真珠湾攻撃を簡単にわかりやすく解説【パールハーバー燃える!日本VSアメリカ】

この記事は約10分で読めます。
真珠湾攻撃で攻撃を受けたパールハーバー
もぐたろう
もぐたろう

今回は、日本とアメリカが戦争をするきっかけになった真珠湾攻撃について、わかりやすく丁寧に解説していくね!

この記事を読んでわかること
  • 真珠湾攻撃ってなに?
  • 真珠湾攻撃はなぜ起きたの?
  • 真珠湾攻撃の経過は?
  • 真珠湾攻撃は世界にどんな影響を与えたの?
スポンサーリンク

真珠湾攻撃とは

真珠湾攻撃とは、1941年12月8日、日本がハワイ州オアフ島の真珠湾(パールハーバー)に対して行った奇襲攻撃のことを言います。

日本は当時、日中戦争で中国と戦っていました。

・・・が、アメリカ・イギリスが中国を支援(援蒋ルートABCD包囲網)しているせいで、なかなか中国を倒すことができませんでした。

1941年4月、日本は、アメリカに中国支援をやめさせようと、アメリカと交渉(日米交渉)を開始しますが、11月に交渉は決裂。

日本
日本

こうなったら、邪魔するやつはアメリカもろとも全部叩き潰してやんよ!

こうしてアメリカとの戦争を決意した日本が、先制攻撃でアメリカに大打撃を与えたのが真珠湾攻撃でした。

スポンサーリンク

真珠湾攻撃が行われた時代背景

日本は、アメリカに中国支援をやめさせるため、1941年4月からアメリカとの交渉を始めます。

交渉の中で、アメリカは日本に対して「日本が侵略行為をやめるなら、中国支援の中止を考えてやってもいいぞ」と提案しました。

・・・が、1941年7月、日本は交渉の最中にフランス領インドシナの南部に進軍します。(南部仏印進駐

アメリカ
アメリカ

はっ?交渉中に侵略とかマジありえないんだが?

お前(日本)が交渉中に好き勝手やるなら、俺だって好き勝手やるから覚悟しとけよ。

南部仏印進駐にブチギレたアメリカは、日本への石油輸出を全面的に禁止します。

石油の多くをアメリカに依存していた日本は、石油枯渇の危機に直面しました。

日本に残っていた石油の量は約1年半分。

つまり日本は1年半以内に、『アメリカとの交渉を成功させる』or『アメリカもろとも中国をぶっ倒して日中戦争に勝つ』のどちらかをクリアしない限り、強制的に敗北が確定する・・・ってわけです。

日本
日本

ヤバい、もし日米交渉が失敗したら、アメリカとガチで戦争するしかないぞ・・・。

1941年9月、日本は今後の方針を次のように定めました。

10月上旬までに日米交渉が成功しなかったら、アメリカとの開戦に踏み切る!

※交渉期限は、後に11月末まで延期されました。

もぐたろう
もぐたろう

この方針のことを帝国国策遂行要領ていこくこくさくすいこうようりょうと言います!

・・・結論から言うと、日米交渉はうまくいきませんでした。

11月26日、アメリカ国務長官のハルが、日本に対して厳しい条件案(ハルノート)を突きつけると、日本はアメリカとの交渉を断念。

アメリカ国務長官のコーデル・ハル
アメリカ国務長官のコーデル・ハル

12月1日、時間が残されていない日本は、ついにアメリカとの戦争に舵を切りました。

そして、その一週間後の12月8日、日本は真珠湾への奇襲攻撃を開始することになります。

スポンサーリンク

真珠湾攻撃作戦ができるまで

日本は、日米交渉に失敗することも想定し、交渉と同時並行でアメリカとの戦争準備を進めていました。

対アメリカ戦の立案は、海軍を中心に行われます。アメリカとの戦いは太平洋が戦場になるので、主戦力になるのが陸軍よりも海軍だったからです。

立案の中心人物だったのは、山本五十六やまもといそろくという人物。

山本五十六
山本五十六

山本五十六は、もともと「アメリカは兵力・金・資源のいずれも日本より優っているから、もしアメリカと戦争になれば、長期戦では勝ち目はなく、短期決戦しかない!」と考えていました。

短期決戦を目指すには、敵の重要拠点を一気に叩く必要があり、そのターゲットに選ばれたがハワイ州オアフ島の軍港である真珠湾(パールハーバー)だったのです。

もぐたろう
もぐたろう

ハワイは、アメリカが東アジアに向かう中継地点です。ここを潰してしまえば、アメリカの軍艦は容易に東アジアに近づけなくなり、日本は戦況を有利に運ぶことができるのです。

もちろん、アメリカもハワイの重要性を知っているので、真珠湾は要塞化されていて、簡単に攻略できるわけではありません。

そこで日本は、もし日米交渉が決裂した場合、アメリカが戦時体制に入る前に、速攻による奇襲を仕掛けることを考えました。

もぐたろう
もぐたろう

日米交渉が決裂した時点で、アメリカと日本の関係は崩壊します。すると、アメリカは日本が攻めてくることを想定し、ハワイ島に兵力を集めるはずです。

日本は、そうなる前に真珠湾に奇襲を仕掛けて、アメリカの太平洋艦隊を壊滅させてアメリカの戦意を喪失させよう・・・と目論んだわけです。

もう1つの作戦「南方作戦」

真珠湾攻撃は単独作戦ではなく、実は、東南アジアへの侵攻作戦である南方作戦とのセットで立案された計画でした。

石油不足に陥っていた日本は、石油資源が豊富なインドネシア(当時はオランダ植民地)を占領下に置くため、真珠湾攻撃と同時に東南アジアへも奇襲を仕掛ける計画でした。

南方作戦の計画図
緑のところがオランダ領東インド

真珠湾攻撃は、単にアメリカに大打撃を与えるだけではなく、アメリカの援軍が東南アジアへやってくるのを阻止する、つまり南方作戦を支援する役割も担っていました。

スポンサーリンク

ニイタカヤマノボレ 〜作戦決行〜

11月26日、南雲忠一なぐもちゅういち率いる艦隊がハワイに向けて出発します。

もぐたろう
もぐたろう

交渉が失敗した場合に速攻で真珠湾に攻撃できるよう、日本軍は交渉の結果がでる前から行動を開始していたのです!

南雲忠一
真珠湾攻撃を指揮した南雲忠一

交渉の結果は、暗号文によって南雲に伝えられる予定でした。

交渉成功なら「ツクバヤマハレ」、失敗なら「ニイタカヤマノボレ」です。

11月27日、アメリカからハルノートが示され日米交渉は決裂。

12月1日、日本はアメリカとの開戦を決断。

そして12月2日、南雲の下に暗号文が届きます。

ニイタカヤマノボレ 1208

南雲忠一
南雲忠一

日米交渉は失敗し、真珠湾攻撃は決行。そして決行日は12月8日・・・と言うことだな。

艦隊は、アメリカにバレないよう密かにハワイ島に近づき、12月8日の決行日に備えました。

スポンサーリンク

真珠湾攻撃、開始

12月8日の早朝、空母から約180機もの戦闘機が発進し、戦闘機はアメリカ側に気付かれることなく真珠湾に接近。

そして、AM7時49分、ついに真珠湾攻撃への奇襲攻撃が始まります。

※時間はハワイ時間で表記しています。+19時間で日本時間になります。

戦闘機部隊を指揮したのは海軍中佐の淵田美津雄ふちたみつおという人物。

淵田美津雄
淵田美津雄

今だ!全軍突撃開始!!!

ミッドウェー海戦の日本軍戦闘機部隊の様子
発進直前の戦闘機部隊の様子
淵田美津雄
淵田美津雄

・・・よし、攻撃体制に入ってもアメリカはこちらに気付いていない。奇襲作戦成功だ!!

7時52分、淵田は旗艦にいる南雲へ暗号文を送ります。

トラ・トラ・トラ

暗号文の意味は「ワレ奇襲ニ成功セリ」。

南雲忠一
南雲忠一

よくやった淵田よ!あとはどれだけ戦果をあげれるかだ・・・。

7時55分、ついに爆撃部隊が真珠湾への空爆を開始します。

日本が攻めてくると思っていないアメリカは、接近してくる戦闘機を味方のものだと勘違いします。

おいおい、あの戦闘機、動きが危険すぎるぞ。乗ってるパイロットは誰だ!

・・・ちょっと待って。あの戦闘機ってアメリカ機じゃなくね?

なんか赤い丸のマークついてんぞ!日本の戦闘機じゃねーか!!

ミッドウェー海戦当時の日本の戦闘機
当時の日本の戦闘機

ヤベェ、日本軍がガチで攻めてきやがった・・・。電報を送って早くみんなに伝ええなきゃ・・・!!

真珠湾攻撃さる。これは演習ではない

この電報が各部署に伝わると、アメリカはようやく本格的な警戒体制に入りますが、時すでに遅し・・・でした。

日本の戦闘機は、弾薬庫や軍艦などを次々と破壊し、真珠湾に大打撃を与えます。

・・・ってか、日本の戦闘機強すぎね?

戦闘機で軍艦を破壊するなんて戦い方、聞いたことねーぞ!

めちゃくちゃ強かった日本の戦闘機部隊

当時はまだ、戦闘機は海上戦では補助役にしかならない・・・という考えが当たり前の時代でした。

というのも、当時の戦闘機は次のような理由から敵の軍艦を破壊できないと考えられていたからです。

・レーダーなどの電子機器がなかったため、攻撃精度が低い

・エンジンの出力が低くて、強力な武器(重量のある武器)を搭載できない

・同じくエンジン出力が低いため、航続距離が短い

・・・ところが、日本はこのデメリットを2つの方法で克服しました。

・熟練パイロットの育成

・守備力を犠牲にした機体の徹底的な軽量化

デメリットを克服した日本は、真珠湾攻撃で戦闘機を主戦力として、敵の軍艦を次々と破壊することに成功。

『戦闘機では軍艦を破壊できない』という常識をぶち壊した日本の攻撃に、アメリカは度肝を抜かれました。

真珠湾攻撃の様子
真珠湾爆撃の様子

さらにAM8時54分、日本は第2波攻撃を仕掛けるため、再び全軍突撃を開始。

2回にわたる日本軍の攻撃により、真珠湾は甚大な被害を受けることになります。

実は、アメリカが真珠湾攻撃で敗北した理由は、単に日本軍が強かったというだけではありません。

もう1つ理由としてあったのは、日本が宣戦布告をせずにアメリカに攻め込んだためでした。

※正確に表現すると、宣戦布告しようとしたけど真珠湾攻撃に間に合わず、宣戦布告が攻撃後となりました。

・・・つまり、アメリカから見れば、真珠湾攻撃は無防備なところ襲われた完全な騙し打ちだったのです。

真珠湾攻撃で沈没するアメリカ軍艦
沈没しているアメリカ軍艦
真珠湾攻撃で転覆するアメリカ軍艦
転覆しているアメリカ軍艦(手前側)
真珠湾攻撃で爆発するアメリカ軍艦
爆発しているアメリカ軍艦
スポンサーリンク

真珠湾攻撃は日本の圧勝に終わるけど・・・

真珠湾攻撃の被害状況はザックリとこんな感じでした。

日本の死傷者:約60名

日本の損傷戦闘機数:約100機

アメリカの死傷者数:約3,500名

アメリカの損傷軍艦数:8隻(うち4隻は沈没)

被害だけを見れば、真珠湾攻撃は日本の圧勝です。

しかし、真珠湾攻撃の目的だった「アメリカ軍の東アジアでの戦闘遂行能力を喪失させる」という観点で見れば、真珠湾攻撃は必ずとも成功とは言い切れません。

というのも、日本は真珠湾にいた主力空母2艦の破壊に失敗していたからです。

もぐたろう
もぐたろう

主力空母の2艦は、奇襲当時たまたま真珠湾を離れていて、難を免れていました。

空母ってそもそもなに?

空母とは、航空機を搭載した軍艦のこと。

海上での航空機の離着陸の拠点となる重要な軍艦です。

空母

つまり、空母を破壊し損ねたということは、言い換えれば「アメリカの東アジアでの航空戦力がまだ温存されている」ってことになります。

もぐたろう
もぐたろう

空母が破壊できない代わりに真珠湾を再起不能になるまで破壊しようと、第三次攻撃を行う案もあったけど、味方の被害拡大を恐れて中止となりました。

スポンサーリンク

真珠湾攻撃が世界与えた影響

アメリカ、第二次世界大戦に本格参戦する

真珠湾攻撃を受ける前まで、アメリカは第二次世界大戦に参戦するか方針を明らかにしていませんでした。

というのも、大統領のルーズベルトは参戦に前向きでしたが、国民には「アメリカの青年を戦場に送るな!」と反対の声が多く、ルーズベルトも国民の声を無視できなかったからです。

もぐたろう
もぐたろう

アメリカの戦争への関与は、1941年3月に武器貸与法ぶきたいよほうを制定して味方のイギリスに武器を提供するなど、間接的なものに限られていました。

しかし、日本からの騙し打ちで多くの命を奪われると、アメリカの世論は『リメンバーパールハーバー(真珠湾攻撃を忘れるな)』のスローガンの下、日本との戦争に一気に傾き、真珠湾攻撃の翌日(12月9日)、アメリカは日本に宣戦布告します。

・・・つまり、真珠湾攻撃がきっかけとなり、ついに世界最強の国が本格参戦することになったのです。

さらに12月10日、日本と日独伊三国同盟を結んでいたドイツが、アメリカに対して宣戦布告。

フランクリン=ローズヴェルト

こうして、東アジアの戦いとヨーロッパの戦いが一本の線で繋がり、第二次世界大戦は、名実とも世界を巻き込んだ大戦争に発展していきました。

日本は連戦連勝!奇跡的大勝利へ

同時並行で行われた南方作戦も、日本の連戦連勝が続きました。

真珠湾攻撃と同時に、陸軍を中心に東南アジアのマレー半島に侵攻。

1週間でマレー半島を制圧し、その後は・・・

1942年2月にはイギリス領シンガポール、

3月にはオランダ領東インド(今のインドネシア)

6月にはアメリカ領フィリピン

と次々と敵の領地を占領。東南アジアの制海権も掌握し、日本は神がかり的な大勝利を収めました。

南方作戦の初戦の大成功の理由の1つには、真珠湾攻撃によってアメリカの太平洋艦隊が東アジアにやってくるのを阻止できたことが挙げられます。

もぐたろう
もぐたろう

ただし、アメリカが体制を立て直すと、日本はじわりじわりとアメリカに押されるようになり、1942年6月のミッドウェー海戦での大敗北以降、劣勢に立たされることになります。

アメリカでは真珠湾攻撃をテーマにした映画も作られているよ
【大事なお知らせ】YouTube始めました!!

2024年2月、YouTubeチャンネル「まなれきドットコムちゃんねる」を開設しました。

まだ動画は少ないですが、学生や大人の学び直しに役立つ動画をたくさん増やしていくので、ぜひ下のアイコンからチャンネル登録、よろしくお願いいたします。

この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
WEBメディアを通じて教育の世界に一石を投じていきます。

もぐたろうをフォローする
昭和時代【戦前】
シェアする
もぐたろうをフォローする

コメント