バテレン追放令の原文と現代語訳

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バテレン追放令
松浦史料博物館に残されているバテレン追放令の原本
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原文と現代語訳

1 日本ハ神国たるところ、きりしたん国より邪法を授け候儀太以はなはだもっしかるるべからず候事。

現代語訳

日本は神の国であるから、キリスト教の国から邪教を授かることは、大変よろしくないことである。

2 その国郡の者を近付け門徒になし、神社仏閣を打破る候由、前代未聞に候。国郡在所知行等給人に下され候儀は、当座の事。天下よりの御法度を相守り、諸事其意をべき処、下々としてみだりの義曲事くせごとの事。

現代語訳

(キリシタン大名が)国郡の者たちを信者とし、神社仏閣を打ち壊しているが、これは前代未聞のことである。

(全国の領地は秀吉公のものであり)諸国の大名に領地を治めさせているのは一時的なことである。天下からの法律をよく守り、諸事について法律の趣旨を承知しておくべきなのに、大名たちが勝手なことをするのはけしからぬことである。

3 伴天連ばてれん其智恵之法を以て、心ざし次第に檀那だんなを持ち候と思召おぼしめされ候へば、右の如く日域の仏法を相破る事曲事に候條、伴天連儀日本に地にハおかせられ間敷まじく候間、今日より廿日之間に用意つかまつり帰国すべく候。・・・(略)

現代語訳

宣教師たちはその知恵によって信者を獲得しているかと思ったが、前に書いたとおり日本の仏教を破壊しているのはけしからぬことであるから、宣教師を日本に置いておくことはできないので、今日から20日以内に準備をして帰国せよ。・・・(略)

4 黒船の儀は商買の事に候間、各別に候の條、年月を経諸事売買いたすへき事。

現代語訳

(ポルトガルの)貿易船は商売のために来ているから、(バテレン追放令とは)別の話であるので、今後も商売を続けよ。

5 自今以後仏法のさまたけを成さざるともがらは、商人の儀は申すに及ばず、いつれにてもきりしたん国より往還おうかんくるしからす候條、其意を成すべき事。

現代語訳

今後は仏教の妨げをしない者であれば、商人はもちろん、誰でもキリスト教の国から行き来しても良い。

以上   天正十五年六月十九日

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