知っておきたい仏像の豆知識。京都観光の前に知っておきたい仏像の豆知識の続編です。
前回は如来の紹介をしました。今回は「菩薩」について紹介します。
菩薩を知る
菩薩は、如来の側近として如来の両脇に配置されていることが多いのですが、どの如来にどの菩薩が配置されるのか決まりがあります。
もちろん、如来単体でいることもあれば、菩薩単体でいることもあります。ケースバイケースですね。
文殊(もんじゅ)菩薩と普賢(ふげん)菩薩<釈迦如来の側近>
文殊菩薩は、知の仏様。「3人寄れば文殊の知恵」という有名なことわざは、この文殊菩薩が由来になっています。
普賢菩薩は、慈悲の仏様。慈悲の心で人々を救うため、頑張っています。
【右】が文殊菩薩、【左】が普賢菩薩。
観音菩薩と勢至(せいし)菩薩<阿弥陀如来の側近>
観音菩薩は、京都を観光するならまず行きたい!清水寺!でも少し紹介しました。観音菩薩は、慈悲の仏で人々を救うのが仕事。
ちょっと小さいですが、真ん中の阿弥陀如来の両脇にいるのが勢至菩薩と観音菩薩です。
おそらく、菩薩の中で一番京都で多くみられるのがこの観音菩薩です。人気があったんですね。というわけで、ちょっと詳しく紹介しましょう。
観音菩薩の面白いところは、人々を救うためいろんな姿に変化することです。変化は33種あると言われています。
種類ごとにいろんな能力があるのですが、その中で、救済力が最強なのが千手観音菩薩です。この名を聞いたことがある方も多いと思います。
なんか、変化とか能力とかアニメや漫画の世界みたいになってきましたね(汗)。でも、観音菩薩は本当にアニメや漫画に登場することも多いです。特にパワー最強の千手観音は人気があります。
観音菩薩で有名なのは、三十三間堂(蓮華王院)!
1001体の千手観音があります。その様子は本当に圧巻。ただでさえ最強の千手観音が1001体もあるのですから、相当のご利益があるのではないかと勝手に思っています!
個人的京都おススメランキングTOP3位に入ります!
三十三間堂(蓮華王院)の記事については
京都を観光するなら必見!三十三間堂(蓮華王院)その1
京都を観光するなら必見!三十三間堂(蓮華王院)その2
をご覧ください。三十三間堂はおススメですよ!!
ちなみに、観音菩薩でも最強パワー千手観音は、阿弥陀如来の側近というよりも、単体で置かれていることが多い印象を受けます。
もう1つ豆知識!
千手観音と言っても、実際の仏像には1000本も手はありません。42本(左右21本ずつ)に省略されていることが多いです。
次は勢至菩薩。勢至菩薩は、知恵の仏。水瓶の中の霊水で汚れを洗い出します。
観音菩薩と比べてこの内容の短さ(汗)。
日光菩薩と月光菩薩<薬師如来の側近>
日光菩薩は、慈悲の仏。
月光菩薩は、知恵の仏。
【手前】が日光菩薩、【奥】が月光菩薩
如来の側近たちはみな知恵と慈悲の仏です。日光と月光という名もアニメや漫画でよく出てきますね!
エンターテインメントに仏さまが頻繁に現れるのは日本特有の文化な気がします。
大日如来の側近は?
実は、大日如来には側近となる菩薩がいません。大日如来は釈迦・阿弥陀・薬師よりも上に君臨する存在なので、菩薩じゃ力不足というわけ。
大日如来は宇宙そのものなので単体でいる場合が多いですし、両脇に仏さまが配置される場合にも、釈迦如来とか阿弥陀如来が配置される場合が多いです。
大日如来は別格なんですね!
座像と立像の違い
仏像を見ていると座っている仏像もあれば、立っている仏像もあります。
あまり意識することも少ないのですが、実は、座像と立像にはそれぞれ暗黙的な意味が込められています。
座像は、どっしりと構えたリーダー的存在。
如来は基本的に座像です。悟りを開いた境地を生かしてブレイン的な役割を果たします。
立像は、座像に従って行動する実働部隊。
すぐ人々のために行動できるよう立っています。如来よりも人々に近しい存在のため、菩薩単体で信仰されているのが観音菩薩!
まとめ
今回は「菩薩」について紹介しました。仏の世界にもいろいろあるということを知っていただければ嬉しいです。
次はちょっと変わった菩薩「弥勒菩薩」と「明王・天部」について紹介します。
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