

今回は、京都の世界遺産東寺(教王護国寺)について、わかりやすく丁寧に解説していくよ!
「古いお寺」ってイメージが強い東寺だけど、実は1200年前の空海が仕掛けた前代未聞の立体アート空間なんだ。仏像界のイケメンも潜んでいるよ!見どころたっぷり紹介していくね!
立体曼荼羅とは?読み方と意味をサクッと解説
立体曼荼羅とは、空海が東寺の講堂に構想した、仏像21体を使って仏さまの世界観を3次元で表現した曼荼羅のことです。
通常、曼荼羅は絵画として描かれますが、空海は「絵では伝わりにくい」と考え、仏像そのものを配置して立体的に表現するという画期的な方法を考案しました。
空海の指示のもと制作が進められましたが、完成は839年(承和6年)のこと。空海は835年にすでに入定(亡くなること)しており、弟子たちの手によって空海の遺志が完成に導かれました。

今でいうと、教科書のイラストじゃピンとこないから「立体模型を作っちゃった!」っていう感じだね。空海の発想力がすごすぎる!
立体曼荼羅の読み方は「りったいまんだら」。正式名称は羯磨曼荼羅。テストでは「立体曼荼羅」で出題されることが多いので、こちらの名前を覚えておけばOKです。
東寺はどんなお寺?空海が嵯峨天皇から託された寺
東寺(教王護国寺)は、796年(延暦15年)に平安京の造営にあわせて建てられた官寺です。
平安京の正門である羅城門の東側に建てられたことから「東寺」と呼ばれました。ちなみに西側には「西寺」もありましたが、こちらは衰退して現存していません。

官寺ってなに?

官寺っていうのは、国が建てたお寺のことだよ。今でいう「国立の施設」みたいなイメージに近いかな。だから東寺は空海が建てたわけじゃなくて、もともと国のお寺だったんだ。
823年(弘仁14年)、嵯峨天皇は、唐から帰国して密教を広めていた空海に東寺を下賜します。

空海は東寺を真言密教の根本道場と定め、ここを拠点に密教の布教を行いました。空海が東寺を預かるにあたって、「他の宗派を排して真言密教の専用道場にする」という条件を出したと伝わっています。

この東寺は、真言密教だけのための道場とする。他の宗派は入れぬ。——それが、わたしが引き受ける条件だ。
1994年には「古都京都の文化財」の構成資産のひとつとして、ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。

ちなみに、東寺は京都駅から歩いて約15分のところにあるよ。京都観光でアクセスしやすいのも魅力だね!

曼荼羅とは?仏さまの世界観を描いたもの
立体曼荼羅の話に入る前に、まずそもそも「曼荼羅」とは何なのかを押さえておきましょう。
曼荼羅とは、仏さまの教えや世界観を、視覚的にわかりやすく表現しようとして描かれた図のことです。
仏さまの世界観は、一般的に2種類の曼荼羅で描かれます。


金剛界曼荼羅…金剛頂経に基づき、大日如来の智慧の世界を表現。悟りに至る方法・プロセスを示しています。
胎蔵界曼荼羅…大日経に基づき、大日如来の慈悲が放射状に広がる世界を表現。悟りの本質そのものを示しています。
この2つを合わせて両界曼荼羅と呼びます。

正直、曼荼羅を見ても素人には何がどうなっているのかさっぱりわからない…!でも、「仏さまの教えをわかりやすく伝えたい」という人々の努力の結晶なんだよ。
空海「絵じゃ伝わらん。3Dで曼荼羅を作るぞ」

絵で描いた曼荼羅では、仏さまの世界観は本当には伝わらぬ。ならば、仏像そのものを配置して立体で表現すればよい。
空海は天才です。
絵で描かれた曼荼羅では仏さまの世界観がなかなか伝わらない。そう考えた空海は、仏像とその配置によって曼荼羅を立体的に表現するという、前代未聞のアイデアを思いつきます。
この空海オリジナルの曼荼羅が立体曼荼羅です。当時は羯磨曼荼羅と呼ばれていました。金剛界曼荼羅をモチーフにしつつも、どちらの曼荼羅とも異なる空海独自の世界観が表現されています。

羯磨曼荼羅って何て読むの?難しすぎない…?

「かつままんだら」って読むよ。覚えなくても大丈夫。「立体曼荼羅(りったいまんだら)」で通じるからね!
立体曼荼羅は3つの世界でできている
東寺の講堂に足を踏み入れると、合計21体もの仏像が整然と並んでいます。
この21体は、大きく3つのグループに分かれて配置されています。

21体のうち16体は空海の時代のオリジナルで国宝に指定されています。残りの5体は1486年の土一揆で講堂が焼失した際に損傷し、室町〜江戸時代に補作されたもので重要文化財です。
■中央:五智如来の世界(5体)

立体曼荼羅の中央には、大日如来を中心とした五智如来(5体)が鎮座しています。
大日如来は、空海が信仰した真言宗における最高の仏さま。万物をつかさどり、宇宙そのものとされる存在です。

大日如来はいわば「仏さまの中の仏さま」。いわば、宇宙の創造主のような圧倒的存在です
立体曼荼羅の真ん中にドーンと座っている姿は圧巻だよ!
■向かって右:五大菩薩の世界(5体)
向かって右側には、金剛波羅蜜多菩薩を中心とした五大菩薩(5体)が並んでいます。
菩薩は、人々を智慧と慈悲の力で救う存在。今でいうと「困っている人に寄り添うカウンセラー」のようなイメージです。
■向かって左:五大明王の世界(5体)

向かって左側には、不動明王を中心とした五大明王(5体)が睨みを利かせています。
明王は、人々を煩悩から守るため、怒りの形相で仏の世界を守護する存在です。明王の背後に炎が描かれているのは、煩悩が仏の世界に侵入しないよう燃え盛る結界を表しています。

明王は仏様の「ボディガード」みたいな存在だね。菩薩が優しく救うのに対して、明王は怒りの力で悪から守ってくれるんだ。このギャップが立体曼荼羅の面白いところ!


個人的に一番のおすすめは降三世明王。複数の腕で武器を持ち、足元で邪鬼を踏みつけている姿がカッコよすぎる…!東寺に行ったら絶対見てほしい!
■守護神たち:梵天・帝釈天・四天王(6体)
如来・菩薩・明王を取り囲むように、梵天・帝釈天(2体)と四天王(4体)が配置されています。
こうして5+5+5+2+4=合計21体の仏像が、空海の思い描く仏の世界を壮大に表現しているのです。

空海が伝えたかった仏の世界とは、宇宙の中心にいる大日如来を、慈悲の菩薩と怒りの明王と守護神たちが支える壮大な世界だったんだね。
仏像界のイケメン!帝釈天騎象像
立体曼荼羅の中でもひときわ人気が高い仏像があります。それが帝釈天騎象像です。

白象の上に半跏の姿勢で優雅に座るその端正な姿から、「仏像界のイケメン」として多くのファンを持つ国宝です。

帝釈天ってそもそもどんな存在なの?なんで象に乗っているのかしら?
帝釈天は、もともとインド神話の雷神・武神「インドラ」です。
仏教に取り込まれたあと、梵天と並ぶ二大護法善神(仏法を守る神)となりました。
インド神話時代には阿修羅と激しい戦いを繰り広げたことでも有名で、「修羅場」という言葉は帝釈天と阿修羅の戦場が語源になっています。

帝釈天が白象に乗っているのは、インドの神さまだった頃の名残なんだ。象に乗っている帝釈天像は実は珍しくて、東寺のものは特に有名だよ。
「イケメン」かどうかは、ぜひ実物を見て自分の目で確かめてみてね!写真では伝わらない凛とした存在感があるよ!
五重塔は日本一の高さ!
東寺のもうひとつのシンボルが五重塔です。
高さは約55メートル。現存する木造の塔としては日本一の高さを誇ります。
ただし、現在の塔は初代ではありません。落雷による焼失を4回経験しており、1644年(寛永21年)に徳川家光の寄進によって再建された5代目です。国宝に指定されています。

4回も燃えちゃったの!?それでも再建し続けるってすごいわね…。

京都に電車で行くと車窓からこの五重塔が見えるんだ。「京都に来たぞー!」って気分になるから、ぜひ窓の外を見てみてね!
テストに出るポイント
東寺と立体曼荼羅は、高校日本史で頻出のテーマです。以下のポイントを押さえておきましょう。
ポイント①:東寺と空海の関係
東寺は796年に国が建てた官寺。823年に嵯峨天皇が空海に下賜し、真言密教の根本道場となった。
ポイント②:立体曼荼羅とは
空海が構想し、839年に弟子たちの手で完成。仏像21体で仏の世界観を3次元的に表現した、空海独自の曼荼羅。正式名は羯磨曼荼羅。
ポイント③:五重塔
高さ約55メートル。現存する木造の塔としては日本一。現在の塔は1644年に徳川家光が寄進した5代目。

テストでは「空海が東寺に作った立体曼荼羅」「東寺を真言密教の根本道場にした」あたりが定番の出題パターンだよ。しっかり覚えておこう!
東寺の歴史年表
- 796年平安京造営に伴い東寺が建立される
- 823年嵯峨天皇から空海に東寺が下賜される。真言密教の根本道場に
- 835年空海が高野山で入定(死去)
- 839年立体曼荼羅(羯磨曼荼羅)が完成。講堂に21体の仏像が安置される
- 1486年土一揆で講堂・金堂など伽藍の大半が焼失
- 1644年徳川家光の寄進により五重塔(5代目)が再建される
- 1994年「古都京都の文化財」としてユネスコ世界文化遺産に登録
よくある質問
「りったいまんだら」と読みます。正式には羯磨曼荼羅(かつままんだら)とも呼ばれます。東寺の講堂にある、空海が構想し仏像21体で仏の世界観を3次元的に表現した曼荼羅のことです。
空海(弘法大師)が構想し、弟子たちの手で839年に完成しました。空海は835年に入定しているため、完成は空海の没後4年のことです。絵で描くのが一般的だった曼荼羅を、仏像の配置によって立体的に表現するという空海独自のアイデアです。
東寺の帝釈天騎象像は、白象の上に半跏の姿勢で座る端正で凛とした顔立ちが特徴です。写真では伝わりにくい、実物ならではの存在感があり、「仏像界のイケメン」として多くのファンを持っています。国宝に指定されています。
約55メートルで、現存する木造の塔としては日本一の高さです。現在の塔は1644年(寛永21年)に徳川家光の寄進で再建された5代目で、国宝です。
嵯峨天皇です。823年(弘仁14年)に東寺を空海に下賜しました。空海はこれを真言密教の根本道場として、他の宗派を排する条件のもとで管理しました。
まとめ
東寺(教王護国寺)は、空海が真言密教の理想を形にした特別なお寺です。
立体曼荼羅の21体の仏像は、大日如来を中心に、慈悲の菩薩・怒りの明王・守護神たちが織りなす壮大な仏の世界を表現しています。空海の「仏さまの世界を、もっとわかりやすく伝えたい」という想いが、この唯一無二の空間を生み出しました。

以上、東寺の立体曼荼羅と帝釈天・五重塔の解説でした!京都観光の前にこの記事を読んでおくだけで、東寺を10倍楽しめるはず。ぜひ足を運んでみてね!
空海や仏像についてもっと詳しく知りたい人は、下の記事もあわせて読んでみてください!
東寺公式サイト(toji.or.jp)「空海と東寺」「立体曼荼羅」「五重塔」
Wikipedia日本語版「東寺」「帝釈天」「曼荼羅」「空海」
コトバンク「帝釈天」(日本大百科全書)
コトバンク「東寺」(デジタル大辞泉)
和樂web「東寺1200年の歩み」








