国旗損壊罪とは?日の丸を燃やしたら罪になる?外国国旗との違いも解説

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国旗損壊罪とは?日の丸を燃やしたら罪になる?外国国旗との違いも解説

もぐたろう
もぐたろう

今回は2026年6月に衆議院を通過した〈国旗損壊罪〉について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!外国の国旗とのあつかいの違いや、日の丸を燃やすと本当に逮捕されるのかも、いっしょに確認していこう!

この記事を読んでわかること
  • 国旗損壊罪とは何か(定義・法定刑・対象になる行為)
  • なぜ外国の国旗だけ守られていたのか(刑法92条との違い)
  • 日の丸を燃やすとどうなるか(処罰されるケース・されないケース)
  • 海外各国の国旗のあつかい(アメリカ・ドイツ・韓国の比較)
  • 賛成派・反対派の主な意見(表現の自由との関係)

外国の国旗を日本で燃やすと、刑事罰の対象になります。ところが——実は日本の国旗である日の丸を燃やしても、2026年まではずっと「無罪」でした。

「えっ、逆じゃないの?」と思った人も多いはずです。この一見ふしぎな「法のねじれ」を解消しようとしているのが、2026年6月に衆議院を通過した〈国旗損壊罪〉なのです。



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国旗損壊罪とは?

日本の国旗(日の丸)
日本の国旗「日の丸」(出典:ウィキメディア・コモンズ/パブリックドメイン)

3行でわかる国旗損壊罪

① 国旗損壊罪とは、公然と日の丸を傷つけたり汚したりする行為を罰する新しい規定(2026年6月に衆院通過)。
② 法定刑は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金。
③ 「人に著しく不快な方法で」損壊した場合が対象で、ゴミとして静かに処分するだけなら対象外。

国旗損壊罪は、日本の国旗である日の丸を一定の方法で傷つけたり汚したりする行為を罰する、新しく作られようとしている刑罰の規定です。2026年6月30日に衆議院を通過し、参議院でも可決されれば成立します。

処罰の対象になるのは、「公然と」「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で」日の丸を損壊・除去・汚損する行為です。さらに、その様子を撮影した動画や画像をSNSなどに投稿し、不特定多数の人が見られる状態に置くことも対象に含まれます。

ゆうき
ゆうき

ニュースで聞いたけど、日の丸を燃やすのって本当に犯罪になったの?

もぐたろう
もぐたろう

そうなんだよ!2026年6月30日に衆議院を通過した新しい規定で、成立すれば2年以下の拘禁刑か20万円以下の罰金になるんだ。ただし〈人に著しく不快な方法で〉公然と損壊した場合に限られていて、古くなった旗をふつうに処分するのとは別ものだよ!

※拘禁刑:2025年6月から始まった新しい刑罰。これまでの「懲役」と「禁錮」を一本化したもので、刑務所に収容されることになります。



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なぜ今まで日本の国旗は「守られていなかった」のか

実は日本の刑法には、ずっと前から「外国の国旗を守る規定」がありました。刑法92条の〈外国国章損壊罪〉です。外国を侮辱する目的でその国の国旗を損壊・除去・汚損すると、2年以下の拘禁刑などに問われます。

ところが、肝心の日本の国旗を守る規定は存在しませんでした。日本では明治時代に大日本帝国憲法などの近代的な法制度が整えられましたが、その後も国旗そのものを傷つける行為を直接罰する刑罰は作られなかったのです。

あゆみ
あゆみ

えっ、外国の国旗は守られていたのに、日本の国旗は守られていなかったってどういうこと?逆じゃないの?

もぐたろう
もぐたろう

刑法92条が守っているのは、実は〈外交関係〉なんだよ。外国の国旗を侮辱すると国どうしのトラブルになっちゃうから守ってるんだ。でも自国の国旗は外交問題にはならない——だから法律の対象から外れていて、これが「法のねじれ」と言われていたんだね。

この「ねじれ」を象徴する出来事が、1987年に起きた沖縄国体での日の丸焼却事件です。1987年10月、沖縄県読谷村で開かれた国民体育大会のソフトボール会場で、ある男性が掲揚された日の丸を引き降ろして火をつけました。

当時、日本には国旗を守る法律がなかったため、国旗を燃やした行為そのものでは罪に問えず、男性は器物損壊罪などで起訴されました。この事件をきっかけに、「自国の国旗を守る法律が必要ではないか」という議論が、長く繰り返されてきたのです。

「外国国章損壊罪(刑法92条)」と「国旗損壊罪」は何が違うの?

2つの法律は、似ているようで「守ろうとしているもの(保護法益)」がまったく違います。

刑法92条の外国国章損壊罪が守っているのは、外国との友好的な外交関係です。だから「外国を侮辱する目的」があったかどうかが要件になります。たとえ国旗を傷つけても、侮辱の目的がなければ成立しません。

一方、新しい国旗損壊罪が守ろうとしているのは、日の丸を大切に思う国民の感情だと説明されています。こちらは「侮辱の目的」を要件にせず、行為の外形(やり方)で判断するとされています。守る対象が「外国との関係」なのか「国民の気持ち」なのか——ここが2つの法律の根本的な違いです。



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2026年6月、国旗損壊罪がついに衆院通過

もぐたろう
もぐたろう

ここからは、2026年に法案がどう動いたのかを時系列で見ていこう。実はこのアイデア、けっこう前から国会に出ては消えていたんだよ。

国旗損壊罪の構想自体は古く、2012年に自民党が一度国会に提出しましたが、このときは廃案になりました。流れが大きく動いたのは2025年です。同年10月、自民党と日本維新の会が連立政権の合意書に「制定をめざす」と明記しました。

そして2026年6月16日、自民・維新・国民民主・参政の4党が衆議院に法案を共同提出。6月26日に衆院内閣委員会で可決され、6月30日の本会議で賛成多数により衆議院を通過しました。今後は参議院に審議の場が移り、参院でも可決されれば成立します。賛成は自民・維新・国民民主・参政・チームみらい、野党の多くは反対の立場をとっています。

議論の焦点になっているのが、「著しく不快な方法」とは何かという点です。法案は、損壊にあたるかどうかを「行為の外形や周囲の状況などの客観的な事情を総合的に勘案して判断する」としています。提案者は「燃やす人の意図や目的では判断しない」と説明していますが、何が「著しく不快」なのかの線引きは条文だけでは明確でなく、運用しだいで解釈の幅が出る点が課題として指摘されています。

これは罪になるの?お子さまランチの旗・アート・SNS動画

「じゃあ、お子さまランチに刺さっている小さな日の丸の旗を捨てたら罪になるの?」——そんな心配をする必要はありません。法案づくりのなかでは、こうした身近なケースは適用除外として想定されています。

具体的には、お子さまランチの旗を捨てる行為や、絵画やアート作品の一部として旗を描く行為などは、対象に含まれないと説明されています。これらは「公然と、人に著しく不快な方法で損壊する」という要件にあたらないからです。

ただし、漫画やアニメの表現、SNSへの投稿などがどこまで影響を受けるのかについては、法学者から「線引きがあいまいで、表現が萎縮するおそれがある」との懸念も出ています。「身近なものは大丈夫」という一方で、境界線のあいまいさが残っているのが現状です。

ゆうき
ゆうき

「著しく不快」ってどうやって判断するの?なんだか曖昧じゃない?

もぐたろう
もぐたろう

そこが反対派の一番大きな心配ポイントなんだよ。〈著しく不快〉の基準が条文ではっきり決まっていないから、捜査する側の判断しだいで対象が広がってしまうんじゃないか、って指摘されてるんだ。法律をつくるときは、この「あいまいさ」をどう詰めるかがすごく大事なんだよ。



「日の丸を燃やしたら逮捕される?」具体的なケース解説

では、具体的にどんなときに処罰の対象になるのでしょうか。法案で想定されているのは、抗議活動などで人前で日の丸を燃やしたり、踏みつけて汚したりして見せつける行為です。さらに、その様子を撮影してSNSに投稿し、誰でも見られる状態にする行為も対象に含まれます。

反対に、対象にならないと説明されているのは次のようなケースです。古くなった旗を家庭ゴミとして静かに処分する、自宅など人目につかない場所での私的な行為、絵画やアート作品の一部として旗を描く、お子さまランチの小さな旗を捨てる——こうした「公然と」「著しく不快な方法で」にあたらない行為は、対象外とされています。

あゆみ
あゆみ

ちょっと待って。古くなった日の丸を処分したいとき、どうすればいいの?普通に捨てたら逮捕されちゃうの?

もぐたろう
もぐたろう

大丈夫だよ!〈見せつけるように燃やす〉んじゃなくて、ふつうに処分するなら罪にはならないんだ。汚れないように白い布や紙に包んで捨てたり、自治体のルールに従って処分したり、神社のお焚き上げに出したり——昔から、そういう「敬意をもった処分のしかた」が知られているよ。



海外では国旗を燃やすとどうなる?各国比較

アメリカの国旗(星条旗)
アメリカでは国旗を燃やす行為も「表現の自由」として保護される(星条旗。出典:ウィキメディア・コモンズ/パブリックドメイン)

国旗のあつかいは、国によって大きく異なります。意外に思われるかもしれませんが、その代表がアメリカです。1989年、アメリカ連邦最高裁は「テキサス対ジョンソン事件」で、抗議として星条旗を燃やす行為を〈表現の自由〉として認め、国旗焼却を罰する州法を違憲と判断しました(5対4の僅差)。アメリカでは、国旗を燃やしても刑事罰に問われないのです。

一方で、厳しく罰する国もあります。ドイツは刑法で国旗の損壊などに最高3年の拘禁刑を、韓国は国旗を侮辱する目的での損壊に最高5年の懲役または禁錮を定めています。こうして見ると、日本の国旗損壊罪(2年以下の拘禁刑)は、「罰しないアメリカ」と「厳しく罰する韓国・ドイツ」のあいだに位置づけられる内容といえます。

ゆうき
ゆうき

アメリカは国旗を燃やしても罪にならないって本当?なんだか意外だな…

もぐたろう
もぐたろう

そうなんだよ。アメリカは「たとえ多くの人が不快に感じる行為でも、政治的な意思表示なら自由として守る」という考え方が強いんだ。逆に韓国やドイツは厳しく罰する。同じ「国旗」でも、国によって守り方がぜんぜん違うのがおもしろいよね。



賛成派・反対派の主な意見

もぐたろう
もぐたろう

この法律がここまで議論になるのは、「国旗を守る気持ち」と「表現の自由」がぶつかるテーマだからなんだ。どちらの言い分も、いったんフラットに見てみよう。

国旗損壊罪については、賛成・反対の両方に根強い意見があります。まず賛成派の主張は、「国旗は国の象徴であり、それを傷つける行為から国民の感情を守るべきだ」というものです。外国の国旗だけが守られ、自国の国旗には規定がない「法のねじれ」を正すべきだ、外国と対等にすべきだ、という声もあります。

反対派の主張は、表現の自由との関係に集中しています。国旗を燃やす行為が政治的な抗議=表現の一つにあたる場合、それを罰するのは日本国憲法21条が保障する表現の自由を侵すおそれがある、というものです。日本弁護士連合会や複数の弁護士会、多くの法学者が「違憲の可能性が高い」「『著しく不快』の基準が曖昧で、表現が萎縮しかねない」と懸念を表明しています。国際的にも、ヒューマン・ライツ・ウォッチやアムネスティ・インターナショナルが懸念の声明を出しました。

あゆみ
あゆみ

表現の自由との矛盾ってどういうこと?もう少し詳しく教えてほしいな。

もぐたろう
もぐたろう

たとえば国旗を燃やすのが「政府への抗議」という政治的なメッセージなら、それも表現の一つだと考えられるんだ。だから「気持ちを守りたい賛成派」と「表現の自由を守りたい反対派」がぶつかるんだね。もっとも表現の自由も無制限ではなくて〈公共の福祉〉による制約を受けるし、最終的に憲法に違反するかどうかは裁判所の違憲審査で判断されることになるよ。大事なのは、どちらの意見も中身を正しく理解することなんだ。



国旗損壊罪の背景を理解するためのおすすめ本

もぐたろう
もぐたろう

国旗損壊罪と表現の自由の関係をもっと深く理解したい人に、入門書を1冊紹介するよ!

①表現の自由を基礎から学びたい人に|憲法学者が現代の問題をわかりやすく解説



よくある質問

法案では2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金とされています。公然と、人に著しく不快な方法で日の丸を損壊・除去・汚損した場合が対象です。2026年6月30日に衆議院を通過し、参議院でも可決されれば成立します。

所有者であっても、公然と人に著しく不快な方法で燃やせば対象になりえます。一方で、人目につかない場所での私的な処分は対象外と説明されています。ポイントは「公然と」「著しく不快な方法か」という点です。

国旗損壊罪ではなく、以前からある刑法92条の外国国章損壊罪が適用されます。外国を侮辱する目的が要件で、2年以下の拘禁刑などが定められています。

敬意をもって処分するなら罪に問われません。一般には、汚れないよう白い布や紙に包んで捨てる、自治体のルールに従って処分する、神社などのお焚き上げに出すといった方法が知られています。

対象になりません。「公然と」「著しく不快な方法で」損壊する行為にあたらないため、適用除外として想定されています。絵画やアート作品の一部として描かれた旗も同様です。



まとめ

今回は2026年6月に衆議院を通過した〈国旗損壊罪〉について解説しました。外国の国旗だけが守られていた「法のねじれ」を背景に生まれた規定であること、処罰の対象になるケースとならないケース、そして表現の自由をめぐって賛否が分かれていることを見てきました。

国旗損壊罪のポイントまとめ
  • 公然と日の丸を傷つける行為を罰する新しい規定(法定刑は2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金)
  • 外国の国旗(刑法92条)は「外交関係」、日の丸は「国民感情」と、守る対象が違う
  • 見せつけるように燃やす行為は対象、静かな処分やアート表現は対象外と説明されている
  • 賛成=国旗の尊厳と法のねじれ是正/反対=表現の自由の侵害と賛否が分かれる

もぐたろう
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以上、国旗損壊罪のまとめでした!法律やルールが時代とともにどう変わっていくのかを追いかけるのも、歴史を学ぶおもしろさの一つだよね。こうした議論は憲法改正をめぐる話ともつながっているよ。下の記事で関連テーマもあわせて読んでみてね!

参考文献

Wikipedia日本語版「国旗損壊罪法案」(2026年6月確認)
Wikipedia日本語版「外国国章損壊罪」(2026年6月確認)
Wikipedia日本語版「沖縄国体日の丸焼却事件」(2026年6月確認)
日本経済新聞・NHKニュース「国旗損壊罪法案 衆院通過」報道(2026年6月)
Texas v. Johnson(アメリカ連邦最高裁・1989年)/ドイツ刑法90a条/韓国刑法105条
ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナル日本 声明(2026年)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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