古事記を読むならこの本!オススメの入門書4選【わかりやすく簡単に読める】

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今回は、主観入りまくりの古事記入門書オススメBEST4を紹介してみようと思います。

古事記は、700年頃に編纂された日本国の神話です。世界的にみて、母国の神話を知らない民族はほとんどいません。

しかしながら、日本人はそのほとんど存在しない「母国の神話を知らない民族」なんて言われることもあるようです。現に古事記を内容を知っている方は少ないように感じますし、「古事記」という存在自体を知らない日本人も多くいると思います。

今回は、そんな古事記について以下の3点について語ってみようと思います。

  • 古事記ってそもそも何?
  • 古事記が敬遠されがちな理由
  • オススメの入門書
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そもそも古事記って何?

繰り返しますが、古事記は700年頃に編纂された日本国の神話です。まずは、「古事記はなぜ編纂されたのか?」について簡単に紹介しましょう。

古事記が編纂される前の日本は、実は国家の体をなしていませんでした。日本各地の有力者がやりたい放題やっていて、それを統率する強力な権威と権力を持つ人物が存在しなかったからです。

表面上は天皇が国のトップでしたが、各地の有力者たちの力が強いため、天皇は思うように政治を行うことができなかったわけです。そもそも、天皇という存在も今でこそ血筋によって定められますが、大昔は有力者たちが争いを防ぐため、推薦によって天皇を決定したとさえ言われています。

しかし、672年、そんな日本を大きく変えた出来事が起こります。壬申の乱と呼ばれる内乱です。大海人皇子と大友皇子という人物が皇位の座を巡って争った内乱です。

壬申の乱は大海人皇子の勝利に終わり、大海人皇子は天武天皇として即位します。

壬申の乱の際、天武天皇に敵対した勢力の多くは既得権益を持つ有力者でした。天武天皇が勝利したことで、その有力者たちは一掃され、相対的に天皇の権力と権威は大幅に高まることになりました。

天武天皇は非常に優秀で天才肌な人物であり、このチャンスを逃しません。天皇以外の有力者が簡単に天皇に取って代わることができないよう、天皇の権威・権力を高める政策を次々と実施してゆきます。「日本」という国号もこの頃に決められたとも言われています。(時期は諸説あります)

こうして、日本は強力な権威と権力を持った天皇に統治される統一国家へと変貌していくのです。古事記は、このように日本が大きく変わろうとしているまさしくその時に編纂されたのです。

古事記はなぜ書かれたのか?

なんとなく察した方もいるかもしれませんが、古事記の編纂は先ほど説明したような「天皇の権威・権力を高める政策」の1つでした。特に天皇の「権威」を高めるのに役立ちました。

ここまでわかれば、古事記の編纂目的も自然とわかってきます。古事記の目的とは「天皇は神【天照大神(アマテラスオオミカミ)】の子で神聖な血筋を持つ特別な存在であることを過去の歴史を明らかにすることで証明する!」というものです。

古事記の内容を人々に信じてもらうには、ある程度の信ぴょう性が必要です。天皇の権威を高めるためにデタラメを書いても、信用されなければ意味がありません。そのため古事記は、各地に伝わる伝承などを集め、実際にあったと思われる過去の歴史を調べ上げ、その上に天皇権威を高めるようなストーリーを書き上げる・・・という感じで編纂されました。だから、古事記に描かれている日本神話は全くの作り話ではないんですね。

では、古事記はどれぐらい遡った過去の歴史が描かれているのか?実は・・・「宇宙の始まり」という話まで遡ります。結構壮大な物語なんです古事記って。

古事記では「無」の状態から突如として宇宙が現れます。これは今でいうビックバンに相当する発想です。日本人は、「この世界は未来永劫昔からあった!」とか「世界なんてあって当たり前だろ?」っていう考え方はしなかったようで、昔からこの世界について「よくわかんないけど、この世界にだって始まりがあったはずだ」と考えていたということです。

宇宙の始まりという概念をこの時点で日本人が持っていたというのは、何気に凄いことだと個人的に思っております。

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古事記はなぜ読み手を敬遠させるのか?

さて、話を変えます。ここまで話したら「古事記に描かれている日本神話を読んでみたいぜ!」と思った方もいるかもしれません。

しかし、古事記を読むというのは簡単ではありません。古事記が難解な本と言われる所以は2つあります。

理由その1:神様多すぎ!名前難しすぎ!

古事記が敬遠される理由の1つが登場する神の多さとその名前の難しさです。

例えば、古事記に登場する有名な神様にニニギという神様がいますが、この神様の正式の名は「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」と言います・・・。(汗

それに非常に多くの神様が登場します。そして、そのくせ一回しか登場しない神様ばかりなので読んでいると「そういえばあの神様どうなったんだ?」みたいな神様同士の関係性みたいなものがさっぱりわかりません。(考えると深みに嵌ります・・・)

理由その2:奥が深すぎ!

先ほど古事記は完全な作り話ではない・・・と説明しましたが、それでもやはり天皇権威を高めるストーリー性が重視されています。

事実を無理やりストーリーの中に突っ込んでいるせいなのか、物語や一語一語に秘められている言葉の意味などが非常に奥深く何回であり、詳しい解説がなければもはや素人には意味不明と言っても過言ではありません。

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個人的オススメ古事記入門書

最後に、個人的に思う古事記入門に最適な本を紹介します。おそらく上で紹介した古事記が難しい2つの理由を素人が読んでも解決してくれる本こそが古事記入門にふさわしい本と考えます。

つまり、「神様の多さや名前の難しさに辟易しない構成になっていて、物語の奥に秘められた様々な考察が素人でもわかるように丁寧に解説されている本」こそが古事記の入門書になる・・・というのが私の持論。

ここでは、そんな本たちを紹介してみようと思います。

古事記(まんがで読破シリーズ)

価格の安さとわかりやすさの両方を兼ね揃えるまんがで読破シリーズが個人的第一位でした。古事記入門書としてはコスパ最強です。

「マンガだから表面的な話しか書いてないんだろ・・・」と思いつつ、安かったので試しに読んでみたのですが、マンガなのにマンガとは思えないほど詳しく丁寧な解説がされており、目から鱗な本でした。

何も知らない方でもこの本さえ最初に読んでおけば、入門書としては間違いないと思います。

ただし、マンガ形式であるが故の欠点もあります。それは現代語訳された生の文章がないことです。まんがで読破シリーズの古事記は、省略された形でしか古事記を読むことができません。そのため入門書としてはコスパ最強の本ですが、この本一冊だけでは古事記の全貌を知ることは難しいかもしれません。

しかし、安心してください。現代語訳された古事記が読めて、しかも超丁寧に解説がなされている本がちゃんと存在します。それが次に紹介する本。
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 現代語古事記

TVなどによく出演している竹田恒泰さんの著書です。おそらく古事記を読むならこの本!と言えるほど、古事記入門の王道的な本です。

現代語訳がかなりわかりやすいように工夫されており、素人でも一般的な本を読むのと同じ感覚で日本神話を味わうことが可能です。解説やコラムなんかも豊富で、わかりやすさと詳しさを兼ね揃えたまさにスタンダードな古事記入門書になります。

ただし、文字だけなので「絵とか図が欲しいよ!」っていう人には向かないかもしれません。しかし、ちゃんと古事記を読もうと思ったら現代語訳を読むことは避けて通れないので、最初から「古事記をじっくり読むぜ!」っていう人にはオススメできる本です。

 ラノベ古事記

HPで書かれていたラノベ風古事記がウェブ界隈で有名となり、そのまま書籍化された本です。ちなみに、HPはとても見やすい上に著者の古事記愛がヒシヒシと伝わってきます。

ラノベ風なので全体的にテンション高めというか、テンポよく話が進みます。それでいてとてもわかりやすく丁寧に書かれています。

とても先進的なアイデアで、本当によく出来ているなぁとすごく感心してしまうほど。・・・しかし致命的な問題があります。それは古典ばかり読んでいる私にはラノベ風は合わなかったということ!!(本ではなく自分自身の問題)

おそらく自分が特殊な例だと思うので、多くの人にとってはとても面白く古事記を読める本だと思います。

 まんが古事記

最後に紹介するのは、まんが古事記。まんがで古事記を紹介している本はいくつかありますが、私が気に入ったのは上で説明したまんがで読破シリーズとこの本です。

まんがで読破シリーズは、なんていうか・・・まんが全体に真面目な雰囲気が漂っているんですけど、この本はゆるふわ系でもそんな雰囲気は皆無。もはや古事記という古典ではなく、ただの癒し系マンガを読んでいる錯覚に陥るほど。(汗

子どもや女性の方の入門書としてはとても良い本だと思います。古事記の難しさを全く感じさせない絵と漫画が素晴らしいです。

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日本人なら古事記を読んでおいて損はない

以上、(個人的)古事記入門書オススメBEST4を紹介してみました。母国の神話である古事記は、日本人なら読んで得することはあっても損することはありません。そして、今では素人でも簡単に読める本が数多く出版されています。一人でも多く古事記を読まれる方が増えることを願ってやみません。そして、私もいつかこのサイトで多くを語れるほどの古事記マニアになりたいものです・・・。

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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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