(出典:http://ranshi2.way-nifty.com/blog/2014/05/post-c391.html)
京都の五重塔と言えば、東寺(教王護国寺)の五重塔!京都に電車で行くとき、車窓から五重塔を眺めると「京都に来たぞー!」って感じになりますよね。
東寺は、世界遺産に登録されていますが、立地的には京都駅の近くにあって、交通の便も良いです。
今回は、東寺について、特に立体曼荼羅(りったいまんだら)について見ていきます。
東寺は空海のお寺!
東寺は、空海が嵯峨天皇から与えられたお寺で真言宗のお寺になります。
今回は、曼荼羅の話をメインにしようと思うので、空海と真言宗については省略しますが、別の記事で詳しく説明していますので気になる方は以下の記事をどうぞ!
【空海について】
2015年は高野山開創1200年!弘法大師空海のことを知って高野山に行こう!その3
空海「俺、天才で協調性もあって運も良すぎワロタww」【最澄と空海、平安時代の偉人を知る】
【真言宗について】
2015年は高野山開創1200年!弘法大師空海のことを知って高野山に行こう!その1
2015年は高野山開創1200年!弘法大師空海のことを知って高野山に行こう!その2
天台宗って?真言宗って?わかりやすく教えます!【空海と最澄、2人の偉人を知る】
東寺に来たら立体曼荼羅を見逃すな!
東寺と言えば、やはり有名なのが立体曼荼羅です。その迫力と世界観に圧倒されること間違いなしです。
しかし、東寺を観光する際にとても残念なことが1つあります。それは見に行く多くの人が曼荼羅について知らないこと。私もその1人でした(汗
まぁ、知らなくてもその迫力は楽しめるのですが、やはり知っているとさらに楽しめたのではないかと少し後悔しています。
というわけで、曼荼羅について見ていきます。
曼荼羅は、仏さまの教えや世界観を人間でもわかりやすいよう描いたもの
(当時にある金剛界曼荼羅)
曼荼羅は、仏さまの教えや世界観を視覚的にわかりやすく表現しようという意図を持って作成されたものです。
しかし、残念ながら、せっかくわかりやすく表現してくれているのに、凡人の私には何を表現しているのかさっぱりわからない!(汗
一般的に仏さまの世界観は2つの曼荼羅によって描かれるのが普通です。それが金剛界曼荼羅(こんごうかいまんだら)と胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)。
金剛界曼荼羅も胎蔵界曼荼羅も、仏さまの教え(真理)を表現していて、金剛界曼荼羅は真理の論理的側面(知恵)を、胎蔵界曼荼羅は真理の実践そのものを表現しています。
上の絵は金剛界曼荼羅で、下のは胎蔵界曼荼羅です。合わせて両界曼荼羅と言ったりします。
【東寺の胎蔵界曼荼羅】
ぶっちゃけて言うと、素人には、何がどうなっているのかさっぱりわかりません!(キッパリ)
が、曼荼羅は、仏の教えを視覚的にわかりやすく表現しよう!という人々の努力の賜物であるということは知っておいてください。(実際にそれを理解できるどうかは別問題・・・ということにしましょう!)
空海「絵じゃよくわからんから、3Dで曼荼羅作るわ」
いきなりですが、空海は天才です。アイデアや発想がやはりすごい。
空海は、仏さまの世界観を絵ではなく、仏像とその配置を用いて表現しようと考えます。これが立体曼荼羅です。
この立体曼荼羅は、空海オリジナルの曼荼羅で金剛界とも胎蔵界とも違う曼荼羅です。空海が作った当時の曼荼羅は羯磨(かつま)曼荼羅と呼んだりします。(ただし、金剛界をモチーフにしているようです。)
空海の着眼点は、「私たちが信仰している仏さまの世界観をわかりやすく表現したい」ということ。
さて、空海が作り上げた仏世界はどのようなものだったのでしょうか?
3つの世界がある!如来と菩薩と明王
(出典:http://www5a.biglobe.ne.jp/
~kazu_san/hyaku_mandara.htm)
立体曼荼羅は大きく3つに分けることができます。
真ん中の如来の世界。
見学者から見て右に位置する菩薩の世界
左に位置する明王の世界。
それぞれ簡単に説明していきます。
・・と、その前に。「如来」「菩薩」「明王」って何か知っていますか?知らない方はまずはこの記事を見ていただければと思います!
【如来について】
京都観光の前に知っておきたい仏像の豆知識
【菩薩について】
京都観光の前に知っておきたい仏像の豆知識その2
【明王について】
京都観光の前に知っておきたい仏像の豆知識その3
如来の世界。大日如来は万物を司る超凄い仏さま
(出典:wikipedia「東寺」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%AF%BA)
上の画像で、右上の印を結んでいるのが大日如来と言う仏像です。
大日如来は、空海が信仰していた真言宗と言う宗派の根幹に位置する超重要な仏さま。万物をつかさどる仏であり、宇宙そのものです。
は?と思われた方は、別の記事でも大日如来について触れていますので、こちらの記事もどうぞ!
2015年は高野山開創1200年!弘法大師空海のことを知って高野山に行こう!その1
2015年は高野山開創1200年!弘法大師空海のことを知って高野山に行こう!その2
というわけで、立体曼荼羅の中心には、偉大なる大日如来が位置しています。
菩薩の世界。人々を救うため、慈悲を司る菩薩が集まる場所
智と慈悲で人々を救う能力を持った菩薩たちが集まっています。
金剛~~と難しい名前が付いていますが、感覚的には阿弥陀如来と似たような役割と考えてしまってよいと思います。
明王の世界。人々を煩悩に侵されぬよう怒りの形相で守り続ける
(東寺の不動明王。出典:http://kyonara.xyz/archives/cat_737726.html)
明王は、人々を煩悩から守るため、怒りの形相で人々を守ってくれます。
明王は、仏さまと人間世界の狭間に存在していて、その世界は煩悩が仏世界に入り込まぬよう火炎で燃え盛っていると言われています。そのため、明王の後ろには炎が描かれていることが多いです。
東寺の立体曼荼羅で一番お勧めしたいのは明王かもしれません。なぜかというとカッコいいから!!特に下の降三世(ござんぜ)明王は超カッコいいので、東寺に行ったらぜひ見てみて!!
【降三世明王】
まとめ
空海の思い描く仏さまの世界とは、真言宗最大の如来である大日如来を中心に、人々を慈悲の心で救う菩薩と怒りの形相で人々を守る明王が両脇に控えるような世界なのでした。
実は、立体曼荼羅の中には、今回紹介しなかった有名な仏像が存在しています。それが帝釈天(たいしゃくてん)です。
東寺の帝釈天は、仏像界にイケメンコンテストがあったとすれば、その中でもトップレベルに入るであろう超イケメン仏像として有名です。
次回は、帝釈天について説明します。帝釈天とはなんぞや?という人でもわかるのでご安心を!
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