
日本書紀(720年)— 神代紀第八段
國學院大學「古事記学センター」資料(2026年6月確認)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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