仁和寺の見所や豆知識を簡単に解説!その2【門跡寺院の魅力】

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(出典:京都の開運写真館 印鑑ダルマ屋

 

※この記事は、仁和寺の歴史と見所を簡単にわかりやすく【宇多天皇の想い】その1の続きです。

 

前回の記事では、仁和寺を創立した宇多天皇の話が中心で仁和寺の見所の話をできなかったので、今回は仁和寺の見所と豆知識について紹介したいと思います。

 

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仁和寺の特徴は華やかさ・優雅さ

 

前編(仁和寺の歴史と見所を簡単にわかりやすく【宇多天皇の想い】その1)で説明したように、仁和寺は昔から皇族が住職を務めた由緒あるお寺です。そのため、お寺と言いつつも御所(天皇が住むところ)と似たような雰囲気があります。

 

仁和寺に行ったら、他の寺院とは少し違った優雅で華やかな雰囲気を感じてみてください。実際に行ってみると、他の寺院との雰囲気の違いがわかるはずですよ。

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御室桜(おむろさくら)

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さて、仁和寺と言えば、一番有名なのは桜。

 

仁和寺の桜は、御室桜(おむろさくら)というちょっと変わった呼び方をされています。

 

御室(おむろ)って何?

前編(仁和寺の歴史と見所を簡単にわかりやすく【宇多天皇の想い】その1)で紹介したように、宇多天皇は仁和寺の初代住職(門跡)となり、晩年、仁和寺で暮らしていました。

 

その宇多天皇のが住んでいた場所のことを御室(おむろ)と呼ぶようになりました。さらに、仁和寺は宇多天皇以降も多くの皇族が門跡(皇族の住職)としてそこに暮らすようになり、そうすると仁和寺自体が次第に御室と呼ばれるようになりました。現在では京都市の地名でも「御室」という地名が用いられています。

 

仁和寺が御室と呼ばれるようになり、そして仁和寺に咲く桜が御室桜と呼ばれるようになったのです。

 

御室桜の特徴 -普通の桜より丈が小さい-

御室桜は、他の桜には見られない大きな特徴があります。御室桜は、遅咲きで一般的な桜より丈が低いです。

 

そんな独特な特徴も、仁和寺の桜が「御室桜」と固有名詞となった理由の1つかもしれません。

江戸時代から庶民に愛され続けた御室桜

御室桜は、江戸時代の頃から庶民に愛され続けてきたということが記録からわかっています。江戸時代の人々と同じ桜を見ていると冷静に考えてみると、感慨深いものがあります。

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見所その1:ニ王門

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(出典:京都の開運写真館 印鑑ダルマ屋

 

仁和寺の中で一番インパクトが強くて印象に残るのが、入口の巨大な門です。ニ王門と言います。

 

京都には、三大門と呼ばれる3つの巨大な門があります。三大門は、

・知恩院

・南禅寺

・仁和寺

 

にある3つ門を言い、仁和寺もその中に含まれています。

 

門は、お寺の入り口。重要な入り口には、大きな門を構えることが多いです。仁和寺の門も皇族が住む場所にふさわしい立派な門を構えています。

 

二王門の豆知識

京都三大門は、知恩院・南禅寺・仁和寺の門ですが、知恩院・南禅寺は鎌倉時代以降の建築様式が採用されていますが、仁和寺の門だけが唯一平安時代の建築様式となっています。

 

・・・と言っても、素人には違いはよくわかりません(汗

門の両脇には仁王像 -阿吽(あうん)の呼吸-

img_1937 (出典:京都の開運写真館 印鑑ダルマ屋

 

仁和寺のニ王門の名は、門の両脇に安置されている仁王像(におうぞう)に由来します。

 

仁王像は、別名「金剛力士像」とも呼ばれます。仁王像は2体セットでそれぞれ阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)と言います。口を開けているほうが阿形、閉じているほうが吽形。上の画像は阿形です。名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?

 

仁王像については、法隆寺の記事で説明しています。

 

一部抜粋してみました。

金剛力士像は、仏さまの守護神であり、四天王に近い存在と言えます(四天王については、京都観光の前に知っておきたい仏像の豆知識その3をご覧ください。)

守護神らしく迫力のある怖い顔をしていますね!金剛力士像は、阿吽の呼吸で仏さまを守っているのです。

詳しく知りたい方は、国宝多すぎ!魅力ある法隆寺を楽しむ豆知識教えます【聖徳太子】その1をご覧ください。

 

ニ王門は仁和寺の入り口であり、そこを守る守護神が仁王像というわけですね。

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見所その2:金堂

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(出典:京都の開運写真館 印鑑ダルマ屋

 

ニ王門の次に紹介する見所は仁和寺の金堂です。

 

ニ王門は、特に何も知らなくてもその迫力だけでも楽しめますが、金堂は何も知らずに行ってもよくわからないと思います。(私が最初行った時もそうでした・・・)

 

というわけで、仁和寺の金堂を楽しく見れるよう、説明をしていきます。

 

現存する最古の紫宸殿(ししんでん)

仁和寺の金堂が見所!と言えるのは、仁和寺の金堂は現存する最古の紫宸殿だからです。仁和寺の金堂は、江戸時代初期に御所(ごしょ。天皇の住居)を移転したものになります。

 

紫宸殿とは、天皇らが重要な儀式を行う場です。前編(仁和寺の歴史と見所を簡単にわかりやすく【宇多天皇の想い】その1)で説明した通り、仁和寺は宇多天皇を初代として代々皇族が住職を務めるお寺なので、紫宸殿を仁和寺に移転して金堂代わりにするのは不思議な話ではないのです。

 

 

多くのお寺では、金堂(本堂とも言う)は質素であることが多いです。しかし、仁和寺は以上のような経過があるので、なんとなく優雅な雰囲気が漂っている・・・ような気がします。

 

京都観光でお寺巡りをされる方は、ぜひその違いを確認してみてくださいね。

 

 

なお、金堂には、仁和寺の本尊(そのお寺の中心的な仏様)である阿弥陀如来が安置されています。

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見所その3:御殿の庭

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【御殿の北庭】

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【御殿の南庭】

 

次に紹介するのは、仁和寺の御殿(ごてん)です。御殿とは、位の高い者の邸宅です。

 

仁和寺を創立した宇多天皇は、出家した後、仁和寺の御室で晩年を過ごしました。宇多天皇が住んでいたその御室が現在の御殿にありました。宇多天皇が住んでいた御室は僧坊なので質素な佇(たたず)まいでした。その後、多くの皇族が住むようになり、御室は次第に立派になっていき、今みたいな庭付きの立派な御殿になっていきます。

 

特に御殿の庭はとても綺麗なので、観光に行ったらぜひ見てみることをお勧めします。

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九所明神(くしょみょうじん)

最後に見所ではないですが、仁和寺の少し変わったところを。

 

仁和寺の境内には、九所明神という9体の神様を祀る社があります。9体の神様は、仁和寺の守護神的な意味合いを持っています。実は、お寺の中に神様を祀る社があるというのは大変珍しいことなんです。

 

 

昔は、仏と神は分け隔てなく信仰の対象となっていましたが、明治時代になると天皇主導の政治を目指すため、仏と神の信仰の分離化が進みます。

 

古事記という古書によれば、天皇は天照大神の子孫と考えられているので、神の子。そして、その神が仏と共存していては、天皇がトップに立てないので、仏と神の存在を明確に分けることにしたのです。この時に、お寺と神社も分離化が進み、さらに仏教は弾圧を受けることになります。これを廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動と言ったりします。

 

しかし、仁和寺はこの廃仏毀釈運動に耐えることができたようで、お寺にも関わらず神を祀る九所明神が残っているのです。つまり、明治時代前の仏と神がうまく融合していた頃の信仰の面影が仁和寺には残っています。

 

昔の仏と神がうまく融合していた(神仏習合と言います。)名残は、仁和寺のほかに奈良市にある興福寺と春日大社にも見られます。

 

※神仏習合については、春日大社に行く前にその歴史を知ろう!【藤原氏と神仏習合と興福寺】という記事で紹介しているので、詳しくは上の記事をご覧ください。

 

 

九所明神自体は、地味なところですが、時間があれば神仏習合の名残というものをぜひ見てみてはいかがでしょうか。

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まとめ

仁和寺について紹介しましたが、仁和寺の境内はとても広いです。今回紹介した所以外にも、たくさんの見所があります。

 

最後に、簡単に仁和寺観光の注意点を載せてみたいと思います。

 

春と秋には霊宝館で仏像が見れる

春と秋の一定期間のみ、霊宝館というところで仏像が見れます。

 

普段は金堂に安置されている阿弥陀如来像などを見ることができます。逆にそれ以外の時期だと見ることができないのでご注意を。

 

時間に余裕をもって

仁和寺をじっくり見るつもりなら、時間に余裕をもって観光をしてください。境内が広いのでじっくり見ようと思うと2~3時間はかかると思います。私は、実は駆け足でしか見たことがありません・・・(涙)。

 

仁和寺自体を見たいなら桜と紅葉の時期は外す

桜や紅葉ではなく、仁和寺自体をゆっくり見たいなら桜・紅葉の時期は外しましょう。人が多すぎてそれどころじゃないです。あとGWもできば外しのがなお良。

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この記事を書いた人
もぐたろう

教育系歴史ブロガー。
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