日本国憲法とは?公布までの経緯・三原則の内容をわかりやすく解説

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もぐたろう
もぐたろう

今回は日本国憲法について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!GHQ草案から三大原則まで、テストに出るポイントもしっかり押さえていこうね!

📚 この記事のレベル:中学歴史 / 高校日本史 / 高校公共
📖 山川出版『詳説日本史』準拠
🎯 定期テスト・共通テスト対応

この記事を読んでわかること
  • 日本国憲法とは何か(3行まとめ付き)
  • 大日本帝国憲法との違い(比較表で整理)
  • GHQ草案から公布・施行までの制定経緯
  • 三大原則(国民主権・平和主義・基本的人権の尊重)の内容
  • 第9条・戦争放棄の意味と現代の論点
  • 「押しつけ憲法か否か」論争のリアル

「日本国憲法はGHQに押しつけられた憲法だ」——そう思っている人は多いかもしれません。

実は、それは半分正解で半分は間違いです。

たしかにGHQが草案を主導したのは事実ですが、日本政府側の委員たちも主体的に修正を加え、GHQ草案よりも充実した人権規定が盛り込まれた経緯があるのです。その舞台裏を、当時の交渉を担った白洲次郎しらすじろう幣原喜重郎しではらきじゅうろうの姿とともに解説していきます。

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日本国憲法とは?

3行でわかるまとめ
  • 日本国憲法にほんこくけんぽうは、1946年11月3日に公布・1947年5月3日に施行された日本の最高法規
  • 国民主権・平和主義・基本的人権の尊重の三大原則を柱とする
  • 戦前の大日本帝国憲法から根本的に転換し、天皇主権→国民主権へ変わった

日本国憲法は、前文と103条から成る日本の最高法規です。

「最高法規」というのは、日本の法律のなかで最も強い力を持つということです。もし国会が作った法律が憲法に違反していたら、その法律は無効になります。

日本国憲法は大きく分けると、次のような構成になっています。

  • 前文:憲法の基本理念を宣言(国民主権・平和主義・人権尊重)
  • 第1〜8条:天皇の地位と役割
  • 第9条:戦争放棄
  • 第10〜40条:国民の権利と義務
  • 第41〜95条:国会・内閣・裁判所のしくみ(統治機構)
  • 第96〜99条:改正手続き・最高法規
もぐたろう
もぐたろう

「最高法規」って言葉がテストに出やすいポイントだよ。他のどんな法律よりも憲法が優先される——つまり、憲法に反する法律は効力を持てないんだ!

では、この日本国憲法はどのような背景で生まれたのでしょうか。まずは、それ以前に使われていた大日本帝国憲法との違いから見ていきましょう。

大日本帝国憲法との違い

大日本帝国憲法(明治憲法)は、1889年(明治22年)に発布された日本初の近代憲法です。

この憲法では天皇が主権者であり、「統治権とうちけん総攬者そうらんしゃ」として国のすべてを治める存在とされていました。国民の権利は「臣民しんみんの権利」と呼ばれ、法律の範囲内でしか認められませんでした。

一方、日本国憲法では国民が主権者であり、基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」として保障されています。天皇は「日本国の象徴」となり、政治的な権力を持ちません。

この2つの憲法を比較すると、次のような大きな違いがあります。

比較項目大日本帝国憲法日本国憲法
制定年1889年(明治22年)1946年(昭和21年)公布
主権天皇主権国民主権
天皇の地位統治権の総攬者象徴
権利臣民の権利(法律の範囲内)基本的人権(永久不可侵)
軍隊天皇統帥の陸海軍戦力不保持(第9条)
改正手続き天皇の発議国会の発議+国民投票
ゆうき
ゆうき

「臣民の権利」と「基本的人権」って名前が似てるけど、何が違うの?

もぐたろう
もぐたろう

いい質問だね!大日本帝国憲法の「臣民の権利」は「法律の範囲内」という条件付き。つまり、国が「必要だ」と判断すれば権利を制限できたんだ。でも日本国憲法の基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」——国であっても簡単には奪えない、すごく強い権利なんだよ!

このように、大日本帝国憲法と日本国憲法は根本的に異なる憲法です。では、なぜこれほど大きな転換が起きたのでしょうか。その鍵を握るのが、日本国憲法の制定経緯です。

日本国憲法 制定の経緯——GHQ草案から公布まで

1945年8月、日本は玉音放送でポツダム宣言の受諾を表明し、太平洋戦争が終結しました。日本は連合国軍(GHQ)の占領下に入り、民主化が最重要課題となります。

GHQの最高司令官マッカーサーは、日本政府に対して大日本帝国憲法の改正を指示しました。ここから、新しい憲法をめぐる激動の数か月が始まります。

■ 松本委員会案とGHQの拒否(1946年2月)

日本政府は、憲法学者の松本烝治まつもとじょうじを委員長とする「憲法問題調査委員会」(松本委員会)を設置し、改正案の作成にあたりました。

しかし、1946年2月1日に毎日新聞が松本案の内容をスクープします。その内容は天皇主権を維持したままのわずかな修正にとどまるものでした。

GHQはこの松本案を「改革が不十分だ」として拒否。そして驚くべき行動に出ます。

■ GHQが9日間で草案を書いた

マッカーサーは、自ら3つの基本原則を示しました。これが有名な「マッカーサー三原則」(マッカーサーノート)です。

マッカーサー三原則

  • ①天皇制の維持:天皇は国の象徴とする(主権は国民へ)
  • ②戦争の放棄:国家の権利としての戦争を廃止し、軍隊を持たない
  • ③封建制度の廃止:華族制度など身分制度を撤廃する

この三原則に基づき、GHQ民政局のスタッフ約25名が1946年2月4日〜12日のわずか9日間で憲法草案を書き上げました。

もぐたろう
もぐたろう

なんと、たった9日間で憲法草案が完成したんだよ!しかも英語で書かれたものが、のちに日本語に翻訳されて日本国憲法の土台になったんだ。これはちょっと驚きだよね!

■ 白洲次郎と日本側の交渉

GHQ草案は、1946年2月13日に日本政府へ手渡されました。日本側の交渉窓口として活躍したのが、終戦連絡事務局の参与(後に次長)として活動していた白洲次郎です。

白洲はGHQとの折衝で「日本人の手で修正すべきだ」と強く主張し、日本側が複数の修正を加えました。たとえば、GHQ草案にはなかった生存権(第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」)は、帝国議会での審議で日本側が追加したものです。

白洲次郎
白洲次郎

松本草案を見たときは、さすがに愕然とした……。これでは何も変わらない。GHQが動くのも無理はない。

白洲次郎はイギリス・ケンブリッジ大学(クレア・カレッジ)に留学した経験を持つ実業家で、終戦連絡事務局の参与として1945年から活動し、1946年3月には次長に就任してGHQとの窓口を担い続けました。英語に堪能で歯に衣着せぬ物言いが有名です。

■ 帝国議会での審議と公布(1946年11月3日)

GHQ草案をもとにした日本政府案は、大日本帝国憲法の改正手続きに従って第90回帝国議会で審議されました。

衆議院・貴族院での審議を経て1946年10月7日に可決。そして1946年(昭和21年)11月3日に公布、翌年の1947年(昭和22年)5月3日に施行されました。

あゆみ
あゆみ

「公布」と「施行」って、何が違うのかしら?

もぐたろう
もぐたろう

「公布」は「こういう法律ができましたよ」と国民に知らせること。「施行」は「この法律を実際に使い始めますよ」ということだよ。公布から施行までの半年間で、関連する法律の整備が進められたんだ!

【豆知識】公布日の11月3日はかつての「明治節」(明治天皇の誕生日)でした。戦前の日本にとって特別なこの日を選んだのは、旧体制との連続性を示しつつ国民に新憲法を受け入れやすくするためだったともいわれています。ちなみに施行日の5月3日は、現在「憲法記念日」として祝日になっています。

マッカーサーと昭和天皇の会見写真(1945年9月)
マッカーサーと昭和天皇の会見(1945年9月)/出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)

こうして誕生した日本国憲法には、3つの大原則が掲げられています。ここからは、その三大原則を1つずつ見ていきましょう。

三大原則①——国民主権

日本国憲法の三大原則の1つ目が国民主権です。

国民主権とは、国の政治の最終的な決定権が国民にあるということです。日本国憲法の前文には「ここに主権が国民に存することを宣言し」と明記されています。

戦前の大日本帝国憲法では天皇が主権者でしたが、日本国憲法では国民一人ひとりが主権者となりました。国民は選挙を通じて代表者を選び、間接的に政治に参加する仕組みです。

あゆみ
あゆみ

「天皇は象徴」っていうのは、具体的にどういう意味なのかしら?

もぐたろう
もぐたろう

「象徴」というのは、日本という国や国民のまとまりを体現する存在ということだよ。政治的な権力は持たないけれど、日本を代表する「顔」としての役割を果たしているんだ。たとえば外国の要人を迎える国事行為などがそうだね!

天皇は国事行為(内閣総理大臣の任命、国会の召集、法律の公布など)のみを行い、これらはすべて内閣の助言と承認に基づいて行われます。つまり、天皇には実質的な政治判断の権限はありません。

国民主権は、私たちが選挙を通じて政治に参加することで実現される原則です。続いて、三大原則の2つ目である平和主義を見ていきましょう。

三大原則②——平和主義と第9条

三大原則の2つ目が平和主義です。日本国憲法の最大の特徴ともいえるこの原則は、第9条に具体的に規定されています。

■ 第9条の条文(要旨)

第9条 第1項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第9条 第2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない

第9条のポイントは次の3つです。

  • 戦争の放棄:国際紛争を解決する手段として戦争をしない
  • 戦力の不保持:陸海空軍などの戦力を持たない
  • 交戦権の否認:国として戦争をする権利を認めない
ゆうき
ゆうき

でも、日本には自衛隊があるよね?「戦力を持たない」と矛盾しないの?

もぐたろう
もぐたろう

まさにそこが今も議論されているポイントなんだ!政府の見解では、自衛隊は「自衛のための必要最小限度の実力組織」であって、第9条が禁止する「戦力」にはあたらないとされているよ。でも、この解釈をめぐってはずっと論争が続いているんだ。

■ 9条はなぜ生まれたか

第9条の発案者については、今も歴史学者の間で議論が続いています。

有力な説の1つは、幣原喜重郎首相がマッカーサーに「戦争放棄」を提案したというものです。幣原は戦前から協調外交きょうちょうがいこうで知られた人物で、平和主義に強い信念を持っていたとされています。

一方で、マッカーサー自身が発案したという説もあり、真相は確定していません。

■ 現代の9条をめぐる論点

第9条をめぐっては、現在も活発な議論が続いています。主な論点は次のとおりです。

  • 自衛隊の合憲性:自衛隊は「戦力」にあたるか否か
  • 集団的自衛権:2015年に限定的な行使が認められたが、憲法との整合性は
  • 改憲論議:自衛隊を憲法に明記すべきかどうか
  • 日米安保条約との関係:米軍駐留と第9条の整合性
もぐたろう
もぐたろう

テストでは「第9条の3つのポイント(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)」が出やすいから、しっかり覚えておこうね!

平和主義に続いて、三大原則の3つ目である基本的人権の尊重を見ていきましょう。

三大原則③——基本的人権の尊重

三大原則の3つ目が基本的人権の尊重です。

日本国憲法第11条は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」と定めています。これは、国であっても私たちの権利を勝手に奪うことはできないという、非常に強い保障です。

日本国憲法が保障する人権は、大きく次の5つに分類できます。

基本的人権の5分類

  • 自由権:国家から自由でいる権利(表現の自由・信教の自由・身体の自由など)
  • 平等権:法の下に平等であること(第14条)
  • 社会権:人間らしい生活を国に求める権利(生存権・教育を受ける権利・労働基本権
  • 参政権:政治に参加する権利(選挙権・被選挙権)
  • 請求権:権利が侵害されたときに救済を求める権利(裁判を受ける権利など)
ゆうき
ゆうき

自由権と社会権って、どう違うの?

もぐたろう
もぐたろう

自由権は「国家が個人の自由を邪魔するな!」という権利。たとえば「何を言っても逮捕されない」(表現の自由)がそうだね。一方、社会権は「国家が積極的に国民の生活を支えなさい!」という権利。「生活に困ったら国が助けてくれる」(生存権)がその例だよ。方向が真逆なんだ!

■ 三大義務(教育・勤労・納税)

日本国憲法は権利を保障する一方で、国民に3つの義務も課しています。

  • 教育の義務(第26条):子どもに普通教育を受けさせる義務
  • 勤労の義務(第27条):働く義務
  • 納税の義務(第30条):税金を納める義務
もぐたろう
もぐたろう

「三大義務」はテストの定番だよ!「教育・勤労・納税」のセットで覚えておこう。ちなみに「教育の義務」は子ども自身ではなく、保護者が子どもに教育を受けさせる義務だから注意してね!

また、日本国憲法の人権規定で注目すべきなのが、先ほど制定経緯で触れた生存権(第25条)です。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という規定は、GHQ草案にはなく、帝国議会の審議で日本側が追加したものでした。

このように、基本的人権の尊重はGHQによる五大改革の民主化の流れとも深く結びついた、日本国憲法の根幹をなす原則です。

「押しつけ憲法か?」——制定をめぐる論争

日本国憲法をめぐっては、制定から80年近くが経った現在でも「押しつけ憲法か、自主制定か」という論争が続いています。

なぜこの議論が生まれたのか——それは、日本国憲法の制定過程に「GHQが主導した」という事実があるからです。しかし、話はそれほど単純ではありません。

■「押しつけ説」の根拠

「押しつけ説」の根拠①:GHQが起草しわずか9日間で日本側に提示した

GHQ民政局は1946年2月4日からわずか9日間で憲法草案を起草し、2月13日に日本政府に提示しました。日本側が作成した松本案まつもとあんは「改革が不十分」として拒否されています。

「押しつけ説」の根拠②:GHQの占領下で制定されたため「自由な意思」とは言えない

当時の日本はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下にあり、最終決定権はマッカーサーにありました。こうした状況下で作られた憲法は「真に自主的」とは言えないのではないか——というのが押しつけ説の論拠です。

■「自主制定説」の根拠

「自主制定説」の根拠①:日本側が修正を重ね、人権規定を充実させた

GHQ草案はそのまま憲法になったわけではありません。日本政府は草案を翻訳・検討したうえで独自の修正を加え、帝国議会で約4か月にわたり審議しました。たとえば生存権(第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」)はGHQ草案にはなく、帝国議会の審議で日本側が追加したものです。

「自主制定説」の根拠②:帝国議会で正式な手続きを経て可決された

日本国憲法は第90回帝国議会において衆議院・貴族院の両院で審議・可決されており、大日本帝国憲法の改正手続き(第73条)に則った合法的な手続きを経ています。形式上は「天皇が裁可し公布した」ものであり、法的にも有効な手続きでした。

■ 白洲次郎と憲法制定の舞台裏

GHQとの交渉で実務を担ったのが白洲次郎しらすじろうです。白洲は終戦連絡事務局の参与(1946年3月からは次長)として、GHQとの折衝の最前線に立ちました。

白洲はGHQ草案を受け取った際、その内容に衝撃を受けたとされています。しかし同時に、新しい憲法の理念そのものには一定の理解を示したとも伝えられています。

白洲次郎
白洲次郎

GHQに頭を下げるのは悔しい……。だが、この憲法には守る価値がある。日本人の手で、よりよいものに仕上げるのが我々の仕事だ。

■ 現在の学術的な評価

現在の歴史学・憲法学では、「一方的な押しつけ」とも「純粋な自主制定」とも言い切れないというのが多数説です。

GHQが草案の原型を作成したのは事実ですが、日本側も帝国議会で修正を加え、GHQ草案にはなかった条文(生存権など)を独自に盛り込んでいます。「主導はGHQ、仕上げは日本」というのが実態に近いと言えるでしょう。

あゆみ
あゆみ

つまり「押しつけ」か「自主」かの二択で語るのは、ちょっと乱暴なのね。

もぐたろう
もぐたろう

そのとおり!大事なのは「誰が作ったか」よりも「その内容が国民にとって良いものかどうか」という視点だね。制定から80年近く、日本国憲法は一度も改正されていない——それ自体が、この憲法が日本社会に受け入れられてきた証拠とも言えるんだよ。

テストに出るポイント

日本国憲法はテストで非常によく出題されるテーマです。ここまでの内容から、特に覚えておきたいポイントを整理しましょう。

テストに出やすいポイント
  • 公布日:1946年(昭和21年)11月3日(現在の文化の日)
  • 施行日:1947年(昭和22年)5月3日(憲法記念日)
  • 三大原則:国民主権・平和主義・基本的人権の尊重
  • 第9条の3つのポイント:戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認
  • 大日本帝国憲法との最大の違い:天皇主権→国民主権、天皇は「象徴」へ
  • 三大義務:教育・勤労・納税
  • GHQ草案起草期間:わずか9日間(1946年2月4〜12日)
  • 憲法改正の要件:衆参各議院総議員の3分の2以上の賛成+国民投票で過半数(第96条)
ゆうき
ゆうき

公布日と施行日がよくごっちゃになるんだけど……覚え方ってある?

もぐたろう
もぐたろう

「公布は文化の日(11月3日)、施行は憲法記念日(5月3日)」——この祝日とセットで覚えるのがおすすめだよ!どちらも現在の祝日と直結しているから、関連づけると忘れにくいんだ。

公布日の11月3日はもともと明治天皇の誕生日(明治節)でした。日本側はこの日を選ぶことで、「旧憲法(大日本帝国憲法)の精神を引き継ぐ」というメッセージを込めたとも言われています。

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①憲法を「読みたい」と思ったなら|池上彰が全103条をやさしく超訳

超訳 日本国憲法

池上 彰 著|新潮社

よくある質問(FAQ)

1946年(昭和21年)11月3日に公布され、翌1947年(昭和22年)5月3日に施行されました。公布日の11月3日は現在の「文化の日」、施行日の5月3日は「憲法記念日」として祝日になっています。

国民主権・平和主義・基本的人権の尊重の3つです。国民主権は政治の最終決定権が国民にあること、平和主義は第9条で戦争を放棄すること、基本的人権の尊重は個人の権利が「侵すことのできない永久の権利」として保障されることを意味します。

GHQが主導して草案を起草したのは事実ですが、日本政府側も帝国議会で約4か月にわたり審議・修正を行い、生存権(第25条)など独自の条文を追加しています。「一方的な押しつけ」とも「純粋な自主制定」とも言い切れない、というのが現在の多数説です。

最大の違いは「主権の所在」です。大日本帝国憲法は天皇主権(天皇が統治権を総攬)でしたが、日本国憲法では主権が国民にあることが前文と第1条で明記されています。天皇の地位も「統治権の総攬者」から「日本国の象徴」へと根本的に変わりました。

第二次世界大戦の惨禍を経験した日本が「二度と戦争をしない」という誓いを最高法規として明文化するためです。発案者については幣原喜重郎首相説とマッカーサー説があり、確定していません。マッカーサー三原則の1つ「戦争放棄」がベースとなっています。

第96条に規定されています。まず衆参各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し、その後に国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。普通の法律(過半数で成立)より改正のハードルが高いため「硬性憲法」と呼ばれます。日本国憲法は制定以来、一度も改正されていません。

まとめ

ここまで、日本国憲法の制定経緯・三大原則・大日本帝国憲法との違い・「押しつけ憲法」論争まで、一気に解説してきました。最後にポイントを整理しましょう。

日本国憲法のポイントまとめ
  • 1946年11月3日公布・1947年5月3日施行。戦後日本の最高法規
  • GHQ主導で草案を作成(わずか9日間)。日本側も帝国議会で修正を加えた
  • 三大原則:国民主権・平和主義(第9条)・基本的人権の尊重
  • 大日本帝国憲法からの大転換:天皇主権→国民主権、天皇は「象徴」へ
  • 「押しつけ憲法か否か」は半分正解・半分は違う(日本側も主体的に関与)
  • 三大義務:教育・勤労・納税
  • 憲法改正には衆参各3分の2以上+国民投票の過半数が必要(硬性憲法)

日本国憲法 制定の年表
  • 1945年8月
    ポツダム宣言受諾・終戦
    日本が連合国のポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦が終結。GHQによる占領統治が始まる
  • 1945年10月
    松本委員会発足
    憲法改正調査委員会(松本委員会)が設置される。大日本帝国憲法の小幅改正を検討
  • 1946年2月
    GHQが9日間で草案を起草
    GHQ民政局がマッカーサー三原則に基づき、2月4〜12日のわずか9日間で憲法草案を作成
  • 1946年2月13日
    GHQ草案を日本政府に提示
    松本案を拒否し、GHQ草案を日本側に手渡す。白洲次郎らが交渉に当たる
  • 1946年3月
    日本政府が修正・憲法改正草案要綱を発表
    GHQ草案を翻訳・修正し、日本語の憲法改正草案を作成。帝国議会に提出
  • 1946年6〜10月
    帝国議会で審議・修正・可決
    第90回帝国議会で衆議院・貴族院が審議。生存権(第25条)などを追加し、10月7日に可決
  • 1946年11月3日
    日本国憲法 公布
    明治節(現在の文化の日)に日本国憲法が公布される
  • 1947年5月3日
    日本国憲法 施行
    半年間の準備期間を経て施行。この日が「憲法記念日」となる

もぐたろう
もぐたろう

以上、日本国憲法のまとめでした!GHQ草案がたった9日間で作られたこと、公布日が明治天皇の誕生日(明治節)に合わせて選ばれたことなど、意外なポイントが多い憲法の制定史。下の記事で五大改革サンフランシスコ平和条約もあわせて読んでみてください!

最終確認:2026年4月 / 参照:山川出版『詳説日本史』(2022年版)

参考文献

Wikipedia日本語版「日本国憲法」(2026年4月確認)https://ja.wikipedia.org/wiki/日本国憲法
Wikipedia日本語版「日本国憲法の制定過程」(2026年4月確認)
Wikipedia日本語版「白洲次郎」(2026年4月確認)https://ja.wikipedia.org/wiki/白洲次郎
国立国会図書館「日本国憲法の誕生」https://www.ndl.go.jp/constitution/
コトバンク「日本国憲法」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
山川出版社『詳説日本史』(2022年版)
e-Gov法令検索「日本国憲法」https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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