ピタゴラスとは何者か?定理だけじゃない!数学者にして宗教指導者の謎多き生涯をわかりやすく解説

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ピタゴラス

もぐたろう
もぐたろう

今回は古代ギリシアの思想家・ピタゴラスについて、わかりやすく丁寧に解説していくよ!「ピタゴラスの定理」で有名だけど、実は数学者というより宗教指導者だったって知ってた?謎多き生涯と教団の話、一緒に見ていこう!

📚 この記事のレベル:高校世界史
📖 山川出版社『詳説世界史』準拠
🎯 共通テスト・大学受験対応

この記事を読んでわかること
  • ピタゴラスとは何者か(数学者?哲学者?宗教指導者?)
  • ピタゴラスが生きた時代(古代ギリシア・ポリスの時代背景)
  • ピタゴラス教団の謎(奇妙なルール・入団条件・財産没収)
  • ピタゴラスの定理の真相(バビロニアが1000年前に先行発見していた?)
  • ピタゴラスの功績(数・音楽・「コスモス」命名・哲学)
  • 高校世界史の試験ポイント(共通テスト・定期テスト対応)

実は、ピタゴラスは数学の教科書に載る「定理の発見者」である前に、強烈な宗教信念を持つ哲学者・宗教指導者でした。著作は1冊も残っておらず、「ピタゴラスの定理」ですら弟子たちとの共同成果だった可能性が高い——そんな謎多き思想家の実像を、今回は徹底的に掘り下げていきます。

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ピタゴラスとは?

3行でわかるピタゴラスまとめ
  • 前570年頃、エーゲ海に浮かぶサモス島で生まれた古代ギリシアの哲学者・数学者・宗教指導者。
  • 「ピタゴラスの定理(a²+b²=c²)」の発見・体系化、「万物の根源は数」という思想、ピタゴラス教団の創設などで知られる。
  • 著作は1冊も残っておらず、現代の研究では「数学者というより宗教指導者」という評価が主流になっている。

あゆみ
あゆみ

ピタゴラスの定理って中学数学で習ったけど、本人ってどんな人だったの?

もぐたろう
もぐたろう

実はピタゴラスって、数学者でもあるんだけど、それ以上に「宗教指導者・思想家」としての顔がめちゃくちゃ大きいんだ!「数に神秘的な力がある」って信じて、自分を中心とした秘密結社(教団)まで作っちゃってるんだよ。

ピタゴラス(前570年頃〜前495年頃)は、古代ギリシアのエーゲ海に浮かぶサモス島に生まれた思想家です。哲学・数学・音楽理論・天文学と幅広い分野で活動しましたが、彼自身の著作は一切残っていません。後世に伝わるピタゴラスの言葉や業績は、すべて弟子や後代の人々が記録したものです。

現代の私たちにとって最も馴染み深いのは「ピタゴラスの定理」ですが、ピタゴラス本人の活動の核心は「数に宇宙の真理が宿っている」という宗教哲学でした。前530年頃に南イタリアのクロトンに移住してから設立したピタゴラス教団は、宗教・哲学・数学を一体化した独自の共同体として、当時の地中海世界に大きな影響を与えました。

ピタゴラスの肖像(ラファエロ「アテネの学堂」より)
ピタゴラスの肖像 出典:Wikimedia Commons(パブリックドメイン)ラファエロ「アテネの学堂」より

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ピタゴラスが生きた時代——古代ギリシア・ポリスの世界

ピタゴラスが活躍したのは、紀元前6世紀から前5世紀にかけての古代ギリシア世界です。この時代、ギリシアは統一国家ではなく、数百のポリス(城市国家)に分かれていました。アテネやスパルタなど個性豊かな都市国家が地中海沿岸に点在し、それぞれが独自の政治・文化・軍事を持っていた時代です。

ピタゴラスの故郷であるサモス島は、イオニア地方(現在のトルコ西海岸)の近くに浮かぶエーゲ海の島です。この時代のイオニア地方は、東方(ペルシア・エジプト・バビロニア)と西方(ギリシア本土)の文明が交差する「知の十字路」でした。タレスやアナクシマンドロスらがここで自然哲学を展開したのも、こうした地理的条件があったからです。

もぐたろう
もぐたろう

ポリスっていうのは、今でいう「独立した都市国家」のこと。日本でいえば、戦国時代に各地に大名がいたイメージに近いよ!同じ「ギリシア人」でも、アテネとスパルタでは政治制度も文化も全然違ったんだ。

📌 イオニア自然哲学とは? 前6世紀にイオニア地方で生まれた「世界の根本原理は何か」を探求する学問。「万物の根源は水」と唱えたタレス(厳密にはミレトス出身)がその先駆けとされる。ピタゴラスは「根源は数」と主張してこの流れを継ぎながらも、宗教的・神秘的な方向へと展開させた。

ゆうき
ゆうき

世界史の教科書にピタゴラスが出てきたんだけど、数学者なの?哲学者なの?どっちなんだろう?

もぐたろう
もぐたろう

正解は「両方!」だよ。数学者・哲学者・宗教指導者の3つの顔を持つのがピタゴラスの特徴なんだ。しかも「哲学者(フィロソフォス)」——つまり「知恵を愛する者」という言葉を最初に使ったのも、ピタゴラスだといわれているんだよ!

前6世紀のギリシア世界は、まさに「知の爆発」が起きていた時代でもありました。ペルシア戦争はまだ始まっておらず、各ポリスが独自に発展を遂げる中、思想家たちは「この宇宙はどうできているのか」という根本的な問いに挑んでいました。ピタゴラスはそのような時代の空気を存分に吸いながら、東方への旅に出ることになります。

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真理を求めた旅——エジプト・バビロニアへ

ピタゴラスはサモス島で生まれた後、若くして各地を旅したとされています。当時の「知の世界」では、エジプトとバビロニアが数千年の歴史を持つ先進文明として圧倒的な知識を蓄えていました。ピタゴラスはそこへ自ら赴き、直接学んだのです。

エジプトでは、神官しんかんたちから幾何学・天文学・神秘思想を吸収したと伝えられています。当時のエジプト神官は「知識の番人」であり、神殿の建設や農地測量に使われる精緻な幾何学知識を独占的に保持していました。ピタゴラスはこうした知識に触れながら、「数と形には神聖な秩序が宿っている」という確信を深めていきます。

ピタゴラス
ピタゴラス

数はただの記号じゃない。宇宙そのものの言葉なんだ!

その後、ピタゴラスはバビロニア(現在のイラク周辺)へも渡ったとされています。バビロニア文明はすでに紀元前2000年頃から高度な数学体系を持ち、60進法(現代の時計や角度の単位に残っています)や二次方程式の解法まで知っていました。このバビロニア数学との出会いが、後の「ピタゴラスの定理」に深く関わってくることになります。

📌 バビロニア数学のすごさ 紀元前1800年頃に作られた粘土板「プリンプトン322」には、直角三角形の3辺の整数比(ピタゴラス数)が15組記録されている。ピタゴラスよりも1200年以上前のことだ。ピタゴラスがバビロニアで学んだ内容には、この知識が含まれていた可能性が高いとされている。

長い旅を終えたピタゴラスは、前530年頃、南イタリアの植民都市クロトンに移住します。すでに40歳近くになっていたピタゴラスは、ここで生涯最大の事業——ピタゴラス教団の設立——に乗り出すことになりました。

ピタゴラス教団の設立と奇妙なルール

クロトンに移ったピタゴラスは、ほどなくして独自の共同体を設立します。これがピタゴラス教団です。単なる学派ではなく、宗教的な信仰と厳格な生活規律を持つ「宗教結社」としての性格が強い組織でした。教団の影響力は強く、クロトンの政治にも深く関与したとされています。

もぐたろう
もぐたろう

ピタゴラス教団っていうのは、今でいう「完全入会制の秘密結社」みたいなイメージ!入団したら財産を全部共有・外で学んだことを口外禁止・食事制限ありという、めちゃくちゃ厳しいルールの組織だったんだ。

教団の組織には階層がありました。入門したばかりの段階では「アクースマティコイ」と呼ばれ、ピタゴラスの言葉を聴くことはできても、その内容を問い返したり批判したりすることは許されません。より深い知識を学ぶ上位の「マテマティコイ」になって初めて、数学・音楽・天文学の真髄を学べる仕組みでした。

教団の主な戒律(奇妙なルール):①豆を食べてはならない ②財産を共同所有する ③学んだことを外部に漏らさない ④落ちたものを拾ってはならない ⑤入団時に全財産を教団に預ける

教団の戒律の中でも特に有名なのが「豆禁忌」です。豆を食べることが厳しく禁じられていました。また、財産は入団と同時に教団に預けられ、脱退する際に返還されるという仕組みでした(ただし脱退者の墓標が建てられ、「死んだも同然」として扱われたとも伝わっています)。

あゆみ
あゆみ

豆を食べちゃいけないってどういうこと!?なんで豆が禁止なの?

もぐたろう
もぐたろう

諸説あってはっきりはわかってないんだけど、一番有力なのは「輪廻転生」の信仰との関係だよ!ピタゴラスは魂の転生を信じていて、「豆に死んだ人の霊魂が宿っている」と考えたという説があるんだ。現代から見るとびっくりだけど、これが教団の宗教的な世界観そのものだね。

豆禁忌の理由——4つの説
  • 霊魂宿り説輪廻転生の信仰から、豆の中に死者の魂が宿るとした。
  • 体質的危険説:地中海地域に多い「蚕豆症(ファビスム)」——ソラマメを食べると発作が起きる遺伝疾患——をピタゴラスが経験的に知っていたとする説。
  • 政治的意味説:古代ギリシアの民主政では豆を用いてくじ引きを行った。「豆を避ける=政治参加を遠ざける」という意味だったとする説。
  • 音的連想説:豆が発酵するときの音を「死者の声」と聞き違えた、とする説。

いずれも確定的な根拠はなく、「諸説あり」が現在の学術的な立場です。

ピタゴラス教団はクロトンの政治にも深く関与し、一時は都市を実質的に支配するほどの影響力を持ちました。しかし、この政治的台頭が反発を招くことになります。前510年頃、クロトンが近隣都市シバリスとの戦争に勝利した後に民主派が台頭し、クロトン市民の一部が蜂起して教団の拠点を焼き打ちにする事件が起き、ピタゴラス自身も逃亡を余儀なくされます。その後、メタポンティオン(現在のイタリア・バシリカータ州)に逃れ、前495年頃に没したとされています。

ピタゴラスの定理——なぜ「ピタゴラス」の名がついたのか?

ピタゴラスの名前を不朽のものにしている最大の功績が「ピタゴラスの定理」です。直角三角形において、直角を挟む2辺の長さをa・b、斜辺の長さをcとすると、

a² + b² = c²

という関係が成り立つ——これが「ピタゴラスの定理」です。中学数学で学ぶこの定理は、建築・測量・物理学など現代でも広く使われています。しかし、ここで一つの重大な疑問があります。「本当にピタゴラスが発見したのか」という問題です。

あゆみ
あゆみ

え、でも中学数学で習ったよ?これってピタゴラスが発見したんじゃないの?

もぐたろう
もぐたろう

実はバビロニア人がピタゴラスより約1000年も前に、この知識を持っていたという説があるんだよ!じゃあなんでピタゴラスの名前がついているのか、というのが次のコラムの話題だよ。

バビロニアはピタゴラスより1000年前に知っていた?

1945年に発見されたバビロニアの粘土板「プリンプトン322」(作成は前1800年頃)には、直角三角形の3辺の整数比が15組記録されていました。これはピタゴラスより約1200年前の記録です。また古代インドや古代中国にも、同様の関係を利用した記録が残っています。

では、なぜ「ピタゴラスの定理」と呼ばれるのでしょうか。ポイントは「証明」です。バビロニアやインドでは経験的・実用的にこの関係を使っていましたが、ピタゴラスの教団はこれを論理的に証明しょうめいしようとした最初の集団だとされています。また「なぜそうなるのか」という哲学的・数学的意味づけをしたことが、後世に名前を残す大きな理由の一つです。

さらに、著作が残っておらず教団全体で成果を共有する文化だったため、「誰が最初に発見・証明したか」は今もわかっていません。「ピタゴラスの定理」という名称は、後世の人々がピタゴラス教団の功績として命名したものです。

ピタゴラス
ピタゴラス

わたしの定理?実は弟子たちとの共同研究だけどね。大事なのは「なぜそうなるか」を証明しようとしたことだ。

ピタゴラスにとって、定理はただの計算ツールではありませんでした。「直角三角形の3辺の比は美しい数の関係で成り立っている」という事実は、彼の根本思想——「万物の根源は数であり、宇宙は数の秩序で支配されている」——を証明するものだったのです。定理の発見(あるいは証明)は、ピタゴラス哲学の核心を形にした成果と言えます。

この「数の秩序としての宇宙」という考え方は、後にプラトンの哲学や近代科学の「数学で世界を記述する」という発想にまで受け継がれていきます。次の章では、ピタゴラスが「定理」以外に残した多彩な功績を見ていきます。

ピタゴラスの功績まとめ——数・音楽・哲学・コスモス

ピタゴラスの業績は「定理」だけにとどまりません。数学・音楽・哲学・宇宙論と、驚くほど広い範囲にわたる功績を残しました。ここでは代表的な4つの功績をまとめて見ていきましょう。

■ 功績① 「万物の根源は数」——数の哲学

ピタゴラスの最も根本的な思想が「万物の根源は数」という考え方です。世界の成り立ちを「水」(タレス)や「空気」(アナクシメネス)などの物質に求めた他のイオニア哲学者たちとは異なり、ピタゴラスは「宇宙の秩序は数の関係で説明できる」と主張しました。

ピタゴラス教団は数を単なる計算の道具とは見ませんでした。「1」は存在の源、「2」は意見、「3」は完全性、「4」は正義——というように、各数に神秘的・哲学的な意味を与えました。この考え方は「数秘術(ゲマトリア)」の源流の一つともなっています。

■ 功績② 音楽と数の関係——音階の発見

ピタゴラスが「数と音楽の関係」を発見したとされる伝説が伝わっています。伝説によれば、鍛冶屋の前を通りかかったとき、鎚が金床を打つ音に美しいハーモニーを聞き取り、鎚の重さを比較したところ、音の高さと重さの間に単純な整数比(2:1、3:2、4:3……)があることを発見した——というものです。ただし後世の研究では、ハンマーの重さと音程の関係は実際には比例しないため、この逸話はそのままの形では物理的に成立しない部分があることも指摘されています。

伝説の詳細はともかく、ピタゴラスが弦の長さと音程の関係を発見したとされることは広く認められています。弦の長さを半分にすると1オクターブ高い音になり、3分の2にすると5度高くなる、という法則は現代音楽理論の基礎となる「ピタゴラス音律」の発見につながりました。

あゆみ
あゆみ

数学者なのに音楽の話まで出てくるの?ちょっとびっくり。

もぐたろう
もぐたろう

ピタゴラスにとって数学と音楽は同じ「数の秩序」が支配する世界だったんだよ!「宇宙は数の法則で成り立つ」という信念があったから、音楽の中にも数学的な美しさを見出した。現代で言えば、物理学で音波を解析するのと同じ発想だよね。

■ 功績③ 「哲学者(フィロソフォス)」という言葉の命名

哲学者てつがくしゃ」を意味する「フィロソフォス」という言葉を最初に使ったのもピタゴラスだと伝えられています。「フィロ(愛する)」+「ソフィア(知恵)」を組み合わせた言葉で、「知恵を愛する者」という意味です。ただし直接の著作が残っておらず、この伝承はディオゲネス・ラエルティオスらが紀元後に記した後世の資料に基づくものです。

伝承によれば、ピタゴラスはあるとき「自分は賢者(ソフォス)ではなく、知恵を求める者(フィロソフォス)だ」と語ったとされています。この謙虚な自己規定が「哲学てつがく(フィロソフィア)」という学問の名前の由来となりました。後にソクラテスプラトンアリストテレスへと受け継がれるギリシア哲学の伝統が、このピタゴラスの言葉から始まったとも言えます。

■ 功績④ 「コスモス」という概念の創出

コスモス」という言葉を哲学的な概念として最初に使ったのも、ピタゴラスだと伝えられています。もとのギリシア語「コスモス」には「秩序・調和・美しさ」という意味があり、ピタゴラスはこれを「秩序ある宇宙全体」を指す言葉として用いたとされています。混沌(カオス)に対して、秩序あるものとしての宇宙——これがピタゴラスの「コスモス」の概念です。ただしこれも著作が残っていないため、後世の資料による伝承です。

ピタゴラス
ピタゴラス

コスモス——この美しい秩序ある宇宙という言葉、わたしが初めて使ったんだよ。宇宙は混沌ではなく、数の法則が支配する秩序の場なのだから。

「万物の根源は数」という思想、音楽と数の関係の発見、「哲学者」という言葉の命名、「コスモス」の概念化——これらをまとめると、ピタゴラスの功績は「数の言葉で宇宙・音楽・知的探求を統一しようとした」という一本の筋で理解できます。この壮大な思想は、後のプラトンのイデア論や、ガリレオの「宇宙は数学の言語で書かれている」という言葉にまで受け継がれていきます。

もぐたろう
もぐたろう

数学・音楽・哲学・宇宙論に同時に影響を与えた人物って、ピタゴラス以外にほとんどいないよね!しかも著作が1冊も残っていないのに、この影響力の大きさはすごい。ひとつの思想がこれだけ広く伝わったということは、弟子たちがしっかり引き継いで広めたからこそなんだと思う。

テストに出るポイント

ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。高校世界史の「ポリス時代のギリシア哲学」単元で問われることが多い内容です。試験直前の見直しにも使ってください。

テストに出やすいポイント
  • ピタゴラスが活躍した時期:前6〜前5世紀(紀元前570年頃〜前495年頃)
  • 出身地:イオニア地方のサモス島(現在のトルコ沿岸付近)
  • 「万物の根源は数」:ピタゴラス哲学の中心思想。世界は数の秩序で成り立つとした。イオニア哲学との比較問題で頻出
  • ピタゴラス教団:南イタリアのクロトンで設立した宗教的結社。輪廻転生・数への神秘的信仰・財産共有・豆禁忌の戒律
  • 「哲学者(フィロソフォス)」命名:「知恵を愛する者」の意。この言葉を最初に使ったのがピタゴラスとされる
  • ピタゴラスの定理:a²+b²=c²。直角三角形の3辺の関係。世界史では「功績」として出題。数学的証明より人物・功績の側面で問われる
  • 「コスモス」命名:秩序ある宇宙をコスモスと呼んだ最初の哲学者とされる

📌 混同しやすい「万物の根源」の比較
・タレス → 「万物の根源は
・アナクシメネス → 「万物の根源は空気
・ヘラクレイトス → 「万物の根源は」/「万物は流転する
・ピタゴラス → 「万物の根源は
これを「タアヘピ(タ・ア・ヘ・ピ)」とセット記憶するとよいです。共通テストではイオニア哲学者を人物名と思想の一致問題で問うケースが多いため、この4組はセットで覚えましょう。

ゆうき
ゆうき

テストで一番大事なのってどこ?「万物の根源は数」って覚えるの難しそう……タレスとヘラクレイトスと混ざっちゃいそうで。

もぐたろう
もぐたろう

共通テストで一番出やすいのは「万物の根源は何か」の人物と思想の一致問題だよ!ピタゴラスだけは「水でも空気でも火でもなく、数」という点がポイント。「教科書の中で唯一、数を根源にした人物」と覚えると忘れにくいよ。あとは「フィロソフォス(哲学者)」という言葉を最初に使ったのもピタゴラス、というのも要チェック!

よくある質問

どちらとも言えます。現代では「数学者」として知られていますが、本人の活動の中心は宗教哲学にありました。著作が1冊も残っていないため、正確な思想の復元は難しいのですが、「哲学者・宗教指導者」という側面がより本質に近いとされています。「数学者」という評価は後世が定めたものです。

諸説あります。バビロニアの粘土板「プリンプトン322」(前1800年頃)には同様の知識が残っており、ピタゴラスより約1200年前に先行発見されていた可能性があります。ただし、ピタゴラスの教団がこれを数学的に証明・体系化し哲学的意味を与えたことは評価されており、それが「ピタゴラスの定理」として名前が残った理由とされています。

南イタリアのクロトンで設立された宗教的な学問結社です。財産の共有・輪廻転生への信仰・豆禁忌など独特の戒律があり、数の神秘を哲学的に探求しました。入門段階の「アクースマティコイ」と上位の「マテマティコイ」という階層がありました。政治的影響力も持ちましたが、前510年頃に反対勢力に弾圧されて崩壊します。

はっきりした理由は伝わっていません。輪廻転生の信仰から「豆に霊魂が宿る」と考えたとする説、地中海地域に多い遺伝疾患「蚕豆症(ファビスム)」をピタゴラスが経験的に知っていたとする説、古代ギリシアの民主政でくじ引きに豆を使ったことから「政治参加を遠ざける」意味だったとする説など、諸説あります。いずれも確定的な根拠はなく、現代の学術的な立場は「諸説あり」です。

「コスモス(宇宙・秩序)」という言葉を哲学的な概念として最初に使ったのがピタゴラスだとされています。「混沌(カオス)」に対して「秩序ある宇宙(コスモス)」という意味で用いました。ただし著作が残っていないため、直接の証拠はなく、後世の資料による伝承です。

高校世界史の「ポリス時代のギリシア哲学」単元に登場します。「万物の根源は数」という思想と、タレス・アナクシメネス・ヘラクレイトスとの比較問題が頻出です。共通テストではイオニア哲学者の人物名と思想の一致問題として出題されることがあります。「哲学者(フィロソフォス)」という言葉を最初に使ったのがピタゴラスという点も要チェックです。

ピタゴラスについてもっと詳しく知りたい人へ

もぐたろう
もぐたろう

ピタゴラスや古代ギリシア哲学についてもっと深く知りたい人に、おすすめの本を紹介するよ!難易度順に3冊選んだから、自分のレベルに合わせて選んでみてね。

①哲学が初めての中高生なら|岩波ジュニア新書で「ソクラテスからなぜ問うのか」をやさしく解説

はじめての哲学

藤田 正勝 著|岩波書店(岩波ジュニア新書)


②ギリシア哲学を体系的に学びたい人なら|ちくま新書でピタゴラスからアリストテレスまで一気に整理

ギリシア哲学入門

岩田 靖夫 著|筑摩書房(ちくま新書)


③古代から現代まで哲学の流れをストーリーで知りたいなら|中公新書の定番・ソクラテスからウィトゲンシュタインまで1冊で

物語 哲学の歴史――自分と世界を考えるために

伊藤 邦武 著|中央公論新社(中公新書)

まとめ

ピタゴラスのポイントまとめ
  • ピタゴラスは前570年頃にイオニア地方のサモス島に生まれた古代ギリシアの思想家。著作は1冊も残っていない
  • エジプト・バビロニアへの長期留学で幾何学・天文学・数秘術を修得し、前530年頃に南イタリアのクロトンに移住
  • ピタゴラス教団は宗教結社。財産共有・豆禁忌・輪廻転生信仰・秘密厳守という独特の戒律を持ち、政治にも深く関与した
  • 「ピタゴラスの定理」はバビロニアが約1200年前に先行発見していた可能性があるが、ピタゴラス教団が論理的証明と哲学的意味づけを行ったとされる
  • 功績は多岐にわたる:「万物の根源は数」という哲学・音楽と数の関係の発見・「哲学者(フィロソフォス)」という言葉の命名・「コスモス」という概念の創出
  • その思想はプラトン・アリストテレスを経て近代科学にまで受け継がれ、西洋思想全体の源流の一つとなっている

もぐたろう
もぐたろう

以上、ピタゴラスのまとめでした!「定理を発見した数学者」というイメージとは全然違う、宗教家・哲学者としての素顔が面白いよね。古代ギリシアの哲学をもっと知りたい方は、下の記事もあわせて読んでみてください!

ピタゴラスの生涯年表
  • 前570年頃
    サモス島に生まれる
    イオニア地方(現トルコ沖)のサモス島で生まれる。父は宝石商・彫刻家ムネサルコスとされる
  • 前550年頃
    エジプトへ旅立ち、神官から幾何学を学ぶ
    20年近くにわたってエジプトに滞在し、神官から幾何学・天文学・秘儀を学んだとされる
  • 前525年頃
    バビロニアへ渡り数学・天文学の知識を得る
    カンビュセス2世のエジプト征服をきっかけにバビロニアへ。高度な数学・占星術・数秘術を学ぶ
  • 前530年頃
    南イタリアのクロトンに移住・ピタゴラス教団を設立
    ギリシア植民都市クロトンで宗教結社を設立。財産共有・輪廻転生信仰・豆禁忌などの戒律を定める
  • 前510年頃
    教団が弾圧・反乱により崩壊。ピタゴラスはメタポンティオンへ逃れる
    クロトンがシバリスとの戦争に勝利後、民主派が台頭し市民の蜂起で教団の拠点が焼き打ちに遭う。ピタゴラスは現在のイタリア・バシリカータ州に逃亡
  • 前495年頃
    メタポンティオンで没したとされる(享年約75歳)
    著作は一切残らなかったが、弟子たちがその思想を引き継ぎ「ピタゴラス主義」として後世に伝えた

📅 最終確認:2026年6月 / 参照:山川出版社『詳説世界史』(2023年版)

参考文献

Wikipedia日本語版「ピタゴラス」(2026年6月確認)
Wikipedia英語版「Pythagoras」(2026年6月確認)
コトバンク「ピュタゴラス」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
山川出版社『詳説世界史』(2023年版)
Britannica「Pythagoras」(2026年6月確認)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

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この記事を書いた人
もぐたろう

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