簡単にわかりやすく!誰でもわかる毘盧遮那仏【宇宙の真理?華厳経の教えとは?】

今回は、奈良の大仏で有名な毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)という仏様について紹介しようと思います。毘盧遮那仏は盧舎那仏(るしゃなぶつ)とか舎那仏(しゃなぶつ)って呼ばれることも。

 

 

仏教は紀元前500〜400年ごろにブッダを開祖とした宗教ですが、ブッダの教えはブッダ死後も多様な思想や解釈を生み、実に多くの経典が生まれます。そんな数ある経典のうち、華厳経(けごんきょう)と呼ばれるお経に毘盧遮那仏のことが書かれています。

 

 

華厳経は、奈良時代に日本で大ブームとなりましたが、その後の人気は下火に。現代ではそれほど広く普及しているお経ではありません。日本では、般若心経や法華経が人気で、華厳経はマイナーお経と言っても良いかもしれません。

 

 

この記事ではなるべくわかりやすいように毘盧遮那仏について紹介してみようと思います。

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華厳経と毘盧遮那仏

華厳経は、300年頃に作られた経典と考えられています。数多くあった経典をもとに、ブッダの教えやその世界観が書いたものです。

 

 

さらに600年ごろになると、大量にある経典について、体系的な整理が行われました。この整理を行ったことで特に有名なのが、智顗(ちぎ)という僧侶さん。智顗は天台宗を大成したと言われている凄い人。

 

智顗は、数ある経典について「その経典に書かれた教えは一体、ブッダが何をしている頃に説かれたものなのか?」という観点から5つのジャンルに整理しました。

 

ブッダが説いた教えを時系列で早い方からまとめると

  1. 華厳経
  2. 阿含経
  3. 方等経、観無量寿経など
  4. 般若心経など
  5. 法華経・涅槃経

こんな感じになります。ただ、あくまで智顗が独自に整理したもので、ブッダが実際にこの順番で教えを説いたかは謎ですがね・・・。

 

 

智顗によれば、華厳経に書かれている教えはブッダが一番初めに説いた教えとされていますが、その内容はとにかく難解でした。ブッダは華厳経を説いた後、人々にわかりやすいよう説く内容を変えていき、こうして阿含経など以下に続くお経の内容が説かれたと言います。

 

 

つまり、華厳経はブッダの生に声に近い本質的な教えを説いていると考えられているわけです。(その代わり内容がとても難しい)

 

 

そして、毘盧遮那仏はそんな華厳経の主役。ブッダの教えの中心に存在する毘盧遮那仏とは一体何者なんでしょうか?

毘盧遮那仏は宇宙の真理そのもの??

毘盧遮那仏がどんな仏様かというと、「宇宙の真理そのものだよ」とか「万物を照らす宇宙的存在!」とか、そんな風に言われることが多いです。

 

 

ただ、もうちょっと具体的な説明が欲しいですよね。というわけで、具体的な説明って無量大数レベルで難しいんですけど、凡愚な私が思う毘盧遮那仏について語ってみます。

 

 

仏教、特に大乗仏教では万物の源は全て因縁にあるとされています。これは、華厳経だけに限った話ではありません。因縁は業とか縁起とか空とか言われることもあります。

 

 

因縁とは物事や出来事の関わり合い。難しそうに思えますが、感覚的な理解は難しくありません。

 

 

例えば、旅行のため飛行機に乗ろうとしたら、ちょうどラスト1席しか空いてなくて、あなたがこの席を予約したとします。この時、あなたとほぼ同時に仕事で大口との契約のため、飛行機に乗ろうとしたサラリーマンは飛行機に乗れませんでした。

 

すると、あなたの飛行機を予約するという判断は、そのサラリーマンの仕事に決定的な影響を与えたかもしれません。もしかしたら、大口契約を取らななかったかもしれない。取れなかったとしたら社会的にも広範な影響があったかもしれない。

 

あなたのどんな些細な行動であっても、その影響は常に他の事象にも及んでいる。このことを因縁と呼びます。

 

次に「じゃあ因縁が万物の源とはどーゆーことだ?」という疑問が湧くと思いますが、これは因縁の話を生物や物理の話に応用するとわかりやすい。

 

私たちは一人の人間ですが、その体はたくさんの臓器や器官によって構成されています。脳や内臓、目鼻耳口、これらが相互に関わり合って一人の人間が構成されている。これも因縁の一つ。

 

さらに突き詰めれば、私たちの体は分子によって構成されています。その分子は原子によって構成されていて、原子の組み合わせで分子は多様な特徴を持つようになる。

 

さらにその原子は、陽子、電子、中性子で構成され、これらは電場や磁場の影響で様々な振る舞いを見せる。

 

そして、陽子や電子は素粒子で構成され、最近では「素粒子はさらに小さい紐のような存在で構成されてるのでは?」なんていう超ひも理論が今では提唱されています。

 

 

こうして、無限と言って良いほどの物と事象の関わり合い(因縁)によって一人の人間が構成されている。そしてこの理屈は人間に限らず万物について適用され、因縁こそが万物の理に相応しい。そう考えるわけです。この考え方は空とも言われ、似たようなことが般若心経などでも語られています。

 

 

そして毘盧遮那仏は、言うならば因縁を完全に把握しきった因縁マスター。万物の理である因縁を知れば、自ずと悟りを開く方法もわかります。なんせ因縁を知れば、万物がわかるんですから。こうして悟りを開いたのが毘盧遮那仏です。だから毘盧遮那仏は宇宙の真理だ!みたいに言われるわけです。

 

 

ちなみに、現在進行形で物理学者を中心に研究が進められている超ひも理論。この理論が正しいか正しくないかもきっと毘盧遮那仏は知っています。

 

 

仏教の思想って物理学(特に量子力学)と思想が非常に似ています。私なんかは量子力学を大学で習っていたんですけど、社会人になって仏教の「因縁(空)」の在り方を知った時は衝撃を受けました。

毘盧遮那仏は太陽の象徴

因縁という万物の真理を知ることで悟りを開いた毘盧遮那仏は、悟りを開いた者(仏)のみが辿り着ける清らかな世界へと向かいます。これがいわゆる浄土(じょうど)というもの。

 

仏教の根底にある考え方として、輪廻(りんね)と一切皆苦(いっさいかいく)って考え方があります。

 

世の中は困苦に満ちていて、私たちは複数ある苦しみだらけの世界を生まれ変わり輪廻している。その苦しみの連鎖から抜け出す方法こそが悟りを開くこと!

 

悟りを開くと苦しみの連鎖から解放された新たな世界が広がっているとされています。毘盧遮那仏のいる浄土はそんなところ。

 

毘盧遮那仏のいる浄土は、その清らかさを象徴する蓮華(れんげ。ハスの花のこと)で構成されていて、毘盧遮那仏の浄土のことは蓮華蔵世界(れんげぞうせかい)なんて呼ばれています。

 

そんな世界で毘盧遮那仏が何をしているかと言うと蓮華蔵世界から智慧(ちえ)の光を放ち、多くの人々を救おうとしてくれています。

 

 

毘盧遮那仏は華厳経の主役と言いつつも、実はそんなに自己主張が強くありません。毘盧遮那仏は自ら積極的に語りかけるようなこともなく、当然に君臨して智慧の光を放つ太陽のような存在として描かれています。

毘盧遮那仏はブッダそのもの

毘盧遮那仏は今でこそ蓮華蔵世界に君臨していますが、その前までは現世に生きる修行僧の1人。どんな人物だったかと言うと、華厳経ではその修行僧こそがブッダだった!と考えます。

 

 

しかし、ブッダは一般的には釈迦如来と呼ばれています。「じゃあ釈迦如来と毘盧遮那仏どっちがブッダなの?」と問われると、思想の違いによるとしか言えません。華厳経ではブッダと毘盧遮那仏を同一視していますが、他の経典・宗派では別物として解釈するケースもあります。

 

 

ちなみに、空海が開祖の真言宗では毘盧遮那仏と釈迦如来は別な存在として理解されています(真言宗では毘盧遮那仏のことを大日如来と呼びます)。

毘盧遮那仏を見てみよう!

(出典:wikipedia「唐招提寺」、Author:Mstyslav Chernov)

 

以上、とても簡単にではありますが毘盧遮那仏の紹介でした。

 

毘盧遮那仏は万物の真理や太陽の象徴、そしてブッダとして蓮華蔵世界という浄土に君臨しています。

 

こんな崇高な毘盧遮那仏ですが、毘盧遮那仏の放つ智慧の光によって、私たちと毘盧遮那仏は常に共にあります。

 

毘盧遮那仏は万物の真理の象徴であり、私たち自身も万物の一部です。そう考えると、毘盧遮那仏は私たちの身近に常に存在しているし、私たち自身と毘盧遮那仏の一部と言えるかもしれません!

 

華厳経は奈良時代に大ブームとなっていたため、毘盧遮那仏の仏像も奈良時代に建立されたものが多く、現存するものだと東大寺の奈良の大仏や唐招提寺の盧舎那仏像などが有名です。ぜひ、ご覧になってみてはいかがでしょうか!

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