混迷の朝鮮半島。百済・新羅・高句麗

古墳時代は謎に包まれているという話を前回しました。そんな古墳時代をもっとじっくり見ていきたいと思います。

時代的には主に400年~500年の間になります。史料の乏しいいわゆる「空白の4世紀」についてはカットせざるをえません・・・。

この時代は、「倭の5王の時代」と言われ、史料には5人の倭国の王の名が残っています。それぞれ讃(さん)、珍(ちん)、斉(せい)、興(こう)、武(ぶ)と言われています。

この時代は日本も朝鮮半島も激動の時代。世間一般にはあまり知られていない時代かもしれませんが、かなり熱いです。

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混乱を極める朝鮮半島

300年代の当時、朝鮮にはおおきく3つの国がありました。中国での五胡十六国時代の到来により、大陸からの圧力が減り、朝鮮半島では独立した国々が出来上がってきた頃でした。

高句麗(こうくり):領土はおおむね今の北朝鮮(ちょっと中国含む)と韓国最北部

新羅(しらぎ):領土は今の韓国の中~北部の東半分

百済(くだら):領土は今の韓国の中~北部の西半分

そして、韓国最南部の対馬半島に近いところは、小国が乱立し伽耶(かや)諸国などと呼ばれていました。

高句麗は、隣国との戦で敗戦したため、領土拡大のため南下政策を始めます。つまり新羅と百済を征服しようという魂胆。だからと言って百済と新羅が協力するわけでもなく、4世紀後半~5世紀にかけての朝鮮3国の動乱の時代が始まります。

百済は倭国に援軍要請をします。倭国は卑弥呼の魏への朝貢以降も主に日本列島に近い朝鮮半島南部も伽耶諸国と交友関係がありました。伽耶諸国を通じて大陸の最新技術を取り入れていたのです。そのため、百済とっても倭は知らない相手ではなかったわけです。

百済と国交があったことは、日本に残る七支刀(しちしとう)が物語っています。(画像はすみません。Wikipedia等を参考にしてください)

七支刀は、百済王が倭王に贈ったものという説が有力です。七支刀には文字が刻まれており、作られた時期が369年とされているので、同時期に倭王に贈られたものと考えられています。いいものあげるからどうか高句麗と戦うために倭王の力を貸してくれ!という感じですね。

倭国としても「了解した!貴重な品や最新の技術や文化をくれるお礼として、協力するよ!」というスタンスでした。

そして遂に倭王は朝鮮半島へ軍隊を送ることになるのです。

倭国、朝鮮へ出兵する

広開土王碑という石碑に倭国が高句麗を攻めたという記録が残されています。

広開土王碑は、今でいうピョンヤンをずーっと北上した北朝鮮の中国の国境付近で見つかった当時の石碑です。石碑に刻まれた文章の解釈には、いろんな解釈があるようですが、おおむね次の点は事実なのではないだろうかと言われています。

【390年~399年】
倭国がちょくちょく攻めてくるようになった。百済が倭と仲良くしてるので、百済を攻めることにした。

【400年】
新羅に倭国の兵が侵入し、困っているので5万の兵を援軍として新羅へ派遣した。

【404年】
倭国の水軍が攻めてきたので、返り討ちにしてやった。

いずれも高句麗目線です。

少なくとも、倭国が朝鮮半島へ軍隊を派遣し、高句麗を攻めたことは間違いなさそうです。そして百済・倭国VS高句麗・新羅の構図も浮かび上がってきます。

なぜ、わざわざ高句麗を攻めたのか。単純に百済との友好関係によるものなのか、倭国にも天子思想があり、百済を属国のように考えていたのかなどなど、諸説あります。

いずれにしても、朝鮮へ出兵できるほどに倭王の国内権力は大きくなっていたといえるでしょう。

弥生時代の集落ごとの争乱期から、だんだん国内の統合が進められ、この段階になると国外に軍を送れるほどの権力を有する人物が現れてきました。

避難民、倭国へ

朝鮮半島の動乱の影響は、倭国へも波及しました。次第に、倭国への避難民が増えていったのです。

倭国は、この避難民を比較的良好に受け入れていたようです。避難民は、最新の文化・技術を伝えてくれる倭国にとっては貴重な人々だったからです。この姿勢は、弥生時代の稲作伝来期から大きく変わってはいません。

当時の倭王の権力は、大陸の最新文化・技術の掌握に依存していたと言われています。倭王にとっても避難民がやってくるのは悪い話ではないわけですね。

そして、420年頃、中国では宋王朝が建国されます。百済が宋に叙爵(じょしゃく。官位を授かること。)されたのを受け、倭国も宋へ遣使を送ることになりました。

これは、現存の史料上では卑弥呼以来の初の遣使になります。

なぜ、遣使を派遣したのでしょうか。

次回は、その理由を考えてみます。そして、有名な雄略天皇の登場です。

次:日本人のほとんどが知らない古墳時代の偉人。雄略天皇
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