人身の自由(身体の自由)とは?罪刑法定主義・令状主義・被告人の権利をわかりやすく解説

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人身の自由

もぐたろう
もぐたろう

今回は人身の自由(身体の自由)について、罪刑法定主義・令状主義・被告人の権利まで、わかりやすく丁寧に解説していくよ!高校の政治経済・公共の試験勉強にも役立つ内容だから、ぜひ最後まで読んでいってね。

📚 この記事のレベル:高校公共 / 政治経済
🎯 共通テスト対応

この記事を読んでわかること
  • 人身の自由=身体の自由(2つが同義語である理由)
  • 罪刑法定主義(憲法31条)の意味と派生する3原則
  • 令状主義(憲法33〜35条)の仕組みと現行犯逮捕の例外
  • 被告人の権利(37〜39条):黙秘権・二重の危険禁止など
  • テストに出る条文番号と重要キーワードの整理

実は、日本国憲法が人身の自由についてだけ、世界でも類を見ないほど細かく条文を並べているのを知っていますか?憲法18条から39条まで——実に9つもの条文が、この一つの権利のために割かれています。その理由は、戦前の日本で国民の体が理不尽に拘束され、拷問まで行われていた歴史への強烈な反省にほかなりません。

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人身の自由(身体の自由)とは?

3行でわかるまとめ
  • 人身の自由(身体の自由)とは、国家から不当に身体を拘束・侵害されない権利のこと
  • 「人身の自由」と「身体の自由」は同じ意味——教科書によって表現が違うだけで内容は同一
  • 日本国憲法18条・31〜39条で詳細に保障。戦前の治安維持法・拷問への反省が背景にある

人身の自由じんしんのじゆうとは、国家から不当に身体を拘束・侵害されない権利のことです。日本国憲法が保障する基本的人権の一つ「自由権」の中に位置づけられており、精神の自由・経済活動の自由とともに自由権の三本柱を構成します。

「自由権」とは、国家が不当に個人の自由を侵害することを禁じる権利の総称です。その中でも人身の自由は「身体そのもの」を守る権利であり、精神の自由や経済活動の自由を行使するための前提条件ともいえます。どれほど思想の自由があっても、身体が拘束されていれば行動できないからです。

日本国憲法では、人身の自由に関する条文が18条・31条から39条にかけて、9か条にもわたって細かく規定されています。これほど多くの条文が一つの権利のために用意されているのは、世界の憲法の中でも異例のことです。

ゆうき
ゆうき

人身の自由って、身体の自由と何が違うの?テスト前なんだけど、区別して答えられるか不安で…

もぐたろう
もぐたろう

実はこれ、全く同じ意味だよ!「人身の自由」は憲法学の学術的な用語で、「身体の自由」は一般的な言い方なんだ。どちらも「国家から不当に体の自由を奪われない権利」を指しているから、「人身の自由=身体の自由」でイコールで覚えておけばOK。教科書によって書き方が違うだけで、試験でどちらが出ても同じことを答えればバッチリだよ!

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なぜ憲法で人身の自由を保障するの?

日本国憲法の前身にあたる大日本帝国憲法(明治憲法)では、人身の自由の保障は極めて不十分でした。明治憲法でも「法律ノ定ムル場合ヲ除ク外、逮捕ニ処セラレス」(23条)と身体の自由を定めていましたが、「法律の定める場合を除く」という但し書きがあったため、治安維持法のような法律を作ることで自由を簡単に制限できたのです。

特に問題となったのが、1925年(大正14年)に制定された治安維持法ちあんいじほうです。この法律は、「天皇制を否定する思想」や「私有財産制度を否定する思想」を持つだけで逮捕・拘禁することを認めるものでした。思想を持つだけで処罰できるという、今では考えられない内容だったのです。

特高警察とっこうけいさつ(特別高等警察)による拷問は日常的に行われ、被疑者が自白するまで激しい暴行を受けることもありました。無実の人が証拠もなく長期間拘束され、拷問によって引き出した自白が「証拠」として採用される——そんな時代が長く続いたのです。

あゆみ
あゆみ

日本って昔、そんなひどいことをしていたんですか?正当な理由もなく逮捕したり、拷問したりって…信じられないんですけど。

もぐたろう
もぐたろう

残念ながら事実なんだよ。戦前の日本では「危険な思想を持っている」という疑いだけで逮捕でき、自白するまで拷問されるケースもあったんだ。だからこそ日本国憲法は、そういうことが二度と起きないよう、人身の自由をこれでもかというくらい細かく条文で保障したわけなんだよ。

具体的な事例を一つ挙げると、1933年に作家の小林多喜二こばやしたきじが治安維持法違反の容疑で逮捕され、特高警察による拷問で同日死亡しました。当時の当局は「心臓麻痺」と発表しましたが、拷問による死亡であることが後に明らかになっています。このような出来事が、日本国憲法に36条「拷問の絶対禁止」が盛り込まれた背景にあります。

こうした歴史的な反省を踏まえ、日本国憲法は人身の自由に関する規定を非常に詳細に設けました。「もう二度と繰り返さない」という強い意思が、憲法の条文一つひとつに込められているのです。

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憲法18条:奴隷的拘束・苦役からの自由

憲法18条は、「何人も、いかなる奴隷的拘束どれいてきこうそくも受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役くえきに服させられない」と定めています。人身の自由全体の「総則規定」として位置づけられる条文です。

奴隷的拘束とは、人を財産・道具のように扱い、その意思の自由を根本的に奪うような拘束のことです。苦役とは、本人の意思に反して強制される肉体的な労働を指します。歴史的には、植民地支配下での強制労働や人身売買のような状態がこれに該当します。

現代では、人身売買(trafficking)によって強制的に働かせることや、多額の借金を理由に抜け出せない状況で労働させること(債務労働)なども18条が禁止する「奴隷的拘束」に当たります。日本でも外国人技能実習制度に関する問題が指摘されてきた背景に、この条文があります。

📌 例外ルール:「犯罪に因る処罰の場合を除いては」という文言に注目。拘禁刑(2025年6月施行の刑法改正前は懲役・禁錮)など、刑事手続を経て正式に科される自由刑は18条に違反しない。「法的に定められた刑事罰としての拘束」は憲法が許容している

もぐたろう
もぐたろう

テストでよく出るのが「意に反する」というキーワードだよ!ボランティアや自分が希望した労働は「苦役」には当たらないんだ。本人の意思に反して「強制されるかどうか」が判断のポイントになるよ。

憲法31条:適正手続の保障(罪刑法定主義)

憲法31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と定めています。ここから罪刑法定主義ざいけいほうていしゅぎと呼ばれる原則が導かれます。

罪刑法定主義とは、「あらかじめ法律で定められた行為しか犯罪にできず、法律で定められた刑罰しか科せられない」という原則です。国家が法律なしに人を処罰することを禁止し、市民の自由と予測可能性を守る役割を果たします。

なお、31条が保障するのは「実体(内容)の法定」だけでなく「手続の法定」も含みます。つまり、何が犯罪で何が刑罰かを法律で定めること(実体的法定)に加えて、どのような手続きを経なければ刑罰を科せないかも法律で定めなければならない(手続的法定)というわけです。この意味で、31条は「適正手続てきせいてつづきの保障」とも呼ばれます。

ゆうき
ゆうき

罪刑法定主義って名前が難しそうだけど、どういう意味なの?

もぐたろう
もぐたろう

簡単にいうと、「前もって法律に書いてある行為しか犯罪にできない」ってことだよ!たとえば今日急に「今日から〇〇をしたら懲役1年」なんて法律を作って、昨日の行為に適用することはできないんだ。ラテン語の格言「法律なければ犯罪なし、法律なければ刑罰なし」が由来で、国家の恣意的な処罰から市民を守る大切なルールなんだよ。

■罪刑法定主義から生まれた3つの原則

罪刑法定主義が求める「法定」には2つの側面があります。まず「何が犯罪で何が刑罰か」を法律に書くこと(実体的法定)。そして「どんな手続きで処罰するか」も法律に書くこと(手続的法定)です。前述の治安維持法のような曖昧な罪状での逮捕を防ぐために、これらが明文化されました。

罪刑法定主義からは、さらに3つの重要な派生原則が生まれます。いずれも共通テスト・政治経済の試験で頻出のポイントです。

  • 慣習刑法の排除かんしゅうけいほうのはいじょ:法律(成文法)に書かれていない慣習や判例だけを根拠として、刑罰を科すことはできない。「法律に書かれていなければ犯罪にならない」ということ。昔から「こういう行為は悪い」という慣習があっても、法律に明記されていない限り処罰できない
  • 遡及処罰の禁止そきゅうしょばつのきんし:ある行為を犯罪と定める法律が制定される前の行為に、さかのぼって刑罰を科すことはできない(「事後法の禁止」ともいう)。たとえば「今日から〇〇は犯罪」という法律が施行されても、昨日までの行為には適用できない
  • 類推解釈の禁止るいすいかいしゃくのきんし:法律で定められた犯罪に「似ている行為だから」という理由だけで、類推(アナロジー)を使って犯罪として処罰することはできない。刑法の解釈は拡大せず厳格に行わなければならない

なお、31条は刑事手続だけでなく、行政手続にも適用されると最高裁判所は解釈しています(1992年の成田新法事件)。法的な手続の公正さを広く保障する原則として機能しているのです。

もぐたろう
もぐたろう

テストではこの3原則の名前と意味をセットで押さえておこう!特に「遡及処罰の禁止」は共通テストや政治経済の試験でよく出るポイントだよ。「事後法の禁止」とも呼ばれることも一緒に覚えておいてね。

憲法33〜35条:逮捕・捜索押収の要件(令状主義)

令状主義れいじょうしゅぎとは、逮捕・捜索・差し押さえを行うときには、あらかじめ裁判官が発行した令状れいじょうが必要だという原則です。令状とは、今でいえば「逮捕・捜索の許可証」のようなもの——国家権力が市民の身体や住居に踏み込む前に、中立的な第三者である裁判官が「本当に必要か」を審査することで、権力の乱用を防ぐ仕組みです。

憲法33条は逮捕の要件を定めています。原則として、裁判官が発行した逮捕状たいほじょうがなければ人を逮捕できません。ただし一つだけ例外があり、現行犯(犯罪を犯している最中、または犯した直後)の場合は令状なしで逮捕できます。犯行が明らかで証拠隠滅の恐れが少ないため、例外として認められているのです。

憲法34条は、逮捕後の抑留・拘禁の要件を定めています。「何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない」という条文です。逮捕された人には「なぜ逮捕されたか」を告知する義務があり、弁護人べんごにんを依頼する権利(弁護人依頼権)が保障されています。

憲法35条は、住居・書類・所持品の捜索・押収の要件を定めています。33条と同様に、令状がなければ家宅捜索や証拠の押収はできません。警察が「怪しい」と思っただけで家の中を調べることは許されないのです。

📌 被疑者と被告人の違い:逮捕〜起訴前を被疑者(一般には「容疑者」と呼ばれる)、起訴(正式に裁判にかけられること)後を被告人という。どちらも有罪が確定するまでは「無実」と推定される(無罪推定の原則)

ゆうき
ゆうき

令状がないと逮捕できないのはわかったけど、現行犯はなんで例外なの?逮捕状を取りに行く時間がないから?

もぐたろう
もぐたろう

その通り!現行犯は犯行の事実が一目でわかるから、第三者(裁判官)が事前に審査する必要がないんだ。しかも逃げられたら困るから、令状なしでその場で逮捕できるようにしているんだよ。反対に現行犯以外の逮捕は、まず警察が証拠を集めて裁判官に令状を申請し、「確かに根拠がある」と判断されてからでないと動けないってことだね。

憲法36条:拷問の禁止

憲法36条は、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる」と定めています。この条文には、日本国憲法の中でも珍しい言葉が使われています——それが「絶対に」という表現です。

日本国憲法のほとんどの条文は「〜してはならない」「〜によらなければ〜できない」という形で、状況によっては例外が認められる余地を残しています。ところが36条だけは「絶対に」と明記しており、戦争・緊急事態・テロなどいかなる状況においても、拷問と残虐な刑罰は一切許容されません。これを絶対的禁止ぜったいてききんしといいます。

なぜここまで強い表現が必要だったのでしょうか。前の章でも触れた通り、戦前の特高警察とっこうけいさつによる拷問は実際に行われており、無実の人が拷問によって引き出された自白で有罪にされるという事件が数多くありました。憲法制定者たちは、どんな理由があっても絶対に繰り返させないという決意を「絶対に」という2文字に込めたのです。

あゆみ
あゆみ

「絶対に」ってわざわざ書く意味があるんですか?他の権利の条文と何が違うんでしょう。

もぐたろう
もぐたろう

大きな違いがあるよ!表現の自由など他の権利は「公共の福祉」を理由に法律で制限できる場合があるんだ。でも36条だけは例外なし——テロから国を守るためであっても、拷問を使うことは憲法上絶対に許されない。「絶対に」という言葉はその意思を示しているんだよ。だからテストでも「36条は他の条文と違って絶対的禁止である」という問い方でよく出るからしっかり覚えておこう!

憲法37〜39条:被告人の権利

逮捕・捜索の段階(被疑者)だけでなく、正式に裁判にかけられた後(被告人)も、憲法はしっかりと権利を保障しています。37条・38条・39条が被告人の権利を規定しており、これらは「不公正な裁判によって無実の人が有罪にされる」ことを防ぐための仕組みです。

■公平・迅速・公開の裁判を受ける権利(37条)

憲法37条は、刑事事件の被告人に対して「公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利」を保障しています。キーワードは「公平・迅速・公開」の3つです。

  • 公平な裁判所:一方の当事者(検察)だけに都合のよい構成の裁判所ではなく、中立な立場で審理する裁判所でなければならない
  • 迅速な裁判:不必要に長期間にわたって被告人を宙吊り状態にしてはならない。裁判の不当な遅延それ自体が被告人への「制裁」になりうる
  • 公開の裁判:原則として傍聴が認められる形で裁判を行う。非公開の密室裁判は原則として許されない

また37条には、被告人が自己のために証人しょうにんを申請し審問する権利(証人審問権)と、国選弁護人を含む弁護人を依頼する権利も規定されています。お金がない人でも弁護士に守ってもらえるよう、国が費用を負担する国選弁護制度こくせんべんごせいどはここから生まれています。

■黙秘権・自白強要の禁止(38条)

憲法38条は、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」と定めています。これが黙秘権もくひけんの根拠です。警察や検察から「〇〇だったのではないか」と質問されても、答えたくなければ答えなくてよい——これが黙秘権です。

さらに38条は、強制・拷問・脅迫によって得られた自白、または不当に長く抑留・拘禁された後に得られた自白は「証拠とすることができない」と明記しています(38条2項)。そして最も重要なポイントとして、本人の自白だけを唯一の証拠として有罪にすることは許されません(38条3項)。他の証拠が伴わない限り、自白のみで有罪判決を下すことは憲法違反となります。

あゆみ
あゆみ

黙秘権って実際に使っていいんですか?使ったらかえって「怪しい」と思われそうで不安なんですけど…。

もぐたろう
もぐたろう

大丈夫、使っていいんだよ!黙秘権を行使したことを理由に不利益を与えることは、原則として憲法違反なんだ。裁判でも「黙秘したから怪しい」という理由だけで有罪にすることはできない。「自分が不利になるかもしれない話を強制的にさせない」ための保護だから、弁護士が来るまで何も言わないという選択は、法的に認められた正当な権利行使なんだよ。

■二重の危険の禁止(39条)

憲法39条は、「何人も、実行の時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない」と定めています。これを二重の危険の禁止にじゅうのきけんのきんしといいます。

具体的には2つの原則を含んでいます。一つ目は、一度無罪が確定した行為について、再び同じ罪で刑事訴追されないという原則です。無罪判決が出た後、検察が「やっぱりあの人が犯人だった」と思い直しても、同じ件で再度裁判にかけることはできません。二つ目は、実行したときに法律で犯罪とされていなかった行為に、後から制定された法律を遡って適用して処罰することはできないという原則(遡及処罰の禁止)です。

「二重の危険」という名前は、同じ人を同じ犯罪について何度も裁判にかけることが「2度目の危険にさらす」ことになる、という意味から来ています。確定した法的判断を覆し続けることを禁じることで、被告人の法的安定性を守る役割を果たしています。

もぐたろう
もぐたろう

39条のポイントは「無罪が確定した後は再訴追できない」という点!刑事裁判は国家vs個人の戦いだから、国家側(検察)が何度もやり直せるようにしたら個人は永遠に戦い続けなければならなくなる。だから「無罪確定で試合終了」というルールを憲法で保障しているわけだよ。

テストに出るポイント

ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。人身の自由は条文数が多いため、「どの条文が何を保障しているか」をセットで覚えることが攻略の鍵です。試験直前の見直しにも活用してください。

テストに出やすいポイント
  • 31条(罪刑法定主義):「法律なければ犯罪なし・刑罰なし」。慣習刑法の排除・遡及処罰の禁止・類推解釈の禁止の3派生原則も頻出
  • 33条(令状主義):現行犯逮捕を除き、裁判官の令状が必要。「現行犯は令状不要」が最頻出論点
  • 34条(弁護人依頼権):逮捕直後から弁護人に依頼できる。理由告知義務もセットで覚える
  • 36条(拷問・残虐刑罰の絶対禁止):「絶対に」という表現が他の条文と異なる唯一の絶対的禁止。例外が一切ない
  • 38条(黙秘権・自白の証拠能力制限):自白のみでは有罪にできない。強制自白は証拠として使えない
  • 39条(二重の危険禁止):無罪確定後に同一の行為で再度訴追されない。遡及処罰の禁止も含む

📌 比較問題でよく出るポイント:①36条のみ絶対的禁止(他の条文は例外が認められる場合がある)②被疑者 vs 被告人(起訴前=被疑者、起訴後=被告人)③黙秘権は38条1項・強制自白禁止は38条2項・自白のみで有罪不可は38条3項(同じ38条でも内容が細分されている)

条文保障内容キーワード
18条奴隷的拘束・意に反する苦役の禁止意に反する・苦役
31条法律の定める手続によらなければ刑罰を科せられない(罪刑法定主義・適正手続)法律なければ犯罪なし
33条逮捕の要件(現行犯を除き令状が必要)逮捕状・現行犯例外
34条逮捕理由の告知義務・弁護人依頼権理由を直ちに・弁護人
35条住居・書類・所持品の捜索・押収の要件(令状主義)家宅捜索・令状
36条公務員による拷問・残虐な刑罰の絶対禁止絶対に・例外なし
37条公平・迅速・公開の裁判を受ける権利・証人審問権・弁護人依頼権公平・迅速・公開
38条黙秘権・強制自白の証拠能力制限・自白のみでは有罪不可黙秘権・自白
39条二重の危険禁止・遡及処罰の禁止無罪確定後の再訴追禁止

ゆうき
ゆうき

条文が多くて全部覚えられるか不安…。テストで一番狙われやすいのはどれですか?

もぐたろう
もぐたろう

優先度トップは31条・36条・38条の3つ!31条は「法律なければ犯罪なし」という罪刑法定主義の根拠、36条は「絶対に」という表現が他の条文と違う唯一の絶対的禁止、38条は黙秘権と「自白だけでは有罪にできない」という組み合わせで頻繁に出るよ。上の表で条文番号と内容をセット暗記しておこう!

人身の自由をもっと深く理解したい人へ

もぐたろう
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人身の自由や憲法の仕組みをもっと詳しく知りたい人に、わかりやすい入門書を2冊紹介するよ!高校生から大人まで読みやすい本を選んだので、ぜひ手に取ってみてね。

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②身近な話題から憲法を考えたい人に|ニュースでわかる憲法

池上彰の憲法入門

池上彰 著|筑摩書房

よくある質問

違いはありません。どちらも「国家から不当に身体を拘束・侵害されない権利」を指しており、同義語です。「人身の自由」は憲法学で使われる学術的な用語、「身体の自由」は一般的な表現で、教科書によって使う言葉が異なるだけです。試験では「人身の自由=身体の自由」とイコールで理解しておけば問題ありません。

「あらかじめ法律で定められた行為しか犯罪にできず、法律で定められた刑罰しか科せられない」という原則です(憲法31条)。「法律なければ犯罪なし、法律なければ刑罰なし」が由来で、国家が恣意的に市民を処罰することを禁止します。派生原則として、慣習刑法の排除・遡及処罰の禁止・類推解釈の禁止の3つがあります。

逮捕・捜索・差し押さえを行う際には、あらかじめ裁判官が発行した令状(許可証)が必要だという制度です(憲法33〜35条)。中立的な第三者である裁判官に審査させることで、警察・検察の恣意的な逮捕や家宅捜索を防ぐ目的があります。例外は現行犯逮捕のみで、犯行が明らかな場合は令状なしで逮捕できます。

警察・検察の取調べや裁判の場面で使えます。黙秘権とは自己に不利益な供述を強要されない権利(憲法38条1項)で、質問に答えたくない場合は答えを拒否できます。黙秘権を行使したことを理由に不利益を与えることは原則禁止されており、強制・脅迫による自白は証拠として使えません(38条2項)。

戦前の日本で特高警察による拷問が日常的に行われ、無実の人が拷問で得られた自白によって有罪にされた歴史への反省から、憲法36条は「絶対に」という表現で禁止を明記しました。他の権利は公共の福祉を理由に法律で制限できる場合がありますが、拷問の禁止だけはいかなる状況においても例外なく守られなければなりません(絶対的禁止)。

同一の行為について無罪が確定した後、再び同じ罪で刑事訴追されないという原則です(憲法39条)。無罪判決が確定した事件を再度裁判にかけることは許されません。また、行為時に法律で犯罪でなかった行為を後から作った法律で遡って処罰することも禁じています(遡及処罰の禁止)。

まとめ:人身の自由とは何か

人身の自由のポイントまとめ
  • 人身の自由=身体の自由(同義語):憲法18条・31〜39条で保障。戦前の治安維持法・拷問への反省が背景にある
  • 18条:奴隷的拘束・意に反する苦役の禁止(「意に反する」がキーワード)
  • 31条(罪刑法定主義):法律なければ犯罪なし。慣習刑法の排除・遡及処罰禁止・類推解釈禁止が派生
  • 33〜35条(令状主義):逮捕・捜索には裁判官の令状が必要。現行犯のみ例外
  • 36条:拷問・残虐な刑罰の「絶対的禁止」。「絶対に」という文言は憲法中で唯一
  • 37〜39条(被告人の権利):公平・迅速・公開の裁判、黙秘権(自白強要禁止)、二重の危険禁止

もぐたろう
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以上、人身の自由(身体の自由)のまとめでした!罪刑法定主義・令状主義・被告人の権利、それぞれどの条文が対応するかをセットで押さえておこう。戦前の歴史への反省から生まれた権利だということを理解しておくと、条文の内容もずっと覚えやすくなるよ。下の関連記事もあわせて読んでみてください!

📅 最終確認:2026年7月 / 参照:山川出版社『詳説政治・経済』(2022年版)

参考文献

Wikipedia日本語版「人身の自由」「罪刑法定主義」「令状主義」「黙秘権」「二重の危険」(2026年7月確認)
コトバンク「罪刑法定主義」「令状主義」「黙秘権」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)(2026年7月確認)
山川出版社『詳説政治・経済』
文部科学省 高等学校学習指導要領解説「公共」(2022年度版)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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