承和の変(じょうわのへん)とは?超わかりやすく解説【恒貞親王と藤原良房】2/2

tunesada

【恒貞親王】

前回は、承和の変に至るまでの流れを説明しました。

遂に承和の変の本編に突入します。

全編を読んでいない方はまずは全編をどうぞ

承和の変とは。淳和「天皇なんて嫌」嵯峨「いいから即位しろ」1/2

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恒貞を排除し文徳を天皇にしたい藤原良房

jowanohen

文徳の母は、藤原良房の妹です。

藤原良房は、文武から見るとおじに当たります。良房は、文徳に天皇になってもらい、天皇のおじとして強大な権力を築こうとしていました。(将来的に良房は自分の子を文徳天皇の嫁とすることで外戚にまで上り詰めます。)

そして月日は流れ、840年、淳和上皇が他界。おそらく、恒貞親王の命運を悟っての死であったろうと思います。淳和天皇は、日本史の流れの中では非常に地味な存在ですが、その無私無欲で思慮深く、自らを省みず天皇家の平和を望む生き様は、人を惹きつける魅力に満ち溢れています。

さらに2年後、842年7月、嵯峨上皇が病に倒れます。嵯峨・淳和の両上皇は大御所として政界のパワーバランスをうまくコントロールしていましたが、最後の嵯峨の命の灯が消えようとしていたとき、遂にパワーバランスが崩れます。

文徳を天皇にしたい藤原良房派VS恒貞親王を天皇にしたい一派

の政変が勃発します。これが承和の変です。

承和の変。漏れる機密情報

嵯峨上皇の死が間近になり先に行動に移したのは、恒貞親王の側近だった伴健岑(とものこわみね)とその仲間の橘逸勢(たちばなのはやなり)でした。

前述のとおり、仁明天皇の嫁は藤原良房の妹であり、当時の情勢としては恒貞派の勢力よりも圧倒的に良房の方が強かったのです。

そこで、伴健岑らは恒貞を連れて東国へ逃亡し、そこで勢力を拡大しようと考えます。この時代、東国というのは、天皇の力が強く及ばないある意味で新天地だったわけです。

しかし、この情報が良房と仁明天皇に伝わります。とある筋からリークされてしまうのです。

「情報は時に千の兵より重し」

これで勝敗が決します。

恒貞派の排除。藤原良房の時代へ

842年7月15日、嵯峨上皇が逝去。その2日後の7月17日、良房・仁明天皇は入手した情報に基づき先手必勝の行動にでます。

伴健岑と橘逸勢らを、クーデターの疑いで逮捕、その後左遷させます。この電撃作戦により恒貞派が動き出す前にすべてが終わりました。

恒貞親王は、昔に皇太子になることを拒否した経緯も関係したのでしょう。恒貞親王は首謀者ではないと判断されたため、流罪を免れ、皇太子廃止という処罰だけで済みました。というか、恒貞親王は皇太子になるのを嫌がっていたのでむしろホッとしたかもしれません。恒貞はその後、出家し大覚寺(生前の嵯峨上皇が住んでいたところ)でひっそりと暮らしました。

邪魔者をすべて排除し、文徳が皇太子となり、良房は強大な権力を手に入れました。

さて、承和の変はなぜ起こったのか。

承和の変はなぜ起こったか -両統迭立-

両統迭立(りょうとうてつりつ)とは、天皇家が2つに分断すること。承和の変で言えば、淳和と嵯峨の血統です。

奈良時代からの反省 -桓武天皇の意思-

奈良時代、天皇家を聖武天皇の血統に絞ってしまったがために、聖武天皇の子が早逝してしまい聖武系の天皇家断絶の危機に陥りました。そこで即位したのが、女帝の孝謙天皇。

そして、このドタバタ騒動に上手く便乗して、天武→聖武の血筋を絶ち、皇位を勝ち取ったのが天智天皇の子孫である桓武天皇です。

桓武天皇は、奈良時代の過ちを二度と犯さぬよう次の慣習を造り上げます。

1.天皇即位後、すぐに皇太子を指名すること

2.皇太子の指名にあっては、桓武の血が断絶しないよう兄弟で協力すること

こうして、必ず皇太子を立て、血統を1つに限定しないことで桓武系の血が断絶することを防ごうとしたのですが、逆に正当な皇位継承者が増えてしまい、争いが増してしまいます。

それが、平安時代前半の2大政変である薬子の変承和の変の根底にある問題でした。

摂関政治の芽生え

承和の変は、両統迭立に起因する政変であったため、その後同じ過ちを繰り返さないよう天皇の系統を一本化する動きがでてきます。こうして嵯峨、淳和、平城とばらばらだった天皇の系統ですが、嵯峨天皇の系統が正式な天皇家となっていくのです。

そして、良くも悪くも藤原氏が摂関政治を行い、力を強めていくことで官僚内での争いの次第に少なくなっていき、つかの間の平和な時代が訪れるのです。

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