旧石器時代
PALEOLITHIC / 約3万8千年前〜1万6千年前
なぜ旧石器時代は「日本史最大の発見」なのか
「日本に旧石器時代はなかった」——その定説を、一人の男が石のかけらで覆した。
約3万8千年前に始まり1万6千年前まで続く旧石器時代は、長らく「日本列島には存在しなかった」とされてきた。1949年、在野の研究者・相沢忠洋が群馬県岩宿で打製石器を発見するまで、それが学界の定説だったのだ。土器も文字も竪穴住居もなかった時代に、人々は何を食べ、どこへ移動し、どうやって生き延びたのか——この特集では、旧石器時代を3つのステップで体系的に学べる構成になっています。
旧石器時代の全体像
まず全体の流れをつかもう。更新世の氷期・大陸との陸続き・ナウマンゾウの存在から、旧石器人の生活スタイルまでを把握する。
道具と石器の変化
打製石器・磨製石器……道具の変化は時代の変化。旧石器と新石器の違いをマスターすれば入試問題は一気に解けるようになる。
遺跡と発見の物語
在野の研究者・相沢忠洋が定説を覆した1949年の物語は、日本考古学最大のドラマだ。岩宿遺跡の発見が「日本に旧石器時代はなかった」という通説をひっくり返した。
年表旧石器時代の年表
確認される最古の石器が作られる
現・長野県や群馬県などで確認される最古の打製石器が作られた時期。ナウマンゾウ・オオツノジカが列島に生息していた。
最終氷期最盛期(LGM)
気温は現在より8〜10℃低く、海面が約120m低下。日本列島はサハリン・朝鮮半島と陸続きとなり、大陸の動物・人類が渡来しやすくなった。
港川人が生きた時代
沖縄・港川で発掘された「港川人」の人骨は、旧石器時代の人類の姿を伝える貴重な証拠。
縄文時代へ移行
温暖化が進み、世界最古水準の縄文土器が誕生。土器の出現をもって縄文時代の始まりとされ、旧石器時代の幕が閉じる。
岩宿遺跡発見——定説を覆す大発見
在野の研究者・相沢忠洋が群馬県岩宿で打製石器を発見。「日本列島に旧石器時代はなかった」という定説を完全に覆し、日本考古学の歴史が大きく書き換えられた。
比較旧石器時代と縄文時代の違い
| 比較項目 | 旧石器時代 | 縄文時代 |
|---|---|---|
| 時期 | 約3万8千〜1万6千年前 | 約1万6千〜2300年前 |
| 石器 | 打製石器のみ | 打製石器+磨製石器 |
| 土器 | なし | 縄文土器あり |
| 生活様式 | 移動(狩猟・採集) | 定住・竪穴住居 |
| 代表遺跡 | 岩宿・野尻湖 | 三内丸山・大森貝塚 |
FAQよくある質問
Q 旧石器時代はいつからいつまでですか? ▼
日本の旧石器時代は約3万8千年前〜1万6千年前とされています。氷期が終わって温暖化が進み、縄文土器が登場した時点を「縄文時代の始まり」とするため、その前が旧石器時代です。
Q 旧石器時代の人々はどこから来たのですか? ▼
最終氷期には海面が約120m低下し、日本列島は大陸と陸続きになっていました。北ルート(シベリア→サハリン→北海道)と南ルート(東南アジア→琉球弧)の両方から渡来したと考えられています。
Q なぜ長らく「日本に旧石器時代はなかった」とされていたのですか? ▼
①打製石器が目立たない(石のかけらに見える)、②日本の酸性土壌で遺物が残りにくい、の2つが主な理由です。1949年に相沢忠洋が岩宿遺跡で打製石器を発見するまで、定説でした。
Q 旧石器時代と縄文時代の違いは何ですか? ▼
最大の違いは土器の有無と生活様式です。旧石器時代は土器なし・移動生活、縄文時代は縄文土器あり・定住生活。石器も旧石器は打製のみ、縄文では磨製石器も登場します。
Q 代表的な遺跡は何ですか? ▼
岩宿遺跡(群馬県)が最も有名です。ほかに野尻湖遺跡(長野県)ではナウマンゾウの化石と石器が一緒に発掘されており、沖縄の港川遺跡では約1万8千年前の「港川人」の人骨が発見されています。