今回は、私がオススメする万葉集の入門書を紹介します。
実はこのブログでは、万葉集の恋の歌について以下のような記事を書いています。
もちろん記事を書く以上、私も万葉集を読みました。そこで私が思った感想は、「万葉集を読むのって意外とハードル高っ!」というもの。そして万葉集を味わうためには、具体的に2つのハードルが立ちはだかります。(これは後でちゃんと説明します!)
万葉集の話を簡単にした後に、オススメする入門書について紹介してみたいと思います。
そもそも万葉集とは?
本当にざっくりとですが、万葉集とは何か?について説明しましょう。
万葉集はいわゆる昔の歌集です。600年代後半〜700年代後半に編纂されたと言われています。つまり、万葉集は主に奈良時代に作られた歌集ということです!
万葉集に残っている歌は、基本的に五・七・五・七・七の短歌がメイン。私たちが日常で聞く歌とは雰囲気は全く違います。
今でこそ和歌は主に趣味の世界で行われるもので、多くの人にとって日常とは無関係です。しかし、奈良時代や平安時代はそうではありませんでした。当時は政治や宴会、恋愛などにおいて和歌が頻繁に歌われ、日常生活に和歌が溶け込んでいる時代でした。多くの人が和歌を愛し、特に人々の心に響く和歌を多く歌う者は注目の的でした。和歌の才が天皇に認められ、天皇に近侍する者もいたほどです。
万葉集のハードルが高い2つの理由
さて、冒頭に話をした「実は万葉集ってハードルが高い!」という話ですが、具体的には次の2つの点がハードルになります。
ハードルその1:歌を読んだ人物や時代背景を知らないと歌を味わえない
ハードルその2:歌に用いられる言葉には、1つの言葉を採っても様々な意味が込められていて解説がないと理解することができない
この2点が、万葉集を読む上で高いハードルとして存在します。・・・ということは、歌を読んだ人物像やその時代背景のこと、歌の言葉1つ1つの意味を、素人でもわかるぐらいわかりやすく丁寧に説明してくれている本こそが、万葉集の入門書として最適の書ということになります。
私はいくつかの本を読みましたが、最終的に次のような結論に至りました。
「なんかよくわかんないけど、図とか絵があると頭にスーッと入ってくる!」という結論です。
では、私が初心者にオススメしたい万葉集入門書を紹介します。
万葉集【まんがで読破シリーズ】
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おそらく、この記事を書いている時点で一番リーズナブルで万葉集入門に最適なのがまんがで読破シリーズです。
マンガで読むと理解度が格段に違います。このような歴史系マンガは、「とりあえずマンガにしました!」的なストーリー性や流れが皆無の漫画も多いですが、まんがで読破シリーズでのこの本はしっかりと流れが考えられていてとても読みやすい構成になっています。
そして、このマンガの最大の特徴は、歌い手の人物像や当時の時代背景にかなりの労力を割いていることです。万葉集の本って、当然ですが歌そのものを中心に説明している本が多いです。ところが、入門書を読もうとする人にとっては、歌の説明をされても時代背景が理解できていないから、何を言っているのかさっぱりわからないんですね。その点、このまんがで読破シリーズは非常に優秀だと思います。それに、著者の意見も面白いものが多いです。
このブログで紹介している事件や人物もたくさん登場するので、このブログを活用しながら読むと良いかもしれません(宣伝)。
楽しくわかる万葉集 (図解雑学)
まんがで読破シリーズと同じく図が多くてわかりやすいのが、図解雑学シリーズ。まんがで読破シリーズと比べ時代背景の話が少ないですが、歌自体の解説が多いのが特徴です。「この言葉にはこんな意味があるんだよ」的な話はこちらの方が多い印象です。
それに加え、コラムとして当時の文化や風習の解説も多く載っており、「万葉集が編纂された時代、人々はどんな生活をしていたの?」という点は非常にわかりやすいです。万葉集は、当時の人々の日常を歌った歌も多いので、当時の人々の生活を知ることはとても重要です。
万葉集ビギナーズ・クラシックス (角川ソフィア文庫)
最後にオススメするのは、ビギナーズ・クラシックスシリーズです。上で紹介した2つの本に比べ、図や絵がないのでわかりやすさという点では上記2つの本には及ばなそうです。
しかしながら、掲載されている歌の数は3冊の中でこの本がダントツです。しかも解説もかなり詳しいです。「図や絵がない」という点を除いては、入門書としてはかなりパーフェクトに近い本だと思います。(私は、図や絵がないと理解が進まなかったので3番目ですが・・・)
まとめ
万葉集はとても有名な和歌集ですが、1300年前の歌集ということもあり、なかなか取っ付きにくい感じがあります。しかし、現代では万葉集をとてもわかりやすく解説してくれている本も多く存在します。
「何も知らないけど万葉集を読んでみたい」という方には、ぜひ入門書を手にとってその面白さを味わっていただければ・・・と思います!
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