

今回は食料自給率について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!「なぜ日本は38%なのか」「カロリーベースって何?」「先進国と比べてどうなのか」まで全部まとめてあるから、テスト前にもぜひ使ってね!
📚 この記事のレベル:高校公共 / 政治経済
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「日本の食料自給率は38%で、先進国の中で最低水準」——そう聞いたことがある人は多いはずです。
でも実は、この38%という数字はカロリーベースと呼ばれる、世界でも珍しい計算方法で算出したものです。同じ日本の食料を生産額ベースで計算し直すと、61%になります。「低すぎる!」という印象は、算出方法の違いが生み出している部分もあるのです。
とはいえ、それでも問題がないわけではありません。カロリーベースで38%という数字は「国民が食べるカロリーの62%を海外に頼っている」ことを示しており、輸入が止まったときのリスクは現実のものです。この記事では、数字の正確な意味を理解したうえで、日本の食料問題をわかりやすく解説していきます。
食料自給率とは?
- 食料自給率とは、国内で消費する食料のうち国産でまかなえる割合のこと
- 日本はカロリーベースで38%(2023年度)——先進国では最低水準
- 生産額ベースでは61%と差があるのは、計算方法の違いが原因
食料自給率とは、「国内で消費される食料のうち、どれだけを国内生産でまかなえているか」を示す割合のことです。簡単にいうと、「食べているものがどれだけ日本産か」を数値化したものになります。
日本では農林水産省が毎年この数値を算出・公表しています。2023年度の日本の食料自給率はカロリーベースで38%です。これは「国民が1日に摂取するカロリーのうち38%しか国産ではない」ということを意味しています。
食料自給率の計算方法は主に2種類あります。日本政府が公式指標として使っているカロリーベースと、金額で計算する生産額ベースです。この2つの違いを理解することが、「38%」という数字を正しく読み解くカギになります。
■ カロリーベースと生産額ベースの違い
カロリーベースとは、国民1人1日あたりが消費する食料のカロリー量のうち、国産品のカロリーが占める割合で計算する方法です。農林水産省が公式の自給率として採用しているのがこの方式です。
一方、生産額ベースは、国内で生産された食料の金額が、消費される食料全体の金額に占める割合で計算します。野菜・果物・魚介類など、日本が比較的多く生産しているものは金額ベースでは高い割合になるため、生産額ベースでは61%と高い数値が出るのです。

カロリーベースって、具体的にどう計算するの?よくわからないんだけど…。

わかりやすく言うと、「100円のランチのうち38円分しか日本産じゃない」じゃなくて「1食500kcalのうち190kcal分しか日本産じゃない」っていうイメージだよ!カロリーで比べるから、カロリーが高い小麦や肉・大豆(輸入品が多い)の影響がすごく大きく出るんだ。
なぜ日本はカロリーベースを公式指標に採用しているのでしょうか。それは、食料安全保障の観点からカロリー(エネルギー)の確保が最も重要だからです。どれだけお金があっても、輸入が止まってカロリーが不足すれば人は生き延びられません。食料危機のリスクを正直に示すために、カロリーベースが使われています。
■ 食料自給率38%の意味
38%という数字を具体的にイメージしてみましょう。日本人が1日に食べるカロリーを仮に2000kcalとすると、そのうち国内で生産されたものは760kcal(38%)しかありません。残りの1240kcal(62%)は輸入に頼っているということです。
もう少し具体的に言うと、朝食のパン(小麦は国産率約17%)、昼食のラーメン(小麦・豚肉)、夕食のハンバーグ(牛肉・大豆など)——こうした食事の多くは輸入食材でできています。一方、白米のご飯や旬の野菜、魚介類は国産率が高い食材です。
食料自給率の定義と計算方法を押さえたところで、次の章では日本の食料自給率がどのように変化してきたか、その現状を見ていきましょう。
日本の食料自給率の現状(推移)
農林水産省が2024年に公表したデータによると、2023年度の日本の食料自給率はカロリーベースで38%です。これは過去最低水準に近い数字で、1965年度の73%と比べると、約60年間でほぼ半分に落ち込んだことになります。
■ 1965年から現在までの推移
日本の食料自給率は、高度経済成長期(1960年代)には73%前後を維持していました。当時は米・野菜・魚中心の食生活が主流で、輸入に頼る食材は少なかったからです。
ところが1970年代以降、食生活の急速な変化とともに自給率は一気に下落します。1975年には54%、1985年には53%と下がり続け、1990年代には40%台前半に突入。2000年代には40%を割り込み、現在の38%前後に落ち着いています。
📌 推移のポイント:1965年73% → 1975年54% → 1985年53% → 1995年43% → 2000年40% → 2023年38%。この60年間でほぼ半減した。
■ 品目別の自給率(米・野菜・小麦・大豆・肉類)
「食料自給率38%」というと全体的に低そうに見えますが、実は品目によって大きな差があります。農林水産省の2023年度データによると、主な品目の自給率は以下のとおりです。
自給率が高い品目:米 98% / 野菜 80% / 鶏卵 97%
自給率が低い品目:小麦 17% / 大豆 7% / 飼料穀物(とうもろこし等)13%
米や野菜は国産率が高いのに、なぜ全体では38%に落ちるのでしょうか。それはカロリーが高い食材(小麦・肉・大豆)ほど輸入依存度が高いからです。ご飯1杯より、牛肉のカロリーのほうがずっと多い。そのカロリーの大部分を輸入に頼っていると、カロリーベースでの自給率は一気に下がります。

ウクライナ侵攻が始まってから「食料安全保障」っていう言葉をよく聞くようになったんだけど、数字で見るとどれくらい深刻なの?

現状の推移と品目別の数値を確認したところで、次の章では「なぜこれほど低い状態が続いているのか」その原因を掘り下げていきます。
なぜ日本の食料自給率は低いのか?
日本の食料自給率が低い原因は、ひとつではありません。大きく分けると、①食生活の変化、②農業の担い手不足、③飼料・原料の輸入依存、という3つの構造的な問題が絡み合っています。
理由①:食生活の西洋化(米離れ・パン・肉・大豆食品の増加)
理由②:農業の担い手不足・耕作放棄地の増加
理由③:飼料・原料の輸入依存(小麦・大豆・とうもろこし)
■ 食生活の西洋化
1960年代以降の高度経済成長によって日本人の食生活は急激に変化しました。米が主食だった時代から、パン・パスタ・肉料理・乳製品が日常的に食卓に並ぶようになりました。
この変化がカロリーベースの自給率を大きく引き下げています。なぜなら、パンの原料となる小麦の国産率は約17%、大豆は約7%で、ほとんどを輸入に頼っているからです。一方、米の国産率はほぼ100%ですが、米の消費量自体が1962年度の118kg(1人年間)から2023年度には約50kgと半分以下に減っています。
つまり「国産率の高い米は食べなくなり、国産率の低い小麦や肉を多く食べるようになった」——これが自給率低下の最大の要因のひとつです。
■ 農業の担い手不足と耕作放棄地
農業の担い手が減り続けていることも深刻な問題です。農林水産省によると、農業に従事する人口は1990年代初頭から大幅に減少しており、基幹的農業従事者(主業として農業に従事する者)は2023年には約116万人まで落ち込んでいます。しかも、農業従事者の平均年齢は68.7歳(2023年)と高齢化が著しいのが現状です。
その結果、農業をやめた農家が残した農地が放置される「耕作放棄地」が増えています。耕作放棄地の面積は2015年農林業センサス時点で約42万ヘクタール(埼玉県の面積相当)にのぼっており、農業生産の潜在力が失われつつあります。

後継者がいないから農家が減るのはわかるけど、農業の仕事って若者は増えてないの?

実は40歳未満の新規就農者は少しずつ増えてきてはいるんだよ。でも高齢農家が一気に引退する「引き波」にはまだ追いついていないのが現状だね。少子高齢化の問題と根っこがつながってるんだ。
■ 飼料・原料の輸入依存
3つ目の原因は、食材の「素材」レベルで輸入依存が進んでいることです。特に畜産業の「飼料」の問題は見落とされがちですが、カロリーベースの計算では非常に重要な意味を持ちます。
牛・豚・鶏を育てる際に必要な飼料(とうもろこし・大豆かす・小麦など)のほとんどは輸入品です。農林水産省によると、飼料の自給率は約27%(2023年度)。つまり、育てている場所が日本でも、食べさせているものが輸入品なら、カロリーベースでは「輸入食料」とカウントされます。
スーパーで「国産牛」と書いてあっても、カロリーベースの計算では輸入食料に近い扱いになります。なぜなら、カロリーベースでは「その牛が食べた飼料のカロリーのうち国産品が占める割合」も計算に含まれるからです。
例えば、国産牛の牛肉1kgを生産するには飼料が数十kg必要ですが、その飼料の約75%が輸入品です。そのため「育てたのは日本・食べさせたのは外国のとうもろこし」という場合、最終的なカロリーベースの換算で国産率は大きく落ちてしまうのです。

じゃあ「国産」って書いてあっても、自給率向上には貢献してないってこと?

「完全に貢献していない」わけじゃないけど、カロリーベースでは飼料の産地が大事なんだ。「国産牛」を食べるより「国産米」や「旬の国産野菜」を食べるほうが、カロリーベースの自給率に貢献するってこと。だから和食が自給率向上に有効だって言われるんだよ!
こうした構造的な原因が積み重なった結果が、今の38%という水準です。では、この低い数値が続くとどんな問題が起きるのでしょうか。次の章で詳しく見ていきます。
食料自給率が低いとどんな問題が起きる?
食料自給率が低い状態が続くと、私たちの生活にどんな影響が出るのでしょうか。食料安全保障の観点から3つの主な問題を見ていきます。
問題①:輸入が止まると食料危機になるリスク
最も深刻な問題は、輸入が途絶えた場合のリスクです。戦争・感染症・気候変動・外交摩擦などで食料輸入が止まると、国内のカロリー供給は62%が失われます。農林水産省のシミュレーションでは、輸入が完全に止まった場合、現在の農地で生産できるカロリーは国民に十分ではなく、深刻な食料不足に陥る可能性があるとされています。
過去には1973年のオイルショック時に食料価格が急騰し、一部の食料が不足する事態が起きました。また、2022年のウクライナ侵攻では小麦の国際価格が急騰し、日本のパンや麺類の値段が大きく上がりました。これらは「輸入が止まる」ほどの事態ではありませんでしたが、輸入依存のリスクを示す現実の例として知られています。
問題②:輸入コストの上昇(円安・原油高の影響)
日本が食料を輸入するためにはドルやユーロで支払う必要があります。そのため、円安が進むと同じ量の食料を輸入するのに多くの円が必要になり、食料品価格が上昇します。2022〜2024年にかけての円安局面では、食料品の物価上昇が家計を直撃しました。
さらに、農産物の輸送・生産には石油が使われます。原油価格の高騰は輸送コストを押し上げ、食料輸入コストをさらに増やします。「食料を外国に頼る=為替や原油の価格変動リスクをまともに受ける」ということです。
問題③:農業・農村の衰退(農地・技術・担い手の喪失)
食料を輸入に頼り続けることで、国内農業の担い手がさらに減り、農地が荒れていく悪循環が起きています。農業は「やめたら土地が荒れ、再び始めるには時間がかかる」産業です。一度失われた農業技術や農村コミュニティを取り戻すことは容易ではありません。
少子高齢化が進む中で農業従事者の高齢化が続けば、10〜20年後には国内農業の生産基盤がさらに縮小する恐れがあります。輸入依存の状態が長引けば長引くほど、いざというときに国内生産で補える余地が減っていくのです。
こうしたリスクを踏まえて、政府や個人が食料自給率を上げるためにどんな取り組みをしているか、次の章で解説します。
食料自給率を上げるには?解決策と政府目標
農林水産省は、2030年度にカロリーベースの食料自給率を45%に引き上げることを目標に掲げています(2020年策定の「食料・農業・農村基本計画」)。現状の38%から7ポイントのアップが目標ですが、食生活の変化や農業の担い手不足という根本的な問題が残る中、達成は簡単ではありません。
■ 農水省の2030年目標(45%)と現状のギャップ
2024年には「食料・農業・農村基本法」が改正されました。食料安全保障を法律の基本理念に明確に位置づけ、国産農産物の生産拡大や備蓄強化などの政策が強化されています。
目標の45%を達成するには、「国内農業の生産量を増やす」と「食生活を国産品が多い方向に変える」の両方が必要です。特に米・麦・大豆の国産生産量を増やし、飼料の国産化を進めることが重要なポイントとされています。
■ スマート農業・農業DXによる生産性向上
担い手不足の解決策として期待されているのが、ITやロボットを活用した「スマート農業」です。ドローンによる農薬散布や自動運転農機、AIを活用した作物の生育管理などの技術が実用化されつつあります。
担い手が少なくても大面積の農地を効率よく管理できる技術が普及すれば、耕作放棄地の再活用にも役立つとされています。政府も「農業DX」として予算を投入し、若い農業従事者が使いやすい農業技術の開発を支援しています。
■ 国産消費の拡大・食品ロス削減
個人レベルでも食料自給率の向上に貢献できます。国産の食材、とりわけ米・野菜・魚介類などを積極的に選ぶことが、カロリーベースの自給率を押し上げることにつながります。
また、食品ロスの削減も重要です。農林水産省・環境省によると、日本では年間約472万トンの食品ロスが発生しており(2022年度推計)、まだ食べられる食料が大量に廃棄されています。食品ロスを減らすことは、生産量を増やさずに「食料のムダを省く」観点から自給率向上を支えます。

「和食を食べると自給率が上がる」って聞いたことある?白米(国産100%)+みそ汁(大豆は輸入だけど国産率が上がる組み合わせ)+焼き魚(国産率高)+ほうれん草のお浸し(野菜の国産率約80%)——こういう献立の日は、1食あたりのカロリーベース自給率がグッと上がるんだよ!反対にピザやパスタは小麦・チーズともに輸入が多くて自給率を下げる食事になるんだ。
政府の政策から個人の食選びまで、食料自給率を上げるためのアプローチは複数あります。次の章では、日本が世界の中でどのような立ち位置にあるのかを確認するために、先進国の食料自給率を比較してみましょう。
世界の食料自給率ランキング:先進国との比較
日本の食料自給率38%がどれくらい低いのかを実感するには、世界の主要国と並べて比べるのが一番わかりやすいです。農林水産省が公表しているカロリーベースのデータを見ると、日本の位置づけがよくわかります。
■ 主要先進国の食料自給率(カロリーベース)
以下の表は、主要な先進国の食料自給率(カロリーベース・農林水産省の試算)をまとめたものです。
| 国名 | 食料自給率(カロリーベース) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| カナダ | 約204% | 広大な農地・穀物輸出大国 |
| オーストラリア | 約173% | 牧畜・小麦の輸出国 |
| フランス | 約121% | EU最大の農業国・小麦輸出 |
| アメリカ | 約104% | トウモロコシ・大豆の世界的産地 |
| ドイツ | 約83% | EU域内で食料の多くをまかなう |
| イギリス | 約65% | かつて輸入依存、近年改善中 |
| 韓国 | 約46% | 日本に近い構造・米依存 |
| 日本 | 約38% | 先進国最低水準 |
カナダ204%・フランス121%は、国内で消費する量を大きく上回る農産物を生産しており、余剰分を輸出できるほどです。対して日本は38%で、先進国の中では最低水準となっています。
■ なぜ欧米の食料自給率は高いのか
欧米の食料自給率が高い理由は、いくつかの地理的・政策的条件が重なっています。まず、カナダ・アメリカ・フランスはいずれも広大な農地を持ち、大規模な機械農業が可能です。日本の可耕地面積は国土の約12%に過ぎませんが、カナダやアメリカは国土の大半が農業に適した平野です。
さらに欧州では、EU(欧州連合)が域内の農業を守る「共通農業政策(CAP)」を長年推進してきました。農家への補助金・輸出支援・農産物の価格安定化などを通じて、EU加盟国の農業競争力が維持されています。

フランスが121%ってことは、食料が余って輸出できるくらいの実力があるってこと?日本とはスケールが全然違うんだね。

そう!100%を超えている国は、国民全員が食べても余る量を国内で作れるってこと。フランスの農業はEUの巨大な補助金と輸出体制に支えられていて、農家への保護が日本よりはるかに手厚いんだよ。日本が農業国家として生き残るには、単純に「もっと作れ」じゃなくて、農業の仕組みごと変える必要があるね。
また、欧米の主食は小麦(パン・パスタ)が中心で、国内で飼料も含めて完結する生産構造を持っています。日本は小麦・大豆・飼料用トウモロコシのほとんどを輸入に頼っているため、カロリーベースでは大きく差が開いてしまうのです。先進国と比べることで、日本の構造的な課題がより鮮明に見えてきます。
世界との比較を踏まえたうえで、次の章では私たち個人が食料自給率の向上のためにできることを考えてみましょう。
私たちにできること:個人レベルの取り組み
食料自給率の問題は、国や農業従事者だけが取り組むべき課題ではありません。日常の食の選択が、積み重なることで食料自給率に影響を与えます。
たとえば、夕食に白米・焼き魚・ほうれん草のお浸し・豆腐の味噌汁という献立を選ぶだけで、その食事のカロリーベース自給率は大幅に上がります。反対にピザやパスタを選べば、小麦・チーズの多くが輸入品なので自給率は低くなります。「和食を食べると自給率が上がる」という言葉の背景には、こうした計算があるのです。
食品ロスの削減も見逃せません。日本では年間約472万トンの食品ロスが発生しています(2022年度・農林水産省・環境省推計)。まだ食べられる食料を捨てることは、輸入した分のカロリーを丸ごと無駄にすることと同じです。食品ロスを半減させるだけで、実質的な自給率向上と同等の効果があるとも言われています。

でも1人がちょっと国産を選んだくらいで、本当に変わるの?

たしかに1人では微々たるものだけど、1億2千万人が少しずつ動くと総需要ってすごく変わるんだよ。「国産米の消費が増えると農家が儲かる→田んぼが増える→自給率が上がる」という流れが生まれる。個人の選択が市場を動かして、農家の経営を支えることにつながるんだ!
食料自給率の理解を深めるおすすめ本

食料自給率や食料安全保障についてもっと深く知りたい人に、元農水省事務次官が書いたわかりやすい本を紹介するよ!
テストに出るポイント&覚え方
ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。試験直前の見直しにも使ってください。
📌 暗記のコツ:「38・45・121・204」の4つの数字をセットで覚えよう。現在38%→目標45%→フランス121%→カナダ204%の順で「低い・目標・高い・最高」と数字の意味と紐づける。論述では「なぜ低いか3つの原因(食生活・担い手・輸入飼料)+解決策(スマート農業・国産消費)」の流れが頻出。カロリーベースと生産額ベースが混同されやすいので「政府の公式指標=カロリーベース」と確認してから書くこと。
| 比較項目 | カロリーベース | 生産額ベース |
|---|---|---|
| 日本の数値(2023年度) | 38% | 61% |
| 計算の基準 | カロリー(キロカロリー)量 | 金額(円) |
| 高くなる食品 | 米・麦など主食 | 野菜・果物・畜産物(単価が高い) |
| 政府公式指標か | はい(農水省公式) | 参考値として公表 |
| 国際比較に使われるか | はい(FAO基準) | 国による(参考値) |

テストでカロリーベースと生産額ベース、どっちを答えればいいの?

原則として「カロリーベース38%」を答えるのが正解!「食料自給率」とだけ問われたら、政府の公式指標であるカロリーベースを指してるんだ。「生産額ベースとの違いを答えよ」という形式で問われることもあるから、両方の数字と計算方法の違いをセットで覚えておこう!
よくある質問(FAQ)
食料自給率とは、国内で消費される食料のうち、国内生産でまかなわれる割合のことです。農林水産省が毎年度発表しており、日本では主にカロリーベース(熱量換算)の数値が公式指標として使われています。2023年度のカロリーベース食料自給率は38%で、先進国の中では最低水準です。
大きな理由は3つあります。①戦後の食生活が西洋化し、国産率の低い小麦・肉・乳製品の消費が増えたこと。②農業従事者の高齢化・後継者不足で耕作放棄地が増えたこと。③畜産の飼料(トウモロコシ・大豆粕など)のほとんどを輸入に頼っていること、です。カロリーベースの計算では飼料の産地も重要で、国産牛でも輸入飼料で育てていれば「輸入カロリー」としてカウントされます。
カロリーベースは「食料のカロリー(熱量)のうち国産がどれだけか」を計算する方法で、日本では38%(2023年度)です。生産額ベースは「食料の金額のうち国産がどれだけか」で計算するため、単価の高い野菜・果物・畜産物の割合が反映され、61%(2023年度)と高くなります。政府が食料安全保障を議論するときの公式指標はカロリーベースです。
主に3つのリスクがあります。①戦争・感染症・気候変動で輸入が途絶えると国内の食料供給が深刻に不足するリスク。②円安や原油高騰で輸入コストが上がり、食料品価格が家計を直撃するリスク。③輸入依存が続くことで国内農業が縮小し、いざというときに生産を増やせる基盤が失われていくリスクです。2022年のウクライナ侵攻後の小麦価格急騰は、こうしたリスクの現実例として知られています。
農林水産省は「食料・農業・農村基本計画」(2020年策定)に基づき、2030年度にカロリーベースで45%にするという目標を掲げています。現状の38%から7ポイントの引き上げが目標です。2024年には食料・農業・農村基本法が改正され、食料安全保障が法律の基本理念として明確に位置づけられました。目標達成には国産農産物の生産拡大・食品ロス削減・食生活の見直しが必要とされています。
日常でできることとして、①国産食材・旬の食材を選ぶ(特に米・野菜・魚)②和食中心の食事にする(カロリーベースの国産率が上がる)③食品ロスを減らす(まだ食べられるものを捨てない)④地産地消を心がける(地元産農産物を買う)の4つが代表的な取り組みです。1人ひとりの選択は小さくても、多くの人が動くことで農産物の需要が変わり、農業の経営を支えることにつながります。
まとめ:食料自給率を正しく理解しよう
日本の食料自給率38%という数字は、単純に「食料危機寸前」を意味するわけではありません。しかし、算出方法の違いを踏まえたうえでも、輸入依存の構造・農業の担い手不足・食料安全保障リスクという課題は現実のものです。国や農業だけに任せず、食の選択を通じて社会全体で取り組むテーマといえます。
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1965年カロリーベース73%。高度経済成長期・米中心の食生活で高水準
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1975年54%に低下。食生活の洋風化が急速に進む(パン・肉・乳製品の普及)
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1985年53%。小麦・大豆・肉類の輸入が定着。農業従事者の減少が始まる
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1995年43%。バブル崩壊後も輸入依存は続く。米も部分的に輸入開始(ウルグアイ・ラウンド合意)
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2000年40%。以降おおむね40%前後で推移。耕作放棄地・高齢農家問題が深刻化
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2010年代38〜40%で横ばい。農業担い手不足が深刻化。スマート農業の研究開発が本格化
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2023年度38%(農水省発表)。先進国最低水準。ウクライナ侵攻後の食料価格高騰で食料安全保障への関心が急上昇
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2030年度目標農水省がカロリーベース45%を目標に設定。食料・農業・農村基本法改正(2024年)で食料安全保障が法律上の基本理念に

以上、食料自給率のまとめでした!「38%」という数字の背景にある計算方法の違い・日本農業の課題・世界との差が少し見えてきたんじゃないかな。下の記事では農業政策や食料安全保障、関連するニュースの背景についてもあわせて読んでみてください!
📅 最終確認:2026年6月 / 参照:農林水産省「食料需給表」・農林水産省「食料・農業・農村基本計画(2020年版)」
農林水産省「令和5年度 食料自給率・食料自給力指標について」(2024年8月公表・2026年6月確認)
農林水産省「食料需給表(令和5年度)」(2026年6月確認)
農林水産省「食料・農業・農村基本計画」(2020年版)(2026年6月確認)
農林水産省「食料・農業・農村基本法の改正について」(2024年)(2026年6月確認)
農林水産省「世界の食料自給率」諸外国試算データ(2026年6月確認)
農林水産省・環境省「令和4年度食品ロス量の推計値について」(2026年6月確認)
Wikipedia日本語版「食料自給率」(2026年6月確認)
コトバンク「食料安全保障」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)(2026年6月確認)
記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。




