恋に悩める女性に贈る4つの和歌【万葉集(現代語訳)】1/2

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万葉集とは、今からおおむね1200~1300年前に作られた当時の人々が様々な想いをこめて歌った和歌を集めたものです。

今でいうJ-POPのご先祖様といったところですね!

今回は、そんな1000年以上前の歌の中から刺激的な恋の歌を厳選してみました。
もちろん現代語訳で解説もつけてわかりやすく紹介しますよ

万葉集を読めば恋の本質がわかる!?

1000年以上前の恋の歌。これから紹介しますが、我々現代人が共感できる点が驚くほど多い。

これが何を意味するかというと、文明がどんだけ発展して暮らしが豊かになっても恋の悩みは1000年以上経っても変わらないということ。

つまり、万葉集で歌われる恋の心情は、1000年以上の歴史の流れに風化せずに耐えてきた恋の本質(エッセンス)と言えます。

1.肉食系女子の歌

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【原文】
恋(こ)い恋(こ)いて 逢える時だに 愛(うるわ)しき 言尽してよ 長くと思わば

【現代語訳】
恋い続けて久しぶりに会えた、そのときだけでもせめて私が喜ぶような良い言葉を尽くしてください。あなたが長くこの関係を続けようとお思いならば・・・

【歌手】
大伴坂上郎女(おおとものさかのうえいつらめ)

一見普通の和歌に見えるけど・・・ -当時の恋愛事情-

恋とは、非日常の行為であり、通常では考えられないような強い欲情を湧き起こす不思議なパワーに満ち溢れた行為です。これに加え、性行為による子の誕生とも連想づいていき、恋は神聖なものと考えられていました。

当時、そんな神聖なる恋は人目を避けて行うというのが常識でした。なかなかプラトニックですね・・・。

以上の事情から、恋と言えば夜の密会というのが当たり前だったのです。

さらにさらに!密会はどのようにして行われたかというと、男が女の家に夜這いしてました。しかも、当時は一夫多妻制。

何が言いたいかというと、愛する人に逢いたい!とどんなに胸を焦がしていても、女性にできることは、別の女のところに夜這いしてるともわからない愛する人を待ち続けることだけだったのです。

そのため、当時の女性たちの多くは「愛する人に会いたいわ・・・」と悩める乙女の気持ちを和歌にして読んでいました。

そんな中、大伴坂上郎女は違います。多くの女性たちが「あの人に逢いたい・・・」と悲しい気持ちを歌いながら愛する人を待ち続けいたのに対して、大伴坂上郎女は

やっと会えたんだから、もっと私に素敵な言葉をかけてよ!あなた、私のこと好きなんでしょ?ずっと私と付き合いたいならもっと私に尽くしてよ!!

と当時の恋愛事情を考えるとかなり強気の発言をしています。(とはいえ、逢えてうれしい気持ちもにじみでていますね!)

相手の男は大伴坂上郎女にゾッコンだったのかもしれません。

肉食系女子と草食系男子、今も昔も変わらぬ恋の形なのかもしれません。(しみじみ・・・)

2.禁断の恋を決意した高貴な女性の歌

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【原文】
人言(ひとごと)を 繁(しげ)み言痛(こちた)み 己(おの)が世に

いまだ渡らぬ 朝川渡る

【現代語訳】
スキャンダルがうるさいので、私は生まれて初めて、あなたに逢いに夜明けの川を渡ります。

【歌手】
但馬皇女(たじまのひめみこ)

 寂しさから求めてしまう禁断の恋の味

但馬皇女は、天武天皇という天皇の娘であり、高貴な身分の女性でした。

但馬皇女には、高市皇子(たけちのみこ)という夫がいました。しかし、肉食系女子の歌で説明したとおり、当時は一夫多妻制です。

但馬皇女は、高市皇子との年齢差が大きかったこともあり、高市皇子に全然構ってもらえず、さみしい想いで過ごす日々が続いていました。高市皇子には、別に正妻がいたのです・・・。

そんな中、高市皇子を夫に持つ但馬皇女は穂積皇子(ほずみのみこ)という別の男性に恋をしてしまいます。高貴な女性の危ない密会の始まりです。

しかし!但馬皇女と穂積皇子の密会ラブラブデートが、天皇の知るところとなってしまいます。天皇は、この禁断の恋に大激怒。

天皇の娘ともあろうものが、他の男と浮気するとは何事か!!!

天皇の逆鱗に触れた穂積皇子は、都から追放されてしまいます。こうして但馬皇女は穂積皇子とは逢えなくなってしまいました。

許されない恋でも・・・やっぱりあなたに逢いたい!

肉食系女子の歌でも説明した通り、当時の恋愛事情では、男が女に会いに行くのが一般的なスタイルで、女の人はひたすらに男性を待つというとても辛い恋愛をしていました。

ところが、但馬皇女は、寂しすぎて穂積皇子に逢うのを我慢できません。

人のいない夜明けに、追放された穂積皇子に会いに行く決意をします。男が女の下へ訪れるのが普通の時代なので、これはとんでもない行為でした。もしまた、周囲の人に知れれば今度は何をされるかわかりません。

そんな但馬皇女の禁断の恋に生きる覚悟がこの歌には込められています。

万葉集は意外と簡単に読めるし面白い

万葉集って聞くと難しいイメージはありますが、全然そんなことはありません。今では、何も知らない人でもわかりやすく読めるような本がたくさん出版されています。

例えばこの漫画。歌自体は少ないですが、時代背景や内容がとてもわかりやすく載っています。値段もお手頃で、万葉集を読むきっかけとしては最適でしょう。

他にもこんな本もあります。値段・内容的にとても読みやすい一冊です。

ちなみに、個人的に入門書で一番おすすめなのが「図解雑学」シリーズ。しかし、少し値段がお高めです。

万葉集は先人たちの様々な想いが凝縮されたとても面白い歌集です。読んだことがない方にはぜひ一度どんな本でも良いので読んで万葉集を欲しいなと個人的に思っています。

気になる残り2つの歌は、こちら、恋に悩める女性に贈る4つの和歌【万葉集(現代語訳)】2/2

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