ブレグジットとは?EU離脱の理由・影響・北アイルランド問題をわかりやすく解説

特集 | 詳しく見る 2026年 NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」 登場人物まとめ
EU離脱

もぐたろう
もぐたろう

今回はブレグジット(Brexit)について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!なぜイギリスがEUを離脱したのか、その影響や北アイルランド問題まで、テスト対策もバッチリ一緒に確認していこう!

📚 この記事のレベル:高校公共 / 政治経済
🎯 共通テスト対応

この記事を読んでわかること
  • ブレグジットの意味と語源(なぜ「Brexit」と呼ぶのか)
  • EU離脱の3つの理由(移民問題・主権・EU分担金)
  • 2016年国民投票の結果(51.9% vs 48.1%の数字)
  • ブレグジット後のイギリスへの影響(経済・日本企業への影響も含む)
  • 北アイルランド問題とスコットランド(共通テスト頻出ポイント)

「ブレグジット(Brexit)」というと、イギリスの”感情的な失敗”——反EU感情に煽られた、後悔だらけの選択——というイメージを持つ人が多いかもしれません。

でも実は——ブレグジットは単なる感情の暴走ではありませんでした。1973年にEC(欧州共同体)へ加盟してからおよそ50年、イギリスはずっと「半歩引いた」かたちでヨーロッパの統合に関わり続けてきたのです。共通通貨ユーロには参加せず、国境なしのシェンゲン協定にも加わらない——そんな「いつか離れるかもしれない国」が、ついに限界を超えた。ブレグジットはその必然の帰結だったのです。

スポンサーリンク

ブレグジットとは?

3行でわかるブレグジット
  • ブレグジット(Brexit)とは、2020年1月31日に完了したイギリスのEU離脱のこと
  • 2016年の国民投票で「離脱51.9%:残留48.1%」の僅差で決定した
  • 移民問題・主権回復・EU分担金の3つが主な離脱理由とされる

ブレグジット(Brexit)とは、英国えいこく(Britain)と脱出を意味する「exit(エグジット)」を合わせた造語です。日本語では「英国えいこくのEU離脱」と訳されます。2020年1月31日、イギリスはEU(欧州連合)を正式に離脱し、ブレグジットは完了しました。

ただし、「離脱した」といっても話はそこで終わりません。その後の移行期間(2020年末まで)を経て、EU単一市場・関税同盟からも離脱が完了。2021年1月からは本格的にEU抜きの関係がスタートしました。

あゆみ
あゆみ

そもそも「EU」って何のことかしら?加盟するとどんないいことがあるの?

もぐたろう
もぐたろう

EUっていうのは、今でいう「ヨーロッパ27カ国の超巨大グループ」ってイメージかな。加盟国の間では関税(輸入品への税金)がゼロで、人やモノが自由に行き来できるんだ。イギリスはこのグループに加わることで、ヨーロッパ全体を「自国の市場」として使えたんだよ!

■ イギリスとEUの関係の歴史

イギリスとヨーロッパ統合の関係は、一筋縄ではいきません。1973年にEC(欧州共同体)へ加盟したものの、加盟後わずか2年で国民投票を実施し「残留」を確認するほど、当初から疑念がありました。

1993年にEUが発足してからも、イギリスは共通通貨ユーロには参加せずポンドを維持し、EU内での国境をなくす「シェンゲン協定」にも加わりませんでした。まるで「仲間ではあるけれど、ちょっと距離を置きたい」というスタンスを貫いてきたのです。

📌 イギリスとEUの「半歩引いた」関係:共通通貨ユーロ→不参加(ポンドを維持)/シェンゲン協定(国境なし)→不参加/共通農業政策→一部適用除外。EUの中でも「別扱い」を受けていた特別な加盟国だった

2000年代になると、ユーロ危機(2010年〜)でEUへの不信感が高まります。さらに東欧諸国のEU加盟(2004年〜)で移民が急増すると、イギリス国内で「もう限界だ」という声が強まっていきました。

スポンサーリンク

なぜイギリスはEUを離脱したのか?3つの理由

ブレグジットの原因は一つではありません。長年にわたってEUへの不満が積み重なり、それが2016年の国民投票で一気に噴出した——そんなイメージです。主な理由を3つに整理してみましょう。

■ 理由①:移民の急増と雇用への不安

EUには「人の移動の自由」というルールがあります。EU加盟国の国民であれば、他の加盟国へ自由に移り住み、働くことができます。2004年にポーランド・チェコなど東欧10カ国がEUに加盟すると、これらの国からイギリスへの移民が急増しました。

2015年には移民・難民問題がピークに達し、イギリスへの年間純移民数は33万人を超えました。特に製造業・建設業・農業などの現場で働くイギリス人労働者の間で、「自分たちの仕事が外国人に奪われている」という不満が強まっていきました。

ゆうき
ゆうき

移民が増えると、なんでイギリス人が困るの?移民の人たちも働いてくれるんじゃないの?

もぐたろう
もぐたろう

東欧から来た移民の人たちは、母国での生活水準が低いから「イギリスでは少ない賃金でも働ける」という状況になりやすいんだ。その結果、同じ仕事でも賃金が下がりやすくなる。さらに「NHS(国民保険サービス)」という公的医療や学校など、社会インフラへの負担が増えたことも問題になったんだよ。

■ 理由②:主権の喪失とEUルールへの反発

離脱派が強く訴えたもう一つの理由が「主権の回復」でした。EUのルールはイギリス国内の法律より優先される場合があります。たとえばEUが定めた規制に反するイギリスの法律は、無効と判断されることもありました。

「Take Back Control(主権を取り戻せ)」——これが離脱派のスローガンです。「イギリスのことはイギリスが決める」という主権回復の主張は、特に国粋主義的な感情が強い層に響きました。歴史的に「海峡かいきょうの向こうのヨーロッパとは違う」という意識を持つイギリス人にとって、EU統合深化への抵抗感は根強かったのです。

■ 理由③:EU分担金の負担

イギリスはEUに毎年多額の拠出金(分担金)を支払っていました。その額は年間およそ180億ポンド(日本円にして約3兆円規模)。離脱派はこの金額を使い、バスに「EUへの拠出金週3億5000万ポンドを、NHSに回そう」というキャッチコピーを大きく書いて選挙活動を展開しました。

もちろんこれは試算の方法が不正確という批判もありましたが、「払い続けている」という事実は多くの国民の心に刺さりました。「その分を国内に使えるはずだ」という単純明快なメッセージが、とりわけ地方の低所得層を動かしたのです。

スポンサーリンク

2016年の国民投票——離脱51.9% vs 残留48.1%

国民投票のイメージ
2016年6月23日、イギリス全土で国民投票が実施された

2013年、キャメロン首相は「EU離脱を問う国民投票を実施する」と公約しました。これは党内の離脱派を抑え込みつつ、「国民に問うた上で残留を確定させる」という政治的な計算に基づくものでした。

2016年6月23日、ついに国民投票が実施されます。投票率は72%と高く、結果は——離脱51.9% vs 残留48.1%。わずか約4%差で、離脱派が勝利しました。

📌 地域別の投票結果:イングランド・ウェールズは離脱多数/スコットランドは62%が残留支持/北アイルランドは55%が残留支持。この「地域の亀裂」が後のスコットランド独立問題・北アイルランド問題につながる

世代別でも大きな違いが見られました。若い世代(18〜24歳)の約70〜75%が残留支持だったのに対し、65歳以上では約64%が離脱支持だったとされます(YouGov・Ipsos MORI等の調査)。「若者の未来を奪った」という批判は今も続いています。

デイヴィッド・キャメロン(首相)
デイヴィッド・キャメロン(首相)

国民投票をやれば残留派が勝って、離脱問題に決着がつくと思っていたんだ……。まさか51.9%で本当に負けるとは、夢にも思わなかったよ。

※キャメロン首相の肖像写真 著作者:Number 10 from London / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:CC BY 2.0(https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/)

■ 国民投票後の政局——キャメロン辞任からジョンソンへ

国民投票翌日、キャメロン首相は電撃辞任を表明します。残留派を率いて戦い、敗れた責任を取る形でした。その後、保守党内の選出でテリーザ・メイが首相に就任し、「合意なき離脱を避ける」方針でEUとの交渉に臨みました。

メイ首相が交渉してまとめた離脱協定は、2019年1月・3月・3月の計3回、議会で否決されます。これほど繰り返し否決された政治案件は、イギリス近代史でもきわめて異例のことでした。

テリーザ・メイ(首相)
テリーザ・メイ(首相)

とにかく合意ある離脱を実現しなければ……。でも議会が、議会が認めてくれないっ……!

※テリーザ・メイ首相の肖像写真 著作者:Andrew Parsons / 出典:Wikimedia Commons / ライセンス:Open Government Licence v3.0

2019年7月、メイ首相が辞任し、「合意なき離脱も辞さず」の強硬路線を掲げるボリス・ジョンソンが首相に就任します。2019年12月の総選挙でジョンソン率いる保守党が大勝し、改訂された離脱協定が議会を通過。2020年1月31日午後11時、イギリスはEUを正式に離脱しました。

ブレグジットがもたらした影響

ブレグジットの影響は経済から社会まで、幅広い領域に及んでいます。「離脱すれば主権が戻り、豊かになる」という離脱派の予言は、どれほど実現したのでしょうか。

■ 経済への影響——ポンド安・貿易コスト増

国民投票の翌日、ポンドは対ドルで一気に約10%下落しました。金融市場が「経済的な不確実性」に反応したのです。その後もポンド安は長期にわたって続き、輸入物価の上昇→インフレ→国民の生活費圧迫という連鎖を生みました。

貿易面では、EU単一市場から離脱したことで関税・通関手続きが復活しました。特に農産品や鮮魚のような生鮮品は、国境での検査や書類手続きに時間がかかるようになり、輸出入コストが大幅に増加しています。フランスとの貿易では、かつて書類なしで通れたフェリーが、今では何十枚もの書類を要するようになりました。

金融業では、パリ・アムステルダム・フランクフルトなど欧州大陸の都市への移転が相次ぎました。EUのパスポート権(EU全域で金融業を行う許可)が失われたことで、ロンドンの金融センターとしての優位性は一部失われたとされています。

あゆみ
あゆみ

ブレグジットって、日本にも影響があったの?

もぐたろう
もぐたろう

実はめっちゃ影響があったんだ!日本企業にとってイギリスは「EUへの橋頭堡(きょうとうほ)」——つまりイギリスに工場や拠点を置けば、EU全体に関税なしでモノを売れる最高の場所だったんだよ。ところがブレグジットで、その「橋」が使えなくなってしまったんだ。

日産は英国サンダーランド工場での生産を一部見直し、トヨタも工場の将来について慎重な姿勢を示しました。その後、2021年1月には日英にちえいEPA(経済連携協定)が発効し、日本とイギリスの間では関税ゼロの貿易が継続されることになりましたが、日本企業のEU展開という観点では大きな変化を余儀なくされました。

■ 労働力不足と物価上昇

ブレグジット後、EU市民が「自由に働く権利」を失ったことで、さまざまな産業で深刻な労働力不足が発生しました。最も影響を受けたのが、トラック運転手・農業労働者・食肉処理業者・医療従事者などです。

2021年秋のイギリスでは、ガソリンスタンドの燃料不足・スーパーの食品棚の空き・クリスマス商品の品薄が社会問題になりました。その背景にあったのは、ブレグジットによるEU労働者の減少と、新型コロナウイルスの影響が重なったことでした。

📌 「ブレグジット後遺症」の実態:英国農業協会によると、2022年の農業労働者の不足数は4万人超。イギリスはEU労働者に代わる人材として、アジア・アフリカからの移民受け入れを拡大している

北アイルランド問題——ブレグジットが生んだ新たな難問

ブレグジットが引き起こした問題の中でも、最も複雑で根深いのが北アイルランド問題です。地理的・歴史的な特殊性が、EU離脱によって一気に表面化しました。

北アイルランドはアイルランド島の北部に位置しています。島の南部はアイルランド共和国アイルランドきょうわこく(EU加盟国)で、北部はイギリス領。この島の中に「EUの国とEU外の国」の国境が存在するという、非常に特殊な状況が生まれました。

1998年の「ベルファスト合意ベルファストごうい(グッド・フライデー協定)」以前、北アイルランドではカトリック系のアイルランド統一派とプロテスタント系のイギリス残留派の間で激しい武力紛争(通称「北アイルランド紛争」)が続いていました。この合意で紛争がようやく収まり、国境に検問所のない「ソフト・ボーダー」が実現していたのです。

📌 なぜ「ハード・ボーダー」が問題なのか:北アイルランドとアイルランド共和国の間に検問所のある国境(ハード・ボーダー)を設けると、1998年のベルファスト合意が崩れ、過去の紛争が再燃する恐れがある。平和維持のためにも国境は「見えない」状態を保つ必要があった

この問題の解決策として、EUとイギリスは「北アイルランド議定書きたアイルランドぎていしょ」を締結しました。これにより、北アイルランドはEU単一市場のルールを一部継続して適用することになりました。つまりアイルランドとの間には国境を設けない一方で、北アイルランドとイギリス本土(グレートブリテン島)の間には形式的な「海の国境」が生まれました。

2023年2月にはより柔軟な「ウィンザー枠組み」が合意されましたが、北アイルランド内の統一派(イギリス側)はこの取り決めに強く反発しており、政治的な緊張は続いています。

■ スコットランド独立機運の再燃

2016年の国民投票で、スコットランドは62%が「残留」を支持しました。ところが、イングランドとウェールズの離脱多数によって結果的に「イギリス全体として離脱」が決まってしまいました。

スコットランドのSNP(スコットランド民族党)は「EU残留のためにイギリスから独立する」という二段階の論理で、独立住民投票の実施を求めています。「イギリスから独立して、改めてEUに加盟すればいい」という主張です。

ただし、イギリス政府(ウェストミンスター議会)はスコットランドの独立住民投票の実施を認めていません。2014年に一度行われた独立住民投票では55%が残留を選んでいましたが、ブレグジット後はその情勢が再び揺れ動いています。

もぐたろう
もぐたろう

ブレグジットは「終わった話」ではなく、北アイルランド・スコットランドという新たな難問を生み出してイギリス国内を揺さぶり続けているんだ。次の章では、ブレグジット後のイギリスの今——「得たもの」と「失ったもの」を整理していくよ!


ブレグジット後、イギリスはどうなった?

2020年1月31日、イギリスはEUを正式に離脱しました。その後2020年末まで移行期間が設けられ、2021年1月1日からEU単一市場・関税同盟からも完全に離脱した「ポスト・ブレグジット」の新しい時代が始まりました。では、離脱から数年が経った今、イギリスはどうなっているのでしょうか。

■ 「得たもの」と「失ったもの」

まず「得たもの」を整理してみましょう。イギリスは独自の移民政策を取り戻し、ポイント制の移民制度を2021年から導入しました。スキルの高い人材を優先的に受け入れるという仕組みです。また、オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・日本など、EU以外の国々との独自の貿易協定も締結が進んでいます。

一方、「失ったもの」は少なくありません。EU単一市場へのアクセスを失い、輸出入コストが大幅に増加しました。イギリス企業はEUへの輸出に際して関税申告・原産地証明など膨大な書類手続きが必要になり、特に中小企業の負担は深刻です。

📌 「ブレグジット後悔」が増加中:英国の世論調査では、2023年以降「ブレグジットは間違いだった」と考える人が5〜6割を占める結果が相次いでいる。EUへの再加盟を問う議論も一部で始まっている

■ 「ブレグレット(Bregret)」という言葉が生まれた

Brexit(ブレグジット)と Regret(後悔)を組み合わせた造語「ブレグレット(Bregret)」という言葉が生まれました。離脱後に経済低迷・物価上昇・労働力不足が続く中で、「やっぱりEUに戻りたい」と感じるイギリス国民が増えていることを指します。

特に若い世代を中心に「自分たちの意見が反映されなかった」という不満が根強く、ブレグジットへの評価は世代間で大きく分かれています。高齢層が押し進めた決断が若い世代に影響を与え続けているという点で、民主主義の難しさを問いかけるテーマにもなっています。

あゆみ
あゆみ

結局、ブレグジットはイギリスにとって良かったの?悪かったの?

もぐたろう
もぐたろう

正直、まだ歴史的な評価は定まっていないんだよ。短期的な経済指標を見ると「マイナスの影響の方が大きい」という分析が多い。でも長期的に見れば、独自の外交・貿易戦略が花開く可能性もゼロじゃない。ブレグジットは「現在進行中の実験」として、世界中の経済学者や政治学者が注目しているんだ。

■ 世界への影響——「民主主義の問い」として

ブレグジットが世界に与えた最も大きな衝撃の一つは、「国民投票で大きな決断ができる」という事実を改めて示したことかもしれません。アメリカのトランプ旋風・フランスの黄色いベスト運動など、世界各地で「既存の体制へのノー」を突きつける動きが相次ぎましたが、ブレグジットはその象徴的な出来事として位置づけられています。

「EUという統合の枠組み」と「国民国家の主権」のどちらを優先するか——この問いはブレグジット後も世界中で問われ続けています。次の章では、この記事をもっと深く学びたい方へのおすすめ本を紹介します。

もっと詳しく知りたい方へ——おすすめ本

ブレグジットをさらに深く理解したい方へ、入門書・解説本を紹介します。

もぐたろう
もぐたろう

ブレグジットをもっと深く理解したい人におすすめの入門書を紹介するよ!ちくま新書なので読みやすくて、高校生や大学生にもぴったりだよ!

①ブレグジットの全体像をイギリス視点でわかりやすく知りたいなら

テストに出るポイント

ここからは定期テスト・共通テスト・大学受験で押さえておきたいポイントをまとめます。公共・政治経済・現代社会の試験直前の見直しにも使ってください。

テストに出やすいポイント
  • ブレグジットの定義:Britain(英国)+ exit(脱出)の合成語。2020年1月31日にEU離脱が完了
  • 国民投票の結果(2016年):離脱51.9% vs 残留48.1%。投票率は72%。僅差での決定
  • 離脱の3大理由:①移民・難民の急増 ②主権回復(Take Back Control) ③EU分担金の負担
  • リスボン条約第50条:EU離脱を申請するための手続き。テリーザ・メイ首相が2017年3月に発動した
  • 北アイルランド問題:EU離脱後、アイルランド共和国との国境管理が問題に。北アイルランド議定書で対応
  • 日英EPA:2021年1月発効。ブレグジット後も日英間の関税ゼロ貿易を維持するために締結された協定

📌 比較問題でよく出るポイント:「2016年国民投票の数字」と「2020年の離脱完了」の4年間のギャップは頻出。なぜ4年もかかったのか(議会での協定否決・首相交代の流れ)がセットで問われる。北アイルランド問題は「ベルファスト合意(グッド・フライデー協定)1998年」とセットで覚えると論述問題でも対応できる

ゆうき
ゆうき

公共の試験で、ブレグジットについて一番よく聞かれるのはどのポイント?

もぐたろう
もぐたろう

共通テスト「公共」では「2016年・51.9%・離脱」の3点セットと、「離脱完了は2020年」という年がよく出るよ!北アイルランド問題は記述問題でも頻出。「なぜ国境に検問所を設けてはいけないのか」という理由(ベルファスト合意・過去の紛争)まで説明できると完璧だね!

よくある質問

ブレグジット(Brexit)とは、Britain(英国)と exit(脱出)を合わせた造語で、2020年1月31日に完了したイギリスのEU(欧州連合)離脱を指します。2016年6月23日の国民投票で離脱51.9% vs 残留48.1%という僅差で離脱が決定し、その後の交渉・移行期間を経て2021年1月から完全離脱となりました。

主な理由は3つです。①移民問題:EU加盟国からの移民急増により、雇用・社会サービスへの圧迫が不満を招いた。②主権回復:「Take Back Control(主権を取り戻せ)」をスローガンに、EUのルールに縛られない国家運営を求める声が高まった。③EU分担金の負担:イギリスが支払う多額の拠出金を「NHS(国民医療サービス)に回せ」という離脱派のキャンペーンが広く共感を集めた。

2016年6月23日に行われました。投票率は72%と高く、結果は離脱51.9% vs 残留48.1%の僅差で離脱派が勝利しました。地域別に見るとイングランド・ウェールズは離脱多数、スコットランドは62%・北アイルランドは55%が残留を支持するなど、地域によって大きく意見が分かれました。

国民投票直後からポンドが急落し、その後も低迷が続きました。EU単一市場からの離脱により輸出入コストが増大し、特に農産品・水産物の貿易に影響が出ました。また、金融機関のパリ・フランクフルトへの移転が相次ぎ、ロンドンの金融センターとしての地位が一部低下しています。さらにEU労働者の減少による労働力不足も深刻で、トラック運転手・農業・医療分野での人手不足が続いています。

北アイルランドはアイルランド島の北部に位置し、隣接するアイルランド共和国はEU加盟国です。ブレグジット後、この国境に関税検査のある「ハード・ボーダー」が設置されると、1998年のベルファスト合意(グッド・フライデー協定)による和平が崩れ、過去の武力紛争が再燃する恐れがありました。これを避けるため「北アイルランド議定書」が締結され、北アイルランドはEU単一市場のルールを部分的に継続適用することになりました。2023年にはより柔軟な「ウィンザー枠組み」も合意されましたが、政治的緊張は続いています。

日本企業にとってイギリスは「EUへの橋頭堡(きょうとうほ)」として活用されていました。イギリスに拠点を置けばEU全体に関税なしで輸出できたからです。ブレグジットによりその優位性が失われ、日産・トヨタなどがイギリス工場の生産見直しを検討しました。2021年1月には日英EPA(経済連携協定)が発効し、日英間の関税ゼロ貿易は維持されましたが、日本企業のEU展開という観点では大きな戦略変更を迫られました。

「ブレグレット(Bregret)」とは、Brexit(ブレグジット)と Regret(後悔)を組み合わせた造語です。離脱後のイギリスで、物価上昇・労働力不足・貿易コスト増などを背景に「やっぱりEUに残るべきだった」という世論が高まっていることを指します。2023年以降の世論調査では「ブレグジットは間違いだった」と考える人が5〜6割を占める結果が相次いでいます。

まとめ——ブレグジットが問いかけるもの

ブレグジットのポイントまとめ
  • ブレグジットとは2020年1月31日完了のイギリスEU離脱。Britain+exitの造語
  • 離脱の3大理由は「移民問題」「主権回復」「EU分担金の負担」
  • 2016年国民投票:離脱51.9% vs 残留48.1%の僅差で決定。投票率72%
  • 北アイルランド問題とスコットランド独立問題という新たな課題を生んだ
  • 離脱後はポンド安・貿易コスト増・労働力不足などの影響が続いている
  • 「ブレグレット」(後悔)という言葉が生まれるほど、評価は今も揺れている

ブレグジットの年表
  • 1973年
    イギリスがEC(欧州共同体)に加盟
  • 1992年
    マーストリヒト条約署名(翌1993年EU発足)。イギリスはユーロ・シェンゲン不参加
  • 2013年
    キャメロン首相、EU離脱を問う国民投票の実施を公約
  • 2016年6月
    国民投票:離脱51.9% vs 残留48.1%。キャメロン首相辞任
  • 2017年3月
    テリーザ・メイ首相がリスボン条約第50条を発動。正式にEUへ離脱通知
  • 2019年1月〜3月
    EU離脱協定、英議会で3度否決。メイ首相辞任
  • 2020年1月31日
    イギリスがEUを正式離脱(ブレグジット完了)
  • 2020年12月31日
    移行期間終了。EUとの単一市場・関税同盟から完全離脱
  • 2021年〜
    北アイルランド議定書をめぐる対立激化。日英EPA発効。ブレグレットの世論が拡大

もぐたろう
もぐたろう

以上、ブレグジットのまとめでした!EU・国際政治に興味が出てきた人は、ユーロ危機やロシア・ウクライナ問題の記事もあわせて読んでみてください。きっともっと世界のニュースが深く読めるようになるよ!

あわせて読みたい記事

📅 最終確認:2026年5月 / 参照:Wikipedia日本語版「ブレグジット」・コトバンク「Brexit」・外務省ウェブサイト・BBCニュース日本語版

参考文献

Wikipedia日本語版「ブレグジット」(2026年5月確認)
Wikipedia日本語版「イギリスの欧州連合離脱」(2026年5月確認)
Wikipedia日本語版「イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票」(2026年5月確認)
コトバンク「Brexit(ブレグジット)」(デジタル大辞泉・日本大百科全書)
外務省「日英包括的経済連携協定(EPA)」(2026年5月確認)
英国選挙委員会(Electoral Commission)公式発表「EU国民投票結果」(2026年5月確認)
BBCニュース日本語版 ブレグジット関連記事(2026年5月確認)

記事の誤りを発見された場合はお問い合わせください。確認後、修正します。

スポンサーリンク
【大事なお知らせ】YouTube始めました!!

2024年2月、YouTubeチャンネル「まなれきドットコムちゃんねる」を開設しました。

まだ動画は少ないですが、学生や大人の学び直しに役立つ動画をたくさん増やしていくので、ぜひ下のアイコンからチャンネル登録、よろしくお願いいたします。

チャンネル登録する

この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
WEBメディアを通じて教育の世界に一石を投じていきます。

もぐたろうをフォローする
未分類